10月10日の誕生花は?
10月10日の誕生花は「シオン」
日本や東アジアを中心に分布するキク科の植物、シオンが10月10日(10/10)の誕生花です。淡い紫色をした、細い花びらが上品な印象で、平安時代より観賞用として栽培されてきました。開花期が9月~10月と月がきれいな時期なので、「ジュウゴヤソウ(十五夜草)」とも呼ばれていますよ。現在でも九州・中国地方で自生が見られますが、数はごく少なく、絶滅の恐れがある植物のひとつです。
名前 | シオン(紫苑) |
別名 | ジュウゴヤソウ(十五夜草) |
園芸分類・形態 | 草花・多年草 |
原産地 | 日本、東アジア |
開花の時期 | 9月~10月 |
花の色 | 薄紫色 |
特徴 | 開花期が短い、日陰でも育つ |
シオンの特徴2選
まずはシオンの特徴から、「名前の由来」と「花言葉」をご紹介しましょう。優しい雰囲気の花言葉は、平安時代の親子の物語にちなんでつけられたものですよ。ちなみにシオンの別名に「オニノコシグサ(鬼の̪醜草)」という名前があるのも、この物語に鬼が登場することが由来とされています。
特徴①花姿にちなんだ名前
シオンは属名を「アスター(Aster)」といいます。これはギリシャ語の「aster:星」が語源で、花びらがまるで星のような形で広がっていることにちなんだ命名ですよ。秋の十五夜のころに開花することから、「ジュウゴヤソウ(十五夜草)」というロマンチックな別名もあります。また、「紫苑」は花名だけでなく、この花のような淡い紫色を指す色名としても使われる名前です。
特徴②ギフトにぴったりの優しい花言葉
シオンの花言葉は「追憶」「君を忘れない」です。これらは平安後期の説話集である「今昔物語」に収録されている、父親の死を悼む兄弟の物語が由来とされています。引越しや転勤で離ればなれになる友人や上司、同僚へのギフトとして、「離れても心はそばにいるよ」というメッセージを込めて贈りたいですね。
父を悼む兄弟の物語
父親を亡くした心優しい兄弟は、お墓参りを欠かさずにいました。ところが仕事が忙しくなってくると、兄のほうは次第にお墓を訪れる頻度が少なくなってしまいます。それに対して、墓前にシオンの花を植えたのが弟です。弟は雨の日も風の日も、毎日お墓参りを続けました。そのようすを見ていた鬼が弟に予知能力を与え、弟はしあわせに暮らしたという物語です。
シオンの育て方
シオンは日本や東アジアを原産としているため、日本の環境によく適応しています。水やりや肥料といったポイントをおさえれば、初心者でも花を咲かせるのは難しくないでしょう。日陰でも元気に育つため、どこで育てるかの選択肢が多いのも嬉しいですね。ただし、たっぷり日に当てたほうが花つきが増えて株がにぎやかになりますよ。
育て方①栽培環境
シオンは日当たりと水はけのいい環境を好みます。半日陰でも問題なく育ちますが、日照時間が足りないと花つきが悪くなります。庭植え・鉢植えいずれの場合も、明るい場所で管理するほうがおすすめですよ。用土は赤玉土と腐葉土を配合したものが適しています。市販されている草花用培養土を利用するのも便利です。
育て方②水やり・肥料
シオンを庭植えで育てる場合、水やりはほとんど不要です。基本的には自然に降る雨にまかせ、極端に乾燥するときだけ水を与えれば十分でしょう。鉢植えは、表土が乾いたらたっぷりと水やりをしてくださいね。肥料は庭植えの場合、元肥と春の置き肥として少量の緩効性化成肥料を施します。鉢植えは春と秋に、緩効性化成肥料を置き肥するといいでしょう。
育て方③植え付け・植え替え
シオンの植え付けの適期は3月~4月と10月~11月上旬です。用土に腐葉土を混ぜ込んで、水はけのいい環境に整えておきましょう。シオンは生育が旺盛であることが特徴です。庭植えは3年に1回、鉢植えは毎年、植え替えで株をリフレッシュさせます。適期は3月~4月です。同じタイミングで株分けを行うと効率的ですよ。
10月10日の誕生花(シオン以外)
シオン以外にも、10月10日の誕生花は複数あります。その中からここでは、フルーツの王様「メロン」とメダルセレモニーでおなじみの「ゲッケイジュ」についてご紹介しましょう。どちらもイエロー系の小さな花を咲かせる、素敵な花言葉の花ですよ。
10月10日の誕生花①メロン
メロンはみずみずしい甘さで、お見舞いやギフトにも人気のフルーツです。昭和30年代までは現在以上に高級で、一部の上流階級しか口にできなかったといわれていますよ。8月ごろに黄色のかわいらしい花を咲かせ、そのあとに果実が育ちます。「豊富」「裕福」といったゴージャスな雰囲気の花言葉も、メロンのイメージにぴったりですね。
10月10日の誕生花②ゲッケイジュ
ゲッケイジュ(月桂樹)は地中海を原産とする常緑樹です。オリンピックやマラソン競技などで、勝者に贈られる冠としても有名な植物ですね。濃いグリーンの葉のイメージが強いですが、4月~5月に咲かせるクリーム色の小花も、とてもかわいらしく人気があります。「栄光」「栄誉」「勝利」などの花言葉はギフトにもぴったりですね。
10月10日にゆかりのあるもの
最後に誕生石や記念日、この日に生まれた有名人などを通して、10月10日のことをさらに知っていきましょう。今日が誕生日のジュゼッペ・ヴェルディは、19世紀のイタリアを代表する作曲家です。特にオペラの制作に秀でており、「アイーダ」や「椿姫」「リゴレット」など、多くの名作を残していますよ。
10月10日の誕生石
10月10日の誕生石は、メノウの仲間の「ブラックオニキス」です。ギリシャ語の「onyxis:爪」が名前の語源で、オニキスに爪でひっかいたような模様があることにちなんでいます。悪運をはらう石といわれ、古くからおまもりとして愛用されてきました。現在でもアクセサリーショップでよく見られる、ギフトにも人気の宝石ですよ。クールなデザインにも仕上げやすいので、男性へのギフトにもおすすめです。
10月10日生まれの有名人
10月10日生まれの有名人には、以下のような人々がいます。星座はてんびん座、おしゃれな人が多いとされていますよ。小説家の倉橋由美子さんは「パルタイ」「夢の浮橋」といった小説のほか、外国文学の翻訳者としても活躍している女性です。
- ジュゼッペ・ヴェルディ(イタリアの作曲家)
- 倉橋由美子さん(小説家)
- 栗山千明さん(モデル、女優)
10月10日の出来事・記念日
目の愛護デー
10月10日は「目の愛護デー」です。「1」が眉、「0」が目で「10・10」を横に倒すと顔に見えることから、1931年に制定されました。戦前は「視力保存デー」と呼ばれていましたが、戦後厚生労働省によって「目の愛護デー」に変更されています。定期的に検診を受けることや、疲労を和らげるマッサージをすることなどを呼びかけ、目の健康についてあらためて考える日です。
まとめ
10月10日の誕生花であるシオンは、紫色の花びらが可憐なキク科の植物です。真っ赤なバラや大輪のユリのようなゴージャスさはありませんが、主張しすぎない楚々(そそ)とした雰囲気が上品で、秋のギフトにも人気があります。「君を忘れない」というメッセージを添えて、大切な人に贈ってはいかがでしょうか。生育環境によって紫の花色に濃淡が出るので、栽培中も「どんな色の花になるだろう?」とわくわくさせてくれますよ。
出典:写真AC