ダンチクとは?
ダンチクは、植物愛好家の間では有名な植物です。しかし、あまり知名度が高くないこともあり、園芸初心者の方には、どのような植物かイメージしづらいかもしれません。まずは、
- 基本情報
- 名前の由来
基本情報
学名 | Arundo donax`Variegata' |
漢字表記 | 暖竹 |
別名 | ヨシタケ |
タイプ | 多年草 |
科・属 | イネ科ダンチク属 |
高さ | 2~4m |
長さ | 50~80cm |
葉の幅 | 2~5cm |
開花時期 | 8~11月 |
分布 | 四国、九州、沖縄、中国南部、東南アジアなど |
ボタニ子
名前の由来
最初はヨシに似ている竹ということから、ヨシタケと呼ばれていました。ただ、筑前福岡ではヨシタケのことをダンチクと呼んでいて、その方言が少しずつ全国に広まっていき、いつからかダンチクが一般的な呼び方となり定着したのです。名前の由来には諸説ありますが、最も有名なものはこの説だといわれています。
ボタニ子
どのようにして全国に広めたかについての文献はありませんでした。ただ、九州ではダンチクが積極的に利用されてるので、それも関係しているのかもしれませんね。
ダンチクの特徴
ここではダンチクの栄養生殖で増殖する特徴や、土壌浄化に利用できる点、火に強く駆除が困難であることや、餌や巣に利用できない、病気にはかからないなど、5つの特徴について紹介します。
特徴①栄養生殖で増殖
ダンチクは有性生殖ではなく、栄養生殖で増えるタイプの植物です。栄養生殖は、短期間で同じ遺伝子を増やすことができます。したがって、ダンチクの増殖力はかなり強いです。あっという間に大量に増えます。短期間で増やしてみたい方には、栄養生殖はおすすめです。
栄養生殖のデメリット
栄養生殖にはデメリットもあります。栄養生殖はウイルスにかかると、そのウイルスを保った状態で増殖してしまうのです。ウイルスにかかったダンチクは、どうしても品質が落ちてしまいます。ダンチクを育てる方は、その点には注意しましょう。
特徴②土壌を浄化に利用できる
ダンチクは、鉛・ヒ素・カドミウムなどの有害金属が多く含まれている土壌で立派に育つといわれています。有害金属を取り入れてくれるため、土壌の浄化に役立ので、有害金属に悩んでる方には利用価値がある植物です。
特徴③火に強く駆除が困難
ダンチクは火にも強いので駆除するのが非常に困難な植物です。全体を焼き払っても、すぐに新芽がでてきます。ダンチクを駆除するための農薬もありますが、すべてを駆除できる保証はありません。特に、川の近くにあるダンチクは、駆除するのがほぼ不可能といわれています。「駆除できないからめんどくさい」「非常にやっかいな植物」と嘆く方も多いです。
ボタニ子
農薬を使ったり、焼き払ったりしても駆除できない場合は、地道に剪定して増殖を抑えていくしかないってことかあ。
特徴④餌や巣に利用できない
ダンチクには、微量ではあるが毒が含まれています。したがって、虫や動物たちの餌にすることができません。食用として利用はできないのです。さらに巣にもなりません。そのため一部では「食用や巣に利用できないから役に立たない植物」ともいわれています。
さまざまな場面で利用されている
食用として利用はできないため、必要ない植物と思ってる方もいますが、そんなことはありません。ダンチクはさまざまな場面で利用されていいるのです。ダンチクの利用方法については下記の「ダンチクの利用法」で詳しく紹介しているので、そちらも見てくださいね。
特徴⑤病気にはかからない
多くの植物はうどんこ病や灰色カビ病など、何かしらの病気にかかる可能性があります。ところが、ダンチクはこれといった病気にはほぼかかりません。ただクローンタイプの植物なため、一度何かトラブルが起こると、そのトラブルを持ったまま増えてしまいます。それを避けるために、異常がないかのチェックは必ずおこなうようにしましょう。
ダンチクの特徴
- 同じ遺伝子を持ったクローンなので、ウイルス・病気を維持したまま増殖してしまう
- 有害金属を吸い取ってくれるため、土壌を浄化してくれる効果がある
- 焼き払っても新芽が誕生するので、駆除する場合はとても困難
- 微量の毒が含まれているため、食用としては利用できない
- 病気にはほぼかからないので、非常に丈夫な植物である
ボタニ子
一言でいうと、ダンチクは「ほぼ無敵な植物」といっても過言ではありません。したがって、園芸初心者が栽培するにはおすすめの植物ですよ。
ボタ爺
次ページからはダンチクの育て方を紹介するぞ!
どちらかというと、温かい地域に多く生息しています。