世界中にある珍しい花
私たちの周りには、様々な種類の花が咲いています。また、プレゼントの定番でもあります。しかし中には、ユニークな姿や生態をしている花も存在します。また、絶滅の危機に瀕しているものも多くあります。
姿が珍しい花18種
ショクダイオオコンニャク
世界一大きい花と聞くと、ラフレシアという人が多いかもしれません。しかし、実は世界一大きい花は、ショクダイオオコンニャクという花です。数年に一度、2mにもなる巨大な花を咲かせます。
サイコトリア・ペピギアナ
中南米の熱帯雨林に咲くサイコトリア・ペピギアナは、真っ赤な唇のような花を咲かせることで有名です。名前もそのまま、赤い唇という意味を持ちます。
ラピダリア・マーガレッタ
ラピダリアは、多肉植物の仲間です。仙人掌(サボテン)に対し、女仙(メセン)という別名を持ちます。最大の特徴は、ゴツゴツした変わった色の体。砂漠地帯で生きていくため、石に擬態しているのだそうです。
カシューナットノキ
カシューナットノキは、中華料理でおなじみのカシューナッツです。小さくかわいい花をつけますが、実がなると変わった姿に変身します。カシューナッツはなんと、実に守られることもなく突き出てしまっています。
パッションフルーツ
爽やかさと甘さでおなじみのパッションフルーツは、個性的な花をつけるトケイソウの仲間です。細長くふわふわした花びらが広がり、中央には時計針のようなおしべとめしべがついています。
カラスウリ
カラスウリは、秋になるとあちこちにオレンジ色の実をつけます。一方花は、夏の夜に短時間だけ幻想的な姿を見せるのです。糸のような花びらは、蕾(つぼみ)の間は折り畳まれており、開花とともにどんどん広がっていきます。
キンギョソウ
キンギョソウは、金魚に似たふわふわした花をたくさんつける植物です。しかしその柔らかな花とは裏腹に、実が枯れると、まるでドクロのような形に早変わりします。
オルキス・イタリカ
オルキス・イタリカは、まるで人の体のような花をつける変わった蘭の仲間です。そのため英語では、ネイキッド・マン・オーキッド(裸の男の蘭)と呼ばれています。
ドラクラ・シミア
ドラクラ属の花はコウモリに似ていることから、吸血鬼ドラキュラになぞらえて名付けられました。中でもドラクラ・シミアは、コウモリというより猿にそっくりです。モンキー・オーキッド(猿の蘭)の別名を持ちます。
カレアナ・メジャー
カレアナ・メジャーの花は、鳥にそっくりな形をしています。フライング・ダック・オーキッド(空飛ぶアヒルの蘭)という別名も納得です。しかし実は、メスの蜂の擬態なんです。そうやってオスの蜂を集めて受粉を手伝ってもらいます。
サンカヨウ
サンカヨウは、フキに似た高山植物です。可憐な白い花を咲かせますが、大きな特徴は、水にぬれると花びらが透明になることです。早朝には、朝露を浴びてキラキラと輝くきれいなサンカヨウたちを見ることができます。
オステオスペルマム・ナシンガ
オステオスペルマムは、デイジーに似た丸い花です。中でもオステオスペルマム・ナシンガは、花びらの中ほどだけが丸まっており、スプーンのような花をつけます。「心身の健康」「元気」という花言葉を持ち、ギフトにも最適です。
エキウム・ローズクォーツ
エキウム・ローズクォーツは、塔のような大きな植物です。草丈は2.5mにもなり、その大きな体の周りに4万輪もの花を咲かせます。名前の由来は、宝石のローズクォーツとそっくりの色をつけるからです。
オオオニバス
オオオニバスは、その名の通り大きな蓮の仲間です。他の蓮と違い、葉の周りが垂直に持ち上がっています。そのため非常に浮力が強く、なんと小学生が上に乗ることもできてしまいます。
ヒドノラ
ヒドノラは、怪物のような変わった姿をしている植物です。一見食虫植物のようですが、虫を食べることはありません。代わりにトウダイグサ科の植物に寄生し、養分はすべて宿主から貰っています。
ツチトリモチ
ツチトリモチは、タマゴタケにそっくりの見た目を持つ花です。また、きのこのかさに見える部分をよく見ると、ヤマモモにも似ています。クロキやハイノキに寄生して育ちます。
ブルーエレガンス
ブルーエレガンスは、白い胡蝶蘭に特殊な液を吸わせて作られた、青い胡蝶蘭です。とはいえ胡蝶蘭は鉢植えの植物ですから、ただ青い液に浸せばいいというわけではありません。非常に特殊な技術が必要で、高級ギフトとして使われることもあります。
蛍光花
【蛍光花】
— 世界の花図鑑 (@wld_hana) May 12, 2017
オーストラリアの科学者グループによって人為的に作られた花。
特殊な方法により暗闇の中で鮮やかな光が輝くようになっています。
コサージュとして着用する女性も多いそうです。 pic.twitter.com/OLxMjsyhon
蛍光花は、2017年に作られた特殊なペチュニアです。はじめはフィルターを通さないと見えないほど淡い光でしたが、現在では市販されているUVライトだけできれいに光るペチュニアを見ることができます。
次のページでは、貴重で珍しい花7種、生態が珍しい花5種をご紹介します。
貴重で珍しい花7種
シモツケコウホネ
シモツケコウホネは、栃木県にだけに生息する蓮の仲間です。葉は水中に沈み、花だけが水面から顔を出します。2003年に発見されたばかりですが開花数が減っており、現在では絶滅危惧種に指定されています。
オオヤマカタバミ
オオヤマカタバミは、アジアの一部地域にだけ生息する絶滅危惧種です。近縁種であるミヤマカタバミとは違い、うつむいたように咲くのが特徴です。
アツモリソウ
アツモリソウは、「野生蘭の王者」とも呼ばれる、大きく美しい花です。しかし近年では、その人気の高さから乱獲が進み、絶滅危惧種になってしまっています。人工栽培の難しさも、乱獲に拍車をかけています。
ヒスイカズラ
ヒスイカズラは、バナナに似たヒスイ色の花が美しい花です。日本では、各地の植物園で見ることができます。しかし、原産地であるフィリピンでは熱帯雨林の減少とともに姿を消し、絶滅危惧種となっています。
コキア・コオケイ
コキア・コオケイは、世界で最も絶滅に近いといわれている花です。発見されたのは1860年代ですが、その時点でなんと3本しか残っていませんでした。現存しているものはどれも、コキア・カウアイエンシスに接ぎ木したものです。
シレナ・トレントサ
Смолёвка опушённая (Silene tomentosa) считалась вымершей с 1992. В 1994 одно растение было найдено и размножено. pic.twitter.com/itZgcEAhsy
— Ботаничка (@Botanichka) August 20, 2015
シレナ・トレントサは、1992年に絶滅したと思われた花です。しかし2年後、奇跡的に、イベリア半島にあるジブラルタルの岩にて発見されました。現在では繁殖が成功し、絶滅は回避されました。
キキョウ
キキョウは、古くから和歌などで親しまれている花です。しかし近年では、徐々に数を減らしており、ついには絶滅危惧種に指定されました。身近な花が気づいたら消えていた、ということもありうるのです。
生態が珍しい花5種
リザンテラ
Rhizanthella リザンテラ、オーストラリア原産の腐生ラン。植物体すべてが地中に、花も地下で開くという。葉は退化し、光と交わることがないため葉緑素をもたないのか、緑色すら失っている。蝿や蟻などが受粉を助けるというが光合成なしで蟻を魅了するような蜜でも出せるのだろうか? pic.twitter.com/Tctq2EekRH
— 草木のこと (@herecomethewar1) June 3, 2018
リザンテラは、土の中で一生を終える花です。なんと、花が地上に出てくることすらありません。オーストラリアのごく一部地域だけに生息しています。
ワタゲトウヒレン
ワタゲトウヒレンは、亜氷雪帯の山の上に生息する植物です。セーターのような綿毛を全身にまとい、低温から身を守ります。また、温かいセーターの中に入ってくる昆虫たちを媒介にして、受粉も行います。
ゴジアオイ
ゴジアオイは、なんと発火する花です。揮発性の油を出し、35℃を超えると火がつきます。そうして周りの植物を燃やし、自身は種に耐火性があるため繁殖します。「私は明日死ぬでしょう」という花言葉も、この性質に由来します。
ギンリョウソウ
ギンリョウソウは、まるで幽霊のように真っ白な植物です。通常の植物は光合成のための葉緑素を持ちますが、ギンリョウソウはベニタケに寄生して育つのでその必要がなく、全身が純白を保っているのです。
ゲンセリア
ゲンセリアは、食虫植物の一種です。根に見える白い部分は、実は捕虫器です。一度中に入ると、外に出ることができないようになっています。そして、そのまま前に進み続けると、やがて本体の消化器に続いています。
まとめ
珍しい姿をした花たちの中には、美しくプレゼントに使われるものもあります。しかし同時に、絶滅の危機に瀕しているものも多く存在します。身近なものから珍しいものまで、花たちがいつまでもあり続けてほしいものですね。
出典:写真AC