バードバスってなに?
バードバスの名前は、Bird(鳥)とBath(風呂)に由来しています。野鳥が水を飲んだり水浴びしたりできるように、庭やベランダに設置する水たまりのことです。うまく設置すれば家にいながら自然な野鳥のようすを観察でき、かわいい鳥の姿に癒されますよ。ペットを飼わなくても動物と親しめる機会を持てるのは素敵ですね。
バードバスの役割
役割①野鳥の水飲み・水浴び場として
バードバスには野鳥にとって重要な役割があります。近年、川や用水路の整備が進んだことによって、鳥が水を飲んだり水浴びをしたりする場所が減ってしまいました。水を飲むことはもちろん、水浴びも鳥にとっては健康上必要な行動です。庭やベランダにバードバスを設置することで、野鳥に安心して水浴びをする場所を提供できます。
鳥が水浴びをする必要性
鳥は夏に限らず、冬でも水浴びをします。鳥は羽毛に覆われているためほこりや寄生虫、代謝物が落としにくく身体についたままになりがちです。そのままにしておくとどんどん汚れが蓄積され、病気になってしまうこともあります。そうならないため、鳥は定期的に水浴びをして身体の汚れを落としているのです。
役割②野鳥観察の場として
バードバスを庭やベランダに置くことで、家にいながらバードウォッチングが楽しめます。じっくりと観察してみると、都市部でも意外にたくさんの種類の野鳥が見つけられるものです。バードバスを気に入ってもらえれば、同じ野鳥がたびたび通ってくるようになって愛着がわきます。一緒に餌台(バードフィーダーとも呼ばれている)を設置するのもおすすめです。
役割③オーナメントとして
既製品のバードバスには装飾性の高いおしゃれなものが多く、庭やベランダのオーナメントとしての使い方も可能です。庭にたくさん咲いた花を摘んで浮かべて楽しむ人や、浮草を育てる人もいます。ただし野鳥を呼ぶことが目的の使い方では、鳥が水浴びをしづらくなってしまいます。あまり水面にものを浮かべないように気をつけましょう。
バードバスは作れる?
バードバスは手作りできる!
バードバスには既製品もありますが、しっかりしたものはそれなりの価格です。「高価なものを購入しても鳥が来てくれなかったら…」と心配になる人がいるかもしれません。また、ベランダでサイズや重さが気になる人もいるでしょう。まずは手始めに、手作りのものを設置してみるのも方法の一つですよ。作り方は難しくはないため、気軽にチャレンジしてみましょう。
バードバスの材料と作り方
- 水盤用の容器:2~3cm程度の深さの水が張れるもの
- 土台:水盤を載せるための台
- 小石など:水盤の中に敷き水深を調整して、鳥が足を滑らせないようにする
ボタニ子
まずは使っていないイスを土台にしてもいいかも。座面がしっかりしているものがいいね!
作り方のアイデア例
水盤に使用する容器
水盤に使用する容器は、ふちに鳥が止まりやすいもののほうが好まれます。食器などのふちが薄いものを使用するときは止まり木を用意したり、水面から出る大きさの石を入れたりするのもよいでしょう。鉢受け皿はふちに厚みがあるため鳥がつかまりやすいです。テラコッタの鉢受け皿は鳥が滑りにくいうえに、ナチュラルな色味が優しい雰囲気をかもしだします。
土台の作り方を工夫する
バードバスには小鳥ばかりでなくハトやカラスなどの大きい鳥がやってくる可能性もあるため、土台には安定性が必要です。レンガやブロックタイルを重ねると安定感のあるものに仕上がります。また、DIYが得意な人は木材を使って木組みのものを作るのもよいでしょう。水盤に鉢受け皿を使用するなら、市販の鉢用スタンドを使用すれば簡単です。
小石を入れたおしゃれな作り方
鳥の足場として水盤に敷く小石は普通の石でもよいですが、きれいな石を探して入れることでぐっとおしゃれ雰囲気が漂います。白い玉砂利は清潔感があっておすすめです。また、カラーの玉砂利は水にぬれることで色が鮮やかになりきれいに見えます。ビー玉を入れてもキラキラして楽しいバードバスができあがりますよ。設置後でも変更できるため、鳥の水浴びの邪魔にならない程度にいろいろなものを試してみましょう。
ボタニ子
アクアリウム用の砂利もおすすめですよ!
バードバス設置の注意点
バードバスを設置するうえでまず何よりも大切なのは、鳥たちが安心して水浴びをできる環境であることです。野鳥は警戒心が強いため、安全な水場であると判断できないとなかなか来てはくれません。バードバス設置の注意点をしっかり押さえておきましょう。
注意点①猫に狙われにくい環境づくり
鳥は危険のない、安全に水浴びができるところを求めています。地面に近すぎたり、周りに植物が茂りすぎたりしているところでは水浴びをしたがりません。猫などの天敵に襲われてしまう危険性があるからです。バードバスは地面からある程度の高さがあり、周囲の見通しのよい場所に設置しましょう。
注意点②水を清潔に保つ
鳥は体を清潔にすることが目的で水浴びをするため、新鮮な水を好みます。バードバスになかなか鳥が来ないときは、水が清潔でないことが原因かもしれません。夏場は水を変えずに放置しておくとボウフラがわき、蚊が増える原因にもなってしまいます。水はこまめに交換し、清潔を保ちましょう。
注意点③近所に配慮する
バードバスを設置して野鳥が多く集まるようになると、困ったことも発生します。すべての人が鳥のさえずりを心地よいと感じるわけではありません。野鳥がにぎやかに鳴いていると騒音と捉えられることもあります。また、鳥が多く集まると心配なのが、周囲が糞で汚れてしまうことです。近所に迷惑がかからないように注意して設置しましょう。
バードバスで小鳥を観察してみよう
自分で設置したバードバスに野鳥が水浴びに来てくれると嬉しいものです。鳥に愛着を感じて名前やその由来、生態について興味がわき、新しい世界が広がるきっかけになるかもしれません。おうち時間の楽しみ方のひとつとして、ぜひバードバスを取り入れてみてください。
出典:unsplash