モナルダの増やし方
生育旺盛で、増えすぎて困る場合もあるモナルダですが、管理の時期を誤るとせっかくの株が弱ったり枯れたりしてしまうこともあります。基本的な作業は、株分けなら生育中を避け、挿し木の場合は生育中と覚えておくとよいでしょう。
増やし方①株分け
株をリフレッシュ
株分けには新しい株を更新する意味と、大きくなりすぎた株に風通しと日当たりを確保しつつ、根からリフレッシュさせる効果があります。大株になりやすいモナルダの増やし方としては、とても合理的といえるでしょう。
株分けの方法
モナルダ株分けの時期は早春、もしくは晩秋がよいでしょう。基本的に真夏と真冬、花の咲く生育中は避けて行います。新芽を残して地上部を切り、根を1/3ほどに切り詰めてから新しい土に肥料を入れて植え付けましょう。
増やし方②挿し木
元株と同じ性質の株を作る
挿し木で更新する利点は、元の個体と全く同じ性質の株が作れるということです。園芸品種にはありがちなのが、前年度に採取した種をまいても、違った性質の植物が育ってしまうこと。どうしても同じ品種を育てたいのならば、挿し木か株分けで増やすのがす確実です。
挿し木の方法
挿し木は5~7月ごろで、気温が15~25℃ぐらいの時期に行いましょう。充実したある程度のかたさのある茎を使い、蒸散を防ぐため、大きな葉は一回り切りとります。一定の湿度を保ち、用土は栄養分のないものを使用するとよいでしょう。
ボタニ子
モナルダの種類
モナルダは交配が繰り返され、品種の区分が曖昧になっているものもあります。特にディディマ種は「モナルダ・レッド」「モナルダ・ピンク」「モナルダ・パープル」といったように色名で販売されている場合が多いです。
ケンブリッジ・スカーレット
松明花と呼ばれる赤花のモナルダです。花の下の葉が変化した苞葉がダークレッドなので、シックで落ち着いた赤といった印象でしょうか。スペースがあれば何株かまとめ植えして、ボーダーガーデンの後方に配置するとよいでしょう。
ワイルドベルガモット
一番ポピュラーな品種といえるのがワイルドベルガモット(矢車薄荷)です。ワイルドの名にふさわしく、葉に触れただけでもその芳香を楽しめます。優しいピンク色はほかの植物とも相性がよいので、ボーダーガーデンには欠かせない存在です。
モナルダ・クランベリーレース
目の覚めるようなピンク色に、思わず目を奪われてしまいそうですね。草丈40cm前後とモナルダの中ではコンパクトな矮性品種です。花数も多く、鉢植えにぴったりの品種といえるでしょう。うどんこ病に耐性があります。
モナルダ・スノーホワイト
「スノーホワイト」の名前が付けられた白花は多々ありますが、モナルダもご多分に漏れず、みごとな純白の花を咲かせてくれます。ただ残念なのが、花後が茶色く変色してしまうこと。二番花を咲かせる意味でも早めに剪定してあげるとよいですね。
レモンベルガモット
段咲きの花が特徴的なレモンベルガモットは、葉にレモンの芳香があるハーブティー向けの品種です。生葉でもドライにしてもハーブティーとして楽しめます。若葉はサラダや料理にも利用できるのが嬉しいですね。
モナルダ・プンクタータ
ほかのモナルダの種類とはちょっと雰囲気の違うモナルダ・プンクタータは、原種の1つでピンクの花弁のように見える大きな苞葉が印象的です。また、花期が長く花もちもよいのですが、ほかのモナルダよりも性質が弱いため一年草扱いになっています。
ボタニ子
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まとめ
広い花壇で圧倒的な存在感を放つ一方、お茶やドライフラワーとしても楽しめるモナルダは、とても身近なハーブです。耐寒性多年草ということで冬季は枯れてしまいますが、年を追うごとにどんどん株を大きくしてたくさんの花を咲かせてくれます。種類も豊富ですので、ぜひ育ててみてくださいね。
最後のページでは、モナルダの代表的な種類をご紹介しますね。