コリアンダー(パクチー)の上手な育て方
コリアンダー(パクチー)は気温20~25℃でよく育ちます。春先と秋口の季節に2回、種まきの適期がありますが、春に種をまくと生育が早くなり葉を収穫するまでの期間が短くなることがメリットです。半面、すぐに花が咲き「トウ立ち」するのも早く、葉が硬くなり食べにくくなるため、収穫できる期間は短くなります。秋にも少し収穫ができ、そのまま冬越しできた場合は春からも収穫ができます。
育て方①日当り
コリアンダー(パクチー)は日当たりのよい場所を好むため、室内での育成はあまり向いていません。日本の高温多湿な夏は苦手で、日差しが強い場所や真夏の暑さを嫌います。風通しが悪いところは根腐れすることもあるため、注意し避けましょう。
室内栽培する場合
室内で栽培したい場合は、土を使わず水耕栽培ができる水耕栽培専用キットを活用しましょう。LEDライトを使った室内での栽培は気温や光の変化に左右されることが少なく、1年中コリアンダー(パクチー)の収穫を楽しめる便利なアイテムです。
育て方②水やり
コリアンダー(パクチー)は比較的水を好む植物です。乾燥に弱く、土が乾燥しないうちにこまめに水を与える必要があります。プランターで栽培する際は、基本的に土の表面が乾いたら水やりを行います。特に梅雨明け後や真夏の晴天乾燥が続くような日は、たっぷりとプランターの底から水が流れ出るくらい水やりをしましょう。ただし水の与えすぎによる過湿も嫌い根腐れを起こすため、くれぐれも水のやり過ぎには注意してください。
水やりのコツ
水やりする際は、なるべく土のはねかえりが葉につかないようにしましょう。土壌の中にいるカビが葉につきやすく、病気にもかかり弱る原因になります。じょうろやホースなどで高い位置から水を与えるとはねかえりやすいため、低位置から水を与えましょう。畑や露地菜園も、夏の気温が高く晴天乾燥が続くような日はたっぷり水あげてください。
育て方③間引き
葉が成長するにつれ密着して風通しが悪くなったり、葉が擦れ合いストレスがかかったりすると、病気の原因や育生育不良の原因になります。間引きをして、株や葉の数を調節しましょう。間引きの時期は本葉が4~5枚ほどに成長したら行います。
育て方④収穫時期
種をまいた後、約1カ月半で収穫ができます。草丈が20㎝程度まで生育したら外葉から摘み取り収穫します。春先〜夏に種をまいたコリアンダー(パクチー)は、特に早く花芽が付きやすいため花芽ごと収穫しましょう。茎が硬くなる前の、柔らかく味のよい若葉を収穫します。株ごと収穫するときは土に種をまく際に株間をとって大きく育て、花が咲く前の状態で収穫しましょう。
育て方⑤増やし方
コリアンダー(パクチー)の増やし方は、基本、種まきで増やします。もしくは、ホームセンターなどでポット苗を購入して苗ごと植え替える方法もあります。効率的な増やし方としておすすめですが、コリアンダー(パクチー)は直根性で根をまっすぐに伸ばし成長するタイプで移植を嫌う点に注意が必要です。植え付ける際は、根を折ったり傷めたりしないよう注意します。自分の栽培環境に合った増やし方に挑戦しましょう。
コリアンダー(パクチー)を管理するコツ
冬の季節でも寒さに比較的強い植物で冬越しができますが、冬場は目立った成長は見られません。冬を越して春先にも葉を収穫したい場合、冬場は腐葉土やバークチップで土の周りを覆って保温、保湿をしてください。1月~2月頃、プランター栽培であれば室内の窓際や温室に入れ育てましょう。
花をつけると新しい葉がつかなくなる
コリアンダー(パクチー)の葉を長く収穫するために、定期的に花芽は摘み取りましょう。花が咲き出すと茎は硬くなり、葉は増えなくなります。種を収穫したい場合はそのまま白い花を咲かせた後、しばらくすると種の実ができます。実が乾燥して茶色くなってきたら摘み取りましょう。
コリアンダー(パクチー)の害虫対策
春に栽培するコリアンダー(パクチー)は、アブラムシやハダニなどの害虫被害にあいやすいです。コリアンダー(パクチー)などのセリ科の植物は、キアゲハの幼虫の好物であるため食害にあう場合もあります。秋頃の栽培では、ほぼ害虫の被害もなく育ちます。
発生しやすい害虫
- アブラムシ
- ハダニ
- キアゲハ
天然の害虫対策
天然の害虫対策として木酢液を葉にスプレーするのも予防対策の1つです。また、アブラムシはてんとう虫の大好物です。庭先の別プランターや露地、畑などでてんとう虫を放てる環境があれば、アブラムシを食べ駆除しくれます。薬剤散布での害虫対策はハーブ専用の天然成分を使った殺虫殺菌剤を使うのも有効な方法です。
まとめ
コリアンダー(パクチー)は、種まきから収穫までの育成を手軽にぞんぶんに楽しめる植物です。自分で育て上げたハーブを、いつでも食べたいとき・好きなときに摘み取れる喜びはひとしおです。日々の食卓をエスニックな風味で彩り楽しんでみてはいかがでしょうか。
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出典:写真AC