耐寒性の強い植物30選!北海道や寒冷地のガーデニングに向く植物は?

耐寒性の強い植物30選!北海道や寒冷地のガーデニングに向く植物は?

植物を育てるには、耐寒性や耐暑性といった特性を理解することが大切です。寒い地域で育つには耐寒性が必要ですが、冷涼な環境は暖地にはない利点があります。この記事では、北海道や寒冷地でのガーデニングのポイントやメリットと、おすすめの植物30種をご紹介します。

記事の目次

  1. 1.寒冷地のガーデニングに適した植物とは
  2. 2.耐寒性の強い植物<一年草>2選
  3. 3.耐寒性の強い植物<一年草扱いの多年草>7選
  4. 4.耐寒性の強い植物<多年草>12選
  5. 5.耐寒性の強い植物<球根植物>4選
  6. 6.耐寒性の強い植物<低木>3選
  7. 7.耐寒性の強い植物<高木>2選
  8. 8.寒冷地でのガーデニングのポイントとメリット

寒冷地のガーデニングに適した植物とは

Photo byHans

耐寒性が低いという理由で、寒冷地での栽培はあきらめざるを得ない植物はたくさんありますが、寒冷地だからこそ育てやすい植物もたくさんあります。寒冷地のガーデニングにおすすめしたいのは、耐寒性の強い植物はもちろん、暖地では暑さで枯れてしまうものの、寒冷地であれば真価を発揮できる植物たちです。

耐寒性が強い植物

Photo by Sugaaaaa_LFLC

寒冷地のガーデニングにあたっての外せない条件は、耐寒性が強い植物を選ぶことでしょう。耐寒性の基準は-5℃を目安としている場合が一般的ですが、山野草をよく取り扱う店舗では-20℃まで表記している場合もあります。最低でもこの耐寒性-5℃をクリアしていないと、寒冷地の戸外では枯れてしまうため、防寒などの管理が必要です。

耐寒性はあっても耐暑性のない植物

出典:写真AC

寒冷地で育つ植物の特徴として、冷涼な気候を好むことがあげられます。これは言葉を変えると暑さが苦手ということです。植物の生育に温かさは大切ですが、気温さえ高ければよいものではありません。特にヨーロッパの冷涼な地域を原産地とする植物は、高温多湿が苦手なため暖地では枯れてしまうことが多く、本来は多年草であっても日本では一年草扱いになっています。

原産地と同じ環境を好む植物

Photo byCouleur

ヨーロッパ原産の植物が北海道で育ちやすいことは、北海道の緯度がフランス中南部~スペイン北西部あたりと同じことからわかります。イギリスはもう少し北に位置しますが、冷涼な気候の北海道や東北地方に、イングリッシュガーデンを基調としたオープンガーデンが多いことは理にかなっていますね。

耐寒性の強い植物<一年草>2選

①ジャーマンカモミール

Photo by matsuyuki

ジャーマンの名のつくジャーマンカモミールはドイツで薬用とされているハーブです。中央の黄色の部分が飛び出ていることが特徴なので、ほかの多年草タイプのカモミールとの識別は簡単です。暑さは苦手ですが、耐寒性の強いこぼれ種で増える強健種です。

分類 キク科コシカギク属:一年草
別名 ワイルドカモミール、ドイツカミツレ
原産地 ヨーロッパ、中央アジア
花期:花色 3~6月:白×黄色
特徴、用途 リンゴのような香り、開花期間が長い、初心者向き

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②ボリジ

Photo byanArx

別名のスターフラワーの名にふさわしく、青い星のような花を咲かせるボリジは、イングリッシュガーデンでも定番の一年草です。冷涼な気候を好み、高温や多湿を苦手とするため夏には枯れてしまいますが、こぼれ種でもふえる強健種なので、ガーデニング初心者にもおすすめです。

分類 ムラサキ科ルリジシャ属:一年草
別名 スターフラワー、ルリジシャ
原産地 ヨーロッパ
花期:花色 4~7月:白、青
特徴、用途 養蜂植物、ハーブ、開花期間が長い

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耐寒性の強い植物<一年草扱いの多年草>7選

①アルメリア

Photo by wallygrom

耐寒性が強く、耐暑性もまずまずといったアルメリアですが、多湿と蒸れに弱いため、枯れてしまうことが多い植物です。寒冷地では、ロックガーデンのように水はけと風通しのよい環境を作って、夏越しに挑戦してみてください。

分類 イソマツ科ハナカンザシ属:多年草(一年草扱い)
別名 オオハナカンザシ
原産地 ヨーロッパ、北アフリカ
花期:花色 3~5月、白、ピンク、赤
特徴、用途 常緑性、ロックガーデン

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②アイスランドポピー

Photo byCouleur

アイスランドポピーは本来は多年草ですが、高温多湿に弱いため日本では一年草扱いです。原産地がシベリアということからも、生育には寒い地方が適していることがわかります。数色を群生させて花畑にすると見栄えがしますが、切り花にしても1週間ほど楽しめるのでおすすめです。

分類 ケシ科ケシ属:多年草(一年草扱い)
別名 シベリアヒナゲシ
原産地 シベリア
花期:花色 3~5月:白、黄色、オレンジ
特徴、用途 切り花、花畑

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③ロベリア

Photo byKhajj

ロベリアの耐寒性はそれほど高くないのですが、高温多湿を嫌う耐暑性のない植物ということで取りあげました。一般的に春から園芸店に苗が出回り、夏本番のころには枯れてしまいます。冷涼な寒冷地で切り戻しを行うと開花期間が延び、長く花を楽しめます。

分類 キキョウ科ロベリア属:多年草(一年草扱い)
別名 ルリチョウソウ
原産地 南アフリカ
花期:花色 4~6月:白、ピンク、紫、青
特徴、用途 ハンギング、寄せ植え

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④ワスレナグサ

Photo bymartin_hetto

繊細な青い花で頼りなさげな印象のあるワスレナグサ(スコルピオイデス)ですが、近種であるエゾムラサキやアルぺストリスとの種間交雑が見られるなど、生物としてたくましい一面もあります。多湿気味の土を好むので水切れには注意してください。

分類 ムラサキ科ワスレナグサ属:多年草(一年草扱い)
別名 スコルピオイデス
原産地 ヨーロッパ、アジア、アフリカの温帯地域
花期:花色 3月下旬~6月上旬:白、ピンク、青、紫
特徴、用途 種間交雑種が多い、開花期間が長い、切り花

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⑤ジギタリス

Photo bypasja1000

イングリッシュガーデンでおなじみのジギタリスは冷涼な気候を好みます。暑さに弱いため暖地では一年草扱いですが、環境があえば大きく成長してこぼれ種でどんどん増えていくので、見ごたえのある庭の主役となってくれることでしょう。ボーダーガーデンの後方におすすめです。

分類 オオバコ科ジギタリス属:二年草(一年草扱い)
別名 キツネノテブクロ
原産地 ヨーロッパ、北東アフリカ
花期:花色 5~6月:白、ピンク、橙、黄、茶、紫、複色
特徴、用途 耐陰性がある、ボーダーガーデン

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⑥デルフィニューム

Photo byJamesDeMers

デルフィニュームも冷涼な気候を好む花です。ガーデニングの難易度は中級といったところですが、枯れてしまう原因の多くが高温と多湿によるので、乾燥気味に管理するとよいでしょう。青系のゴージャスな花はボーダーガーデンのフォーカルポイントになります。

分類 キンポウゲ科オオヒエン属:多年草(一年草扱い)
別名 オオヒエンソウ(大飛燕草) 
原産地 シベリア~モンゴル、ヨーロッパ
花期:花色 5~6月:白、ピンク、青、紫、複色
特徴、用途 落葉性、ボーダーガーデン、切り花

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⑦ルピナス

Photo byJarkkoManty

昇り藤の別名をもつルピナスは、一般的には一年草として流通していますが、寒冷地では夏越しが可能です。多年草タイプで大型種でもあるラッセル・ルピナスの花畑は、寒冷地ならではの絶景でしょう。団扇のような葉も個性的でおしゃれです。

分類 マメ科ハウチワマメ属:多年草(一年草扱い)
別名 ノボリフジ(昇藤)、ハウチワマメ(葉団扇豆)
原産地 北アメリカ
花期:花色 4月下旬~6月:白、ピンク、赤、橙、黄、紫、複色
特徴、用途 耐寒性が強い、花畑

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ボタニ子

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次のページでは、耐寒性の強い多年草を12種ご紹介しますね

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耐寒性の強い植物<多年草>12選

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