多肉植物の水やりの注意点
水やりの仕方には、タイミングやペース以外にも注意しなければならない点があります。多肉植物は湿気に弱いため、水やり後は余分な水気を残さないよう十分注意することが大切です。
受け皿の水は捨てる
受け皿に水が残っていると、いつまでも用土が乾燥しません。その結果、根腐れを起こすため、水やり後は受け皿の水を捨てましょう。また、鉢から水が何日かかけて少しずつ浸み出してきて受け皿に水が溜まるのを防止するために、水やり後は鉢を少し傾けて十分水を切ってください。
葉に水を残さない
葉に水が溜まりやすい種類のものは、そのままにしておくとその水が日に当たりレンズの役割をして葉焼けを起こします。水やり後は、葉に残った水を息を吹きかけたりブロアーで飛ばしたりして取り除きましょう。特に日差しの強い時期はあっという間に焼けてしまうため注意してください。
水を与えすぎたときの見分け方と対処法
多肉植物は、水を与えすぎたり何日も土に湿気が残ったままになっていたりすると根腐れを起こしやすいです。育てている多肉植物が根腐れを起こしていないか、よく観察して根腐れのサインを見逃さないようにし、適切な処置をするのが重要です。
見分け方
根腐れを起こした多肉植物は、根元のほうの茎が黒っぽく変色したり茎が細くなったりします。また、茎や葉がぶよぶよになって黄色く変色する、葉が落ちる、土から異臭がするのも根腐れを起こしたサインです。
対処法
手順
- 土から出して根の黒く変色している部分を清潔なハサミですべて切り取る
- 葉も腐っている場合はその葉をすべて取り除く
- 数日から1週間ほど、切り口を乾燥させる
- 切り口が乾燥したら、新しい多肉植物用の土に植え付ける
- 植え付け後は1週間したら水やりをする
ポイント
ボタニ子
ボタ爺
完全に乾くまで1週間ほど様子を見ておくのじゃ。その間は水やりをしてはダメじゃぞ。
ボタニ子
思っていたより根腐れしていた部分が多かったけど、切っちゃって大丈夫かな…?
多肉植物は、根が半分残っていれば再生可能です。悪い部分は全部切り取っても問題ありません。根の大半が腐っていたら元気な茎や葉だけを切り取って、挿し木や葉挿しにするのもよいでしょう。
多肉植物の水やりに適した道具
多肉植物の水やりには適した道具を使うことが大切です。品種や時期に合わせたやり方や、量に見合う道具を揃えておいて使いこなしましょう。
道具①ジョウロ
ジョウロは水やりをする基本の道具です。葉の上からシャワー状に水やりをするため、ハス口がついたものを用意してください。ただし、穴が大きなものは水の勢いが強すぎて土が削れてしまうことから、穴の小さなハス口を使いましょう。取り外し可能なハス口タイプのものは水差しとしても使えておすすめです。
道具②水差し
水差しは、小さな鉢に水やりをするときに使うと便利な道具です。また、葉や花に水をかけたくないときや、寄せ植えしたものに水やりをするときにも株元だけに水やりができて重宝します。ただし勢いよく水が出るため、土が削れないように注意してください。
道具③霧吹き
霧吹きは、休眠期の水やりや葉水をするときに便利な道具です。水の勢いが強すぎると葉が傷んでしまう恐れがあるため、ふんわりとした霧が出るタイプのものを選びましょう。
道具④ブロアー
ブロアーは、多肉植物の葉にのった水滴や砂などを取り除くのに便利な道具です。上から水やりをして葉に水滴が残ったままでは葉が傷んだり、水滴に日光が当たってレンズのようになり葉焼けしたりすることがあります。しかし、小さなものやロゼット状のものは水滴が拭き取りにくく残ってしまうため、ブロアーを使うことをおすすめします。
水やりのポイントを押さえて多肉植物を育てよう
多肉植物は、品種や育てる環境、季節や天気などによって水やりのペースや水の量が変わってきます。また、水はけのよい土に植え、日当たりと風通しのよい場所で管理することなども水やりと密接な関係があります。これらの条件と水やりの仕方のポイントを押さえていれば失敗も少なく育てられるため、ぜひ多肉植物栽培にチャレンジしてみてください。
切り口は何日くらい乾燥させたらいいの?