観賞用ほおずきの種類
観賞用に栽培されたほおずきは、基本的には食べられません。過去には、解熱や利尿、咳止めの薬として使用されていた時代もありました。現在でも、複雑な構造をしているフィサリンという成分が含まれるため、最先端の科学で研究されています。しかし、毒性があるのも事実のため、一般的には観賞用として楽しむことがおすすめです。
三寸ほおずき(さんずんほおずき)
冬にかけて鮮やかに色づく
三寸ほおずきの三寸とは長さを表す言葉で、一寸は約3cmです。実際の三寸ほおずきは15cm~20cmに成長しますが、ほおずきのなかでも小さい種類です。実の小さい三寸ほおずきは、鉢を大きくすると枝ぶりがよくなり実の数も増えます。他種のほおずきが秋に色づくのに対して、三寸ほおずきは晩熟で、冬に熟します。
瓔珞ほおずき(ようらくほおずき)
不思議な形の観賞ほおずき
瓔珞ほおずきは、別名「なぎなたほおずき」といい、江戸時代に日本で作られた品種です。瓔珞とは仏像の胸や首を飾る装飾品で、元はインドの貴族のアクセサリーでした。形が似ていることが名前の由来です。ほかのほおずきとちがい、指やとうがらしのような形の咢の中に種はできません。そのため、株分けで増やします。
丹波ほおずき(たんばほおずき)
実が大きい人気の品種
丹波ほおずきは、京都周辺で昔から育てられていた植物です。草丈が50cm~80cmにまで育ち、実も大きいことから人気があります。一年草が多いほおずきのなかでも、丹波ほおずきは多年草です。耐寒性が強く、越冬できます。ほおずき市で売られているほおずきは、千成ほおずきとならんで丹波ほおずきが多いです。

ボタニ子
大千成ほおずき(おおせんなりほおずき)
「可憐な愛」という花言葉をもつ
大千成ほおずきは、別名を「黒実ほおずき」といいます。ほおずきの花は白か黄色が多いなか、大千成ほおずきの花は紫色です。ペルー原産で「apple of peru(ペルーのりんご)」とも呼ばれ、江戸時代に輸入されました。近年では一部帰化し野生化しています。大千成ほおずきはナス科ですが、ホオズキ属ではなく二カンドラ属の植物です。

ボタニ子
属性が違うからかもしれないけど、大千成ほおずきには独立した花言葉があるのよ。「可憐な愛」っていうの。

ボタ爺
大千成ほおずきの花にはなぜかハエがよってこないんだよ。アリはくるのに不思議だの。

ボタニ子
大千成ほおずきの花は、3cm~5cmなのよ。大きくて目立つわね!
食用ほおずきの種類
食用になるほおずきは皮が薄く、秋が深まるほどに甘く熟します。手を加えずそのまま食べると、ほおずきの美味しさが際立ちます。ジャムやソースにしてヨーグルトに入れたり、パンに塗ったりしてもよいでしょう。

ボタニ子
食用ほおずきは冷凍保存できるの。

大量に手に入った際は、咢からはずしきれいに洗って水気を切り、冷凍保存用のパックに入れて冷凍してね。
千成ほおずき(せんなりほおずき)
鈴なりになる緑の実
千成ほおずきは江戸時代に南米から輸入され、現在では一部野生化しているものもあります。オレンジ色の実が多いなか、千成ほおずきの実は緑色~淡い黄色をしています。咢もオレンジにはならず、緑色~淡黄色です。実は直径が1cm程度、花も6mm~8mmと小さいですが、千成の名に違わず多くの実をつけます。千成ほおずきの実は少し酸味のある、ほどよい甘さです。
ストロベリートマト
目が覚めるようなオレンジの実
ストロベリートマトには、ゴールデンベリー、フルーツホオズキ、オレンジチェリー、ブドウホオズキなど多くの呼ばれ方があります。和名はシマホオズキです。ストロベリートマトの咢はオレンジ色にならず、食べ頃にはかさかさと枯れたように変化します。中の実は大きく、オレンジ色で甘酸っぱい香りがします。皮はプチトマトよりもやわらかいです。
ストロベリーグランドチェリー
パイナップル風味の黄金の実
ストロベリーグランドチェリーの和名は、ショクヨウホオズキです。英語圏ではhusk tomato(カラつきトマト)とも呼ばれます。ストロベリーグランドチェリーの味はトマトのように甘く、酸味は少なめです。サラダにしても美味しく食べられますよ。香りはマンゴーやモモ、パイナップルのような独特のもので、南国を思わせます。
トマティーヨ
緑色でも美味しい
トマティーヨの和名は、キバナホオズキ、オオブドウホオズキなどです。メキシコ産の大型のほおずきで、実はピンポン玉やゴルフボールくらいの大きさです。緑色のトマティーヨはそのまま食べると酸味のあるさわやかな味わいで、ミキサーにかけてトルティーヤソースやサルサソースにします。ピクルスやサラダにしてもよいでしょう。完熟すると黄色くなり甘味が増します。
花言葉とともにほおずきを楽しもう
ほおずきの花言葉はネガティブで怖い印象のものが多いですが、ほとんどは人間側の都合が由来です。ほおずき自体は薬になったり、食べられたりとユニークな形の植物です。古事記の時代から日本人に寄りそってきた植物として、ほおずきを楽しみましょう。
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ほおずき市ってね、東京の浅草で7月の9日~10日に露店がたくさん出て、ほおずきを売るのよ。