「盂蘭盆」とは?語源・意味や、一般的な過ごし方・供物について解説

「盂蘭盆」とは?語源・意味や、一般的な過ごし方・供物について解説

盂蘭盆は「うらぼん」と読み、現代でいうお盆のことです。もともとは中国の目連僧侶の伝説が由来となっており、日本へ伝来した際に祖霊信仰と融合して現在のお盆のスタイルになりました。この記事では、盂蘭盆の語源や意味、歴史、一般的な過ごし方や供物をご紹介します。

記事の目次

  1. 1.盂蘭盆とは
  2. 2.盂蘭盆の語源・伝説
  3. 3.盂蘭盆の意味
  4. 4.盂蘭盆の過ごし方
  5. 5.盂蘭盆はご先祖様に感謝をしよう!

盂蘭盆とは

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盂蘭盆は祖先の霊を供養する仏教行事のひとつで、読み方は「うらぼん」です。現在でいう「お盆」のことで、夏の7~8月に自宅に帰ってくるご先祖様の霊をもてなすという風習があります。8月に行われることが多く、この時期に長期の休みを取得し、「お盆休み」として実家へ帰省する方も多いでしょう。しかし、もともとは仏教にはこういった教えはなく、日本独自の習俗であるといわれています。

盂蘭盆の語源・伝説

盂蘭盆の語源

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盂蘭盆の語源は、サンスクリット語の「ウランバナ」という言葉が由来となっています。ウランバナは「ぶら下がる」や「吊るす」という意味を持つ言葉です。釈迦の弟子のひとりである、目連(もくれん)という僧侶の伝説に基づいて、このように呼ばれるようになったといわれています。

目連の伝説

餓鬼道へ落ちた目連の母

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ある日のこと、通りがかった人が目連の母に1杯の水を望みました。しかし、目連の母は「この水はあなたに与える水ではありません」と言い放ち、水を与えずに追い返します。このことから、母は他人への慈悲を失った罰として、亡きあと餓鬼道(がきどう)へ落ち、逆さに吊られる罰を受けてしまいました。

お釈迦様の教え

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お釈迦様は、亡き母を救いたいとする目連に対し、母の代わりに他人への慈悲を行うことを教えました。その教えとは僧侶たちの修行が終わる7月15日の日にみんなを招き、ごちそうなどを振る舞うことです。その結果、目連や僧侶たちの供養を通じて母は極楽浄土へ進むことができました。

盂蘭盆の意味

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語源にある通り、サンスクリット語で「吊るす、ぶら下がる」の意味がある盂蘭盆は、もともとは餓鬼道へ落ちた者の苦しみを供養するための行事でした。しかし、この教えが書かれている「盂蘭盆経(読み:うらぼんきょう)」は、仏教の発祥の地であるインドの原典には存在していません。そのため、インドから中国に仏教が伝来した際に派生した、独自の教えであるといわれています。

日本への伝来時期

日本に盂蘭盆が伝わったのは7世紀頃です。日本に仏教が伝来した際に、日本独自の祖霊信仰と盂蘭盆の教えが融合し、現在のお盆になったのではないかといわれています。盂蘭盆は、始めは宮中の法要行事として普及し、その後貴族や武家社会へと広がりました。鎌倉時代になると民衆の間にも先祖のために法要をするという風習が根付き、江戸時代に入ってからは、迎え火や送り火の法要も行われるようになったといわれています。

盂蘭盆の過ごし方

過ごし方①時期

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盂蘭盆の時期は7月13日~7月15日、または8月13日~8月15日の3日間です。13日はお盆の入りで、迎え盆と呼ばれます。迎え盆では、盆棚を飾ってお墓参りに行き、その帰りに玄関で迎え火を焚いてご先祖様をお迎えすることが一般的です。15日には棚経をあげ、送り火を焚いてご先祖様の霊をお送りします。この一連の流れが、盂蘭盆の過ごし方といえるでしょう。

ボタニ子

ボタニ子

「盆棚」ってなんのこと?

ボタ爺

ボタ爺

「盆棚」は「ぼんだな」と読み、お盆に設置する棚のことじゃよ。故人の位牌やお供え物などを置いて祖先の霊をお迎えするんじゃ。

ボタニ子

ボタニ子

ふむふむ、なるほど!それじゃあ、「棚経」は?

ボタ爺

ボタ爺

「棚経」は「たなぎょう」と読み、お坊さんがお盆に檀家を回ってお経をあげることを指すんじゃよ。

過ごし方②供物

Photo by pjan vandaele

お盆の供物は、精霊馬・精霊牛、精進料理、型菓子(落雁)、水の子、季節の果物などが一般的です。また、故人の好きだったものや、おはぎ、そうめん、団子を供える地域もあります。食べ物をお供えする際は封をしたままでなく、食べられる状態でお供えするようにしてください。

精霊馬・精霊牛

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精霊馬・精霊牛は、きゅうりやなすで作った供物のことです。精霊馬は、きゅうりで馬を象った供物のことを指します。ご先祖様が足の速い馬に乗って早く家に帰ってこられるように、という願いが込められています。また、精霊牛はなすで作られている牛のことです。ご先祖様に牛に乗ってゆっくりと帰ってもらいたいという願いが込められています。

型菓子

型菓子は、落雁(らくがん)とも呼ばれ、もち米を炒って粉にしたものに砂糖や水飴を混ぜて色付けし、木の型に詰めて抜いたお菓子です。蓮や菊、末広など極楽浄土を思わせるような縁起のいい形に作られています。

水の子

水の子とは、餓鬼道に落ちたすべての霊を供養するために作られたお供えのことです。洗った米と、サイの目状に細かく切ったきゅうりやなすを混ぜ、ハスの葉に盛りつけて作られています。餓鬼道に落ちた霊でも食べやすいように、と、野菜を細かく刻んであることが特徴です。

盂蘭盆の伝統行事

お盆の行事は、京都の「五山の送り火」や長崎の「精霊流し(しょうろうながし)」などが有名です。また徳島の「阿波踊り」、奈良の「大文字送り火」や岐阜の「郡上おどり」、沖縄の「エイサー」など日本全国で行われています。現代ではイベントやお祭りとして扱われているこれらの行事も、もともとはご先祖様を供養する法要のひとつです。

五山の送り火

五山の送り火は、お盆の最終日である8月16日に行われ、ご先祖様をあの世へお送りする意味合いをもっています。五山の送り火の中では、如意ヶ嶽(大文字山)で行われる送り火が有名で、ほかに「妙法、舟形、左大文字、鳥居形」で五山となっています。

精霊流し

精霊流しは8月15日の夜、ご先祖様や亡くなった人の霊を精霊船に乗せて「西方浄土」に送る行事です。爆竹や鐘が鳴り響く中、大小さまざまな船が列をなす様はとても幻想的です。

阿波踊り

徳島の阿波踊りは盆踊りに由来しています。盆踊りはもともと亡くなった人たちの霊を慰めるための踊りで、その歴史は平安時代、民衆に浄土教を伝えた空也上人(くうやしょうにん)がはじめた「念仏踊り」が起源とされています。

盂蘭盆はご先祖様に感謝をしよう!

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盂蘭盆とは、現代でいうお盆のことです。もともとは餓鬼道に落ちた者への供養のために行われた儀式が由来ですが、日本に伝来した際に祖霊信仰と融合し、現在のお盆のスタイルとなりました。お盆の時期はご先祖様があの世から帰ってきて家族とともに過ごし、再びあの世に帰っていくという一年に一度の期間です。生前のご恩に対して、ご先祖様に感謝の気持ちを込めて供養したいものですね。

佐野美帆
ライター

佐野美帆

自然が好きで、よく郊外に遊びに出かけます。お茶の専門店で働いていた経験があり、紅茶を含むお茶全般とハーブの勉強をしています。また、日本文学分野での出版経験を活かし、神話や民間伝承と植物の関わりに特化した記事が得意分野です。

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