ホウキギとは?
学名 | Bassia scoparia(Kochia scoparia) |
和名 | ホウキギ(箒木) |
種類 | 被子植物 |
科 | ヒユ科 |
属 | パッシア属 |
原産地 | アジア |
「ホウキギ」は別名では「コキア」とも呼ばれる植物で、丸くふんわりした姿がかわいく、一際目を惹く姿が特徴です。育てやすく鑑賞期間が長いことからも、ガーデニングで人気があります。特徴などの基本情報や育て方、意外な利用方法などを紹介しましょう。剪定の方法や、枯れる原因・対策についても解説します。
ホウキギの特徴とは?
ホウキギの特徴はいくつかあります。季節によって変わる姿や、名前の由来、かわいらしい花言葉をなども紹介します。いくつかある「ホウキギの利用法」についても、解説しましょう。
ホウキギの特徴①紅葉する枝葉
ホウキギは、秋に紅葉する植物です。鑑賞期の最後である10月頭〜11月末まで紅葉が見られますが、赤一色に染まりきったホウキギを見たいのなら、10月半ば頃の10日間ほどしかありません。球体のような形で明るい緑色のホウキギが、だんだんと赤く染まっていくのは、とても幻想的な様子です。ホウキギの紅葉した枝葉は、「赤紫色」に近い色で、茎や枝の先まで赤一色になります。
ホウキギの特徴②耐塩性が強い
ホウキギは塩分の濃度が高い土壌でも育つ「耐塩性」があり、通常の土壌でも生育しますが、海岸付近などの塩類濃度の高い環境でも生育できます。ホウキギはさらに、乾いた土壌でも育つ「耐乾性」をあわせ持っていて、非常に強い植物です。暑さにも強いのですが、寒さには弱いので注意してください。
ホウキギの特徴③果実は食用になる
秋田県の名産品「とんぶり」は、ホウキギから採れる果実で作られた食品で、「畑のキャビア」と言われる珍味です。成熟した果実を加熱加工して作られ、食用のほか、生薬としての利用もされてきました。プチプチとした食感で、美味しい食品です。
ホウキギの特徴④名前の由来
日本で「ホウキギ」と呼ばれているのは、その名の通り、草ほうきの材料となったことにちなんでいます。よく育ち、株が大きく成長したホウキギを根の際から刈り取り乾燥させたものは、そのままの姿で「草ほうき」として利用します。古来から伝わる生活の知恵です。
ホウキギの特徴⑤花
細い葉の付け根に、ひっそりと穂状の小さな花がつきます。あまり目立たない場所に咲くので、遠目からでは、花に気付かないこともあるでしょう。開花時期は8月頭〜9月頭頃までなので、その時期のホウキギに出会ったら、近くに寄ってよく観察してみてください。花の時期が終わると、次は紅葉の時期になり、冬の始まりの時期まで見頃が続きます。
ホウキギの特徴⑥花言葉
花言葉は「恵まれた生活」です。ホウキギには観賞用以外に、茎はほうき、果実は食用として利用されます。さまざまな用途があることが、「恵まれた」という花言葉の由来です。またホウキギの花言葉には「あなたに全て打ち明けます」というものもあります。明るい緑の葉が赤くそまる様子を「頬を高揚させる女性の姿」に重ねた、かわいらしい花言葉です。
ホウキギの種類は?
ホウキギには、帰化して野生化した本種のほかにも、いくつか種類があります。主に、観賞用として利用される、2つの変種を紹介しましょう。本種との大きな違いや、見た目の特徴などを解説します。
種類①トリコフィラ
観賞用としてよく使われる、ホウキギの変種で、日本での呼び名は「ハナホウキギ」です。丸みがあってかわいらしく、コンパクトな姿をしているのが特徴で、秋には紅葉して美しい枝葉が見られます。観賞用の品種は果実ができず、「とんぶり」は作れません。株が小さいので、比較的植え付けがしやすく、ガーデニングとしての利用がおすすめです。
種類② ダイヤモンドダスト
「コキア(ホウキギ)」という名前で流通しているものの中には、「ダイヤモンドダスト」と呼ばれる品種があります。オーストラリアが原産国の常緑低木で、以前はコキア属に属していましたが、近年ではマイレアナ属です。葉が全体的にうっすらと白いのが特徴です。半耐寒性で、寄せ植えなどで利用され、クリスマスの飾りにも好まれています。
ボタニ子
次は、ホウキギの育て方について紹介します。