多肉植物の紅葉パターン
全く紅葉しない多肉植物というのはほとんど無く、人気品種からマイナーな品種まで、秋から冬の時期にかけて何かしらの変化が起きます。その変化は赤くなったり爪が尖がったりとさまざまですが、どの紅葉もとても美しいものです。
パターン➀赤くなる
秋によく見られる紅葉のように、赤く紅葉する多肉植物は多くあります。育てやすいことで人気な「虹の玉」「オーロラ」や、上手く育てられると真っ赤に変化する「赤鬼城」などの品種が主なものです。これらの種類の紅葉は特に顕著ですが、種類によってはハオルチア属も赤い紅葉を見せてくれる場合があります。多くの場合、ハオルチア属が紅葉すると窓がほんのりと赤くなり、日に透けて美しい姿を見ることが可能です。
ボタニ子
日光に当たる場所に置いていたハオルチアが変色したんだけど、これって紅葉かな?
ボタ爺
ハオルチアの葉が突然赤や茶色になった場合、それは「葉焼け」かもしれん!葉焼けしてしまった葉は簡単には元に戻らないから、事前にすだれや遮光ネットなどで葉焼け対策をしておこう。
パターン➁黄色くなる
紅葉すると黄色くなる多肉植物も、赤色に紅葉する多肉植物と同じく多くあります。具体的には、「マルバマンネングサ」「月の王子」などが挙げられます。特に月の王子は、別名「黄麗」と呼ばれるほど鮮やかに黄色く染まり、また栽培の難易度もあまり高くないことから、人気の高い多肉植物のひとつです。
パターン➂色味が深まる
紅葉は赤色や黄色に変化するといった劇的なものだけではなく、色味が深まることもふくまれます。明らかに変化しないものでも秋から冬にかけては少しだけ変化し、例えば「秋麗」という種類の多肉植物は、葉先の紫がより一層深くなります。紅葉しないと思っている多肉植物も、よく見てみると少し色味が変わっているかもしれませんね。
ボタニ子
紅葉すると色味の深まる多肉植物には、セデべリア属の「樹氷」などがあるね。
ボタ爺
大きな変化はなくとも、かわいらしい紅葉をする多肉植物はさまざまあるぞ!
パターン➃爪が尖る
葉先に爪のある品種の多肉植物は、紅葉期に爪の色を濃くしたり尖らせたりします。かわいらしいフォルムで人気な「桃太郎」や「チワワエンシス」など、爪のあるエケベリア属は紅葉期には爪の色が赤色に近づき、愛らしい姿を見られます。紅葉したエケベリア属は見た目が美しく、また紅葉させることもそこまで難易度が高くないため、ぜひ紅葉にチャレンジしてみてください。
紅葉させやすい多肉植物の品種
品種➀グラプトペタルム属
グラプトペタルム属の手入れや管理は比較的簡単で、黄麗や秋麗、朧月など、紅葉の美しい品種が多くあります。また、セダム属と同じく暑さ・寒さに耐性があり、よほど過酷な環境に置かれなければ枯れることが少ないため、多肉初心者にもおすすめです。上手く紅葉すると色彩豊かな葉や普段と少し変わった色合いを見られるので、紅葉にチャレンジしてみる価値はあるでしょう。
品種➁センペルビウム属
センペルビウム属は寒さに当てれば当てるほど紅葉が深まり、また寒さに強いため紅葉させやすい多肉植物です。夏の暑い時期の直射日光には弱いため注意が必要ですが、それ以外は比較的どんな環境にも強いため、初心者の方でもある程度簡単に紅葉をさせられます。紅葉すると真っ赤に染まり、子株を持っている株は子株も紅葉するため、その育てやすさ・紅葉の美しさから人気の多肉植物の一つです。
品種➂アエオニウム属
アエオニウム属もセダム属・グラプトペタルム属と同じく、寒さにある程度の耐性があり、またほかの種類と比べても紅葉しやすい傾向にあります。紅葉したアエオニウム属は葉の緑色がより美しくなり、冬には葉をふちどっている色が深まるでしょう。その中でも特に、「夕映え」「サンバースト」という品種は特に紅葉の姿が人気なので、持っている方はぜひ紅葉に挑戦してみてください。
品種➃セダム属
セダム属は紅葉するときれいな多肉植物の一種で、紅葉した際の美しさからとても人気が高いです。通常多肉植物を紅葉させるには、ある程度の寒さ・夏の暑さに耐えさせることが重要ですが、セダム属はどちらの耐性も持っています。そのため冬の寒さにもさらしやすく、多くの場合秋から冬にかけて徐々に紅葉が始まっていくでしょう。
品種➄エケベリア属
幅広い層に人気のあるエケベリア属の紅葉は、セダム属の紅葉よりもやや難しいものの、基本的には日当たりや気温の管理に気をつければしっかり紅葉してくれます。エケベリア属の紅葉には日中の日光・夜間の寒さがほかの種類と比べても欠かせず、それを欠いてしまうとあまり美しい紅葉になりません。夏に葉焼けなどのダメージを受けすぎると紅葉する可能性も低くなるため、夏の時期からも管理には要注意です。
ボタニ子
エケベリア属は交配種も多いし、品種によって管理や手入れの方法も違うんだよね。
ボタ爺
人気であるがゆえに多くの交配種が作られているから、それぞれ違った育て方があるんじゃ。同じエケベリア属だからといって、全ての品種で一貫した育て方をしていると、紅葉しない可能性もあるぞ!
上手に多肉植物を紅葉させよう
多肉植物を紅葉させるには?
- 紅葉期の秋〜冬は、水やりを1~2ヶ月に1回ほどに控える
- 氷点下を避け、適度な寒さにさらす
- 適度に日光浴をさせ、日照不足を避ける
- 肥料は紅葉期の前に切れるようにする
- 日中(15℃〜9℃ほど)と夜間(5℃ほど〜氷点下)の寒暖差で刺激を与える
多肉植物の紅葉の条件や仕組みなどを理解することで、多肉が紅葉しない際の助けにもなります。また、紅葉するときれいな多肉植物には多くの品種があり、さまざまな姿を楽しめます。紅葉させるためのポイントやコツを活用し、多肉植物の紅葉を成功させましょう。
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出典:写真AC