12月に種まきできるおすすめの花【1ヵ月違い品種編】
本来であれば12月の種まきが適さない花も「発芽の環境を整える」「温度管理を徹底する」などの工夫次第で、1カ月違い(11月または1月)の品種の花を12月に種まきすることは可能です。ここでは1カ月違いの品種でも、工夫次第で12月に種まきができるおすすめの花を紹介します。
①ラークスパー
観賞用として人気のキンポウゲ科の仲間であるラークスパーは、花穂の大きさが魅力の花です。開花時期は5月~6月で、草丈は高く100cmを超えるものもあります。花の色はブルー系が人気ですが、ピンク系や白もすてきです。華やかなデルフィニウムの花に似ていますが、ラークスパーのほうがナチュラルな印象です。
耐寒性
春に開花時期を迎える花ですが、暑さが苦手で気温が25℃以上になると生育スピードが急激に落ちます。発芽適温も15℃~18℃で、通常は11月上旬~11月下旬に種まきをしますが、工夫次第で12月でも種まきができます。
種まきの注意点
発芽適温は15℃~18℃ですが、生育の適温は20℃前後で発芽後の温度管理が重要です。なお種まきから発芽まで約2週間かかるため、12月の種まきは育苗ポットを使うと管理がしやすくなります。庭植えも可能ですが、屋外は温度管理が難しいです。鉢植えで室内栽培し、温度が安定してから庭に植え替えがおすすめです。
花言葉
ラークスパーの花言葉には「陽気」「無邪気な明るさ」があります。「陽気」の花言葉はラークスパーの花の形がツバメ(ラーク)が飛ぶときの姿に似ていること、「無邪気な明るさ」の花言葉は大空を楽しそうに飛び回るツバメの様子に由来します。
②ハマナス
バラ科の仲間ですが小ぶりな八重咲きの花で、ナチュラルでかわいい印象があります。開花時期は一般的に5月上旬~8月上旬ですが、寒冷地の開花時期は5月下旬~10月下旬です。ハマナスの花は開花からわずか1日でしぼんでしまいますが、次々と花が咲くため、花が楽しめる季節が長いのも特徴にあげられます。
耐寒性
ハマナスは、北海道や東北地方でも自生するほど耐寒性が強いです。さらに横に茎を伸ばして成長するため、草丈は120cmですが強い潮風にも負けない強さを持っています。なお追肥をこまめにして栄養を切らさないようにすれば、開花後も冬越しができます。
種まきの注意点
ハマナスの種まきは通常10月下旬~11月上旬ですが、種まきから発芽まで約半年かかるため、凍結しないように工夫すれば12月でも種まきできます。庭に直まきする場合は、種まき後にワラや落ち葉などで寒さ対策をしてください。ただし乾燥気味の土を好むため、雨が多い地域では鉢植えにして管理するのがポイントです。
花言葉
ハマナスには「悲しく、そして美しく」という切なさが印象的な花言葉があります。1株から多くの花を咲かせるハマナスですが、ハマナスの花の寿命はわずか1日しかありません。たった1日のために厳しい冬の寒さにも耐えるけなげな姿は、まさにハマナスの花言葉そのものです。
③カンパニュラ
鐘状型で直径5cm前後の小ぶりな花が特徴のカンパニュラは、草丈が最大100cmまで成長するため庭のメインフラワーにおすすめです。色はブルー系が人気ですが、ピンクやホワイト、ラベンダーなどもあります。花穂が長いためボリュームがありますが、花は小ぶりなのでラークスパーよりも控えめな印象です。
耐寒性
切り花としても人気で品種も豊富なカンパニュラは耐寒性が強く、寒地でも10月上旬までは種まきできます。20℃前後が発芽の適温のため、暖地・温暖地なら11月下旬~12月上旬までは種まきができます。カンパニュラの開花時期は4月~6月下旬です。
種まきの注意
カンパニュラの発芽は「ビートバン→育苗ポット」の2段階で行います。ビートバンに種まきをしたら新聞紙などで日除けをし、本葉が2枚~3枚でた時点で育苗ポットに移植して植え付けできるサイズまで育てます。暑さに弱いため、エアコンなどで温度調整する場合は25℃以上にならないように注意しましょう。
花言葉
カンパニュラには、鐘状型の花が教会の鐘を連想することから「感謝」「誠実」という花言葉があります。キリスト教の教えのなかには「他者への愛」が含まれることから、「他者と思いを共有する=共感」という花言葉もあります。いずれにしても教会のシンボルである鐘に花の形が似ていることが花言葉の由来です。
まとめ
12月に種まきをする花は種類が少ないうえに、栽培するにも温度の管理など手間がかかります。しかし、植物が少ない冬だからこそゆっくりと手入れができ、手間をかける分、開花時期の春が楽しみになります。ただし12月に種まきする花は発芽させるまでが難しいため、栽培方法や育て方は細かくチェックしましょう。
花穂が大きく色鮮やかな花を咲かせる。切り花にも人気。