黒胡椒と白胡椒・赤胡椒との違い
白胡椒や赤胡椒は、黒胡椒と同じコショウの実でできています。黒胡椒と白胡椒・赤胡椒を区別するポイントは、①見た目の色・②辛さや香り・③収穫時の実の状態(色・未熟度)・④加工時に皮をむくかの4項目です。黒胡椒の特徴を、後でご紹介する白胡椒や赤胡椒と比較しながらご確認ください。
黒胡椒の特徴
- ①見た目の色:黒い
- ②辛さや香り:強い
- ③収穫時の実の状態:緑色で未熟
- ④加工時に皮をむくか:むかない
黒胡椒と白胡椒の違い
白胡椒は、色が白く辛さや香りも黒胡椒と比べるとマイルドです。加工過程で1度発酵させているので、黒胡椒にはない特有の発酵臭がすることもあります。白胡椒をよく使う料理は魚料理です。また、白胡椒は赤く完熟した実を収穫し皮をむいて乾燥させて作られています。以上のことから、先に挙げた4項目すべてで白胡椒は黒胡椒と違います。
黒胡椒と赤胡椒の違い
赤胡椒は、色が赤く辛さや香りもわずかです。赤胡椒の主な用途は料理にいろどりを添えることです。日本人に馴染みの薄い赤胡椒は、赤く完熟した実を収穫し皮つきのまま塩漬けさせて作られます。以上のことから、先に挙げた4項目のうち①~③のみで赤胡椒は黒胡椒と違います(赤胡椒は加工時に皮をむかないので、④の項目では黒胡椒と同じです)。
黒胡椒の使用用途
「黒胡椒とは料理に使うもの」というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、実際には料理だけでなくもう少し幅広い使用用途があります。過去の例では、ローマ帝国などでお金として使われていました。黒胡椒の特性を理解し、ぜひさまざまな用途で黒胡椒を活用してみましょう。
用途①料理の味つけ
黒胡椒は、世界中のさまざまな料理の味つけに使われています。料理の味つけにおける黒胡椒の使用頻度はスパイス界でもトップクラスです。黒胡椒は材料の下味つけ・料理中の味つけ・食べる直前に味をととのえるトッピングという3段階すべてに使える万能さも兼ね備えており、ドレッシングなどの原材料にも使われます。
用途②料理の香りづけ
黒胡椒は、料理の香りづけにも用いられています。黒胡椒から刺激的で爽やかな香りがするのは、黒胡椒(特に皮の部分)にβ-カリオフィレン・リモネンなどの精油成分が含まれているからです。この用途で使う場合には、漬け込み料理や煮込み料理の材料としてホールタイプの黒胡椒を使用しましょう。じっくりと香りを引き出すように使うのがポイントです。
用途③肉などの臭み消し
黒胡椒は、肉の臭み消しにも用いられています。中世ヨーロッパでも肉の臭み消しや防腐剤として大変重宝されていました。下処理の段階で肉にまぶしておけば、臭みを消してくれるだけでなく旨味も引き立ててくれます。黒胡椒に含まれているピペリンには抗菌・防腐作用もあるので、肉を長期保存したいときにもおすすめです。
用途④生薬
黒胡椒は、生薬として使われることもあります。生薬としての歴史は古く、世界中でさまざまな記録が史実として残っています。前述した通り辛味成分のピペリンには健康効果があり、それが一番の理由です。また、黒胡椒にはさまざまな栄養成分(カリウム、カルシウム、マンガン、マグネシウム、鉄分など)も含まれています。
用途⑤アロマテラピー
少し意外ですが、黒胡椒はアロマテラピーの精油にも使われています。精油の効能は、体を温める・胃腸の働きを高めるなどです。黒胡椒の精油の多くは「ブラックペッパー」という名称で販売されています。使用方法は、アロマディフューザーなどで香りを楽しむ「芳香浴」がおすすめです。皮膚刺激の強い精油なので、スキンケアなどで使う場合にはご注意ください。
次ページでは、「黒胡椒の人気商品10選(前半)」をご紹介します。