マシン油乳剤を効果的に使おう
マシン油乳剤は石油系の精製鉱物油などの機械油に乳化剤を混ぜあわせたものです。そのため正しい使い方で散布しないと薬害などにつながります。しかし正しい倍率で効果的に使えば、害虫などに効き目があらわれる便利な農薬です。マシン油乳剤の正しい使い方を確認して、効果的に散布しましょう。
マシン油乳剤とは
カイガラムシなどを駆除するための農薬であるマシン油乳剤は、使う時期や回数などに注意しないと薬害につながってしまいます。正しい使い方を紹介する前に、マシン油乳剤の有効成分や効果、種類や特徴などを確認しましょう。
マシン油乳剤の基本情報
規格 | 殺虫剤 |
登録 | クミアイ化学工業株式会社 |
性状 | 淡黄色澄明可乳化液体 |
成分 | マシン油95% |
有効年限 | 5年 |
販売地域 | 全国 |
適用害虫 | カイガラムシ、サビダニ、ハダニ |
毒性 | 普通物(毒劇物に指定しない) |
危険物 | 第4石油類 |
マシン油乳剤の有効成分
マシン油乳剤の有効成分は薬95%がマシン油です。マシン油とは天然由来の鉱物油などから作られた機械の潤滑油に乳化剤や界面活性剤を混ぜあわせたもので、使うときは水で薄めて使います。種類によってはマシン油が97%のものもあり、カイガラムシなどの害虫駆除には最適です。
マシン油乳剤の特徴
マシン油乳剤の特徴は冬の時期に散布することで、越冬害虫に対して効果がでるということです。駆除しにくい果樹ハダニや、越冬中のハダニの卵などにも効果があります。そのため果樹類のりんごやかき、なしや柑橘類などに最適です。またももにつくアブラムシにも効果があり、駆除や防除しづらい害虫を撃退してくれます。
マシン油乳剤の効果
マシン油乳剤はカイガラムシやハダニ、アブラムシなどの害虫の呼吸口をとじさせて窒息させることで撃退します。駆除しづらい害虫も物理的に窒息させられるため、中枢神経に作用して殺虫させるタイプの殺虫剤では撃退できない害虫にも効果的です。
ボタ爺
ボタニ子
しかも固いカイガラのようなロウに体をおおっているため殺虫剤が効きづらいんです。そんなカイガラムシにも効果があるのはありがたいですね。
マシン油乳剤の種類
マシン油乳剤の有効成分はほとんどの種類が95%がマシン油で作られています。しかし高度精製マシン油乳剤という種類もあり、こちらはマシン油が97%です。高度精製のマシン油乳剤の方が薬害や生理障害を軽減できます。カイガラムシエアゾールなどスプレータイプの農薬もありますが、こちらは量が少なめです。
マシン油乳剤の基本的な使用方法
原液でボトルに入って販売されていることの多いマシン油乳剤は、希釈して散布して使います。使う植物によって正しい倍率で希釈して散布しましょう。基本的なマシン油乳剤の作り方や使い方を確認して、効率よく散布してみてくださいね。
使い方①道具をそろえる
まずはマシン油乳剤を散布するための道具を用意しましょう。一般家庭であれば缶入りのカイガラムシに対応したスプレー型除去剤などもありますが、広い農園などの場合はそれだけでは足りません。噴霧器を用意して広い範囲で使えるように準備しましょう。電池式や手動式などいろいろなタイプがあるため散布する範囲にあう使いやすいものを選んでください。
ボタ爺
噴霧器はおよそ4L~10L入るものがあるため、何L散布するか目安を決めてから購入する種類を決めるのじゃ。
ボタニ子
持ち運びするのにも、肩掛けだったり背負うタイプだったりいろいろあるみたいです。使いやすいものを選びましょうね。
使い方②希釈する
散布する道具を用意したらマシン油乳剤を希釈しましょう。作り方は簡単で、マシン油乳剤を散布したい果樹の種類にあわせた倍率で希釈するだけです。希釈の倍率についてはマシン油乳剤のラベルに記載されていることが多いので確認しましょう。
ボタ爺
散布する時期によっても倍率が変化するから作り方に気をつけるのじゃ。
ボタニ子
使いきれる量になるよう調節するというのも作り方のポイントです。
使い方③散布する
希釈したマシン油乳剤は迅速に散布しなければいけません。噴霧器にいれたらすばやく移動し、害虫駆除をしたい果樹の畑に散布しましょう。散布が終わったら残った薬液はとっておかずにすぐに処分してください。
ボタ爺
使った噴霧器なども使い終わったらすぐに洗浄するのじゃ。
ボタニ子
誰かが触っても大変ですからね。火気も厳禁です。また道具を洗った洗浄水は河川に流さないようにして、薬害がおきないようにしましょう。
カイガラムシは越冬後の春にあっという間に増えてしまうのじゃ。