黒胡椒とは
黒胡椒の別名は「ブラックペッパー」です。黒胡椒は世界中のさまざまな料理に使われており、「スパイスの王様」と呼ばれることもあります。現在の黒胡椒の使用頻度はスパイス界でも随一です。しかし、かつての黒胡椒はとても貴重なもので、古代ギリシャでは薬として、ローマ帝国ではお金として使われていました。
黒胡椒の基本情報
和名 | 胡椒 |
学名 | PipernigrumL. |
科名・属名 | コショウ科コショウ属 |
黒胡椒は「コショウ」というつる性植物の実です。もともとはインド原産の植物ですが、現在ではインド・インドネシア・マレーシア・ベトナムなどの熱帯地域で栽培されています。成長後のつるの長さは5~9mです。つる1本あたりからは約2kgの実(乾燥後の重さ)が収穫できます。実の色は、未熟なものが緑色、完熟したものは赤色です。
黒胡椒の特徴
黒胡椒の最大の特徴は、強い辛味と香りです。黒胡椒は胡椒の中でも特に多く「ピペリン」という辛味成分を含んでいます。この他にも、名前の通り見た目が黒く表面にしわがあるのも特徴です。黒胡椒は緑色の未熟なコショウの実を収穫し、皮つきのまま乾燥させて作られています。このような加工の仕方も黒胡椒の重要な特徴です。
辛味成分「ピペリン」の効能
辛味成分のピペリンにはさまざまな健康によい効能があります。具体的には、エネルギー代謝を上げる、血行促進、冷えの改善です。このような健康効果からサプリメントの主成分として使われることもあります。また、ピペリンには抗菌・防腐・殺虫作用もあるため、古くから肉などを保存するときにも役立てられてきました。
黒胡椒のタイプ
黒胡椒のタイプにはホール・あらびき・パウダーなどがあります。黒胡椒の形状の違いは、香味の強さを左右する重要な要素の一つです。香味はペッパーミルなどで挽いた直後から少しずつ薄れていきます。料理のときの使いやすさなども考慮し、お好みのタイプを選びましょう。なお、この3タイプ以外にもクラッシュ・グラインドなどのタイプもあります。
ホールタイプ
ホールタイプは、別名「粒胡椒」と呼ばれています。漬け込み料理や煮込み料理などの香味づけに使われることが多いです。そのまま使うのはもちろんのこと、ペッパーミルなどで細かく挽き、さまざまな料理に活用できます。挽きたての強い香味を楽しめるのが魅力で、商品によっては最初からミル付き容器に入っていることもあります。
あらびきタイプ
あらびきタイプは、ホールタイプの黒胡椒を粗めに挽いたものです。料理にスパイシーな辛味をつけたり、食べる直前にトッピングで味をととのえたりするときなどに使われます。ホールタイプほど香味は強くありませんが、1回ずつ挽く手間がかからず、手軽にスパイシーな香味を楽しめるのが魅力です。
パウダータイプ
パウダータイプは、あらびきタイプよりもさらに細かく黒胡椒を挽いたものです。香味は控えめですが、材料の下味つけや練り込みなど料理の味を均一化させたいときに向いています。料理の材料によくなじみ、なめらかな舌触りが魅力です。主張が強くないので、さまざまな料理に使いやすいです。
次ページでは、「白胡椒・赤胡椒との違い」と「黒胡椒の使用用途」をご紹介します。