バジルの栽培時期カレンダー
バジルは青々とした美しい葉と、爽やかな香りが楽しめるハーブで、家庭菜園にも人気があります。バジルは本来「多年草」ですが、日本の環境で冬越しさせるのは難しいため「一年草」に分類されており、気軽に育てられるのが魅力です。プランターで気軽に栽培でき、自宅で育てれば採れたてのバジルを料理の香り付けやトッピングに利用できます。
季節ごとにすること
春にすること
プランターを使用してバジルを種から育てる場合は、4月〜6月にかけて種まきをします。バジルを苗の状態で購入した場合も、種まきと同じ時期に植え付けて構いません。育苗ポットに種まきした場合も、6月上旬までにはプランターに植え替えましょう。屋外で管理する場合は、害虫対策で寒冷紗をかけておくと安心です。
夏にすること
夏は次々と伸びてくる葉を収穫していきましょう。バジルの成長期は5月〜10月で、成長期の終わりごろ(7月〜10月)にかけて、香りが強くて立派なバジルが収穫できます。バジルを挿し木で増やしたい場合は、7月上旬までには挿し木を行っておきましょう。株がある程度育ってくると、この時期に害虫被害を受けやすくなるため、害虫対策も必要です。
秋・冬にすること
バジルは耐寒性が弱く、日本の環境で冬越しさせるのは難しいため「一年草」に分類されています。しかし、冬に室内の暖かい場所で管理すれば冬越しが可能です。バジルを冬越しさせたい場合は、秋の終わりごろには室内に取り込み、寒さにあてないように管理しましょう。また、バジルは花後に種子をつけるため、9月〜10月にかけて種の採取を行います。
バジルのプランターでの育て方【プランターの選び方】
バジルをプランターに植え付けると、庭や畑などの広いスペースがなくても気軽に家庭菜園が楽しめます。庭先やベランダ栽培など、少しのスペースでもバジルが栽培できるのが魅力です。プランターには幅や深さなどさまざまな種類があるため、バジルが育ちやすいプランターを選びましょう。
選び方①幅や深さ
プランターの深さ
バジルは根が深くまで伸びるため、浅いプランターではすぐに鉢底から根が飛び出してしまいます。また、排水性の高い環境を好みます。プランターの底に「鉢底石」と「鉢底ネット」を入れる深さも必要です。そのため、20cm程度の深さのあるプランターを選びましょう。
プランターの幅
バジルは葉が茂って大きく育つため、幅は20cm以上あるプランターがおすすめです。横長のプランターを使用する場合は、20cm×40cmのプランターで苗を2株、20cm×60cmのプランターで苗を3株育てられます。また、深さと幅が共に20cm以上ある植木鉢でも栽培可能です。植木鉢を使用する場合は、1つの鉢に1株ずつ植え付けてください。
選び方②素材
プランターは大きく分けて「プラスチック製」と「テコラッタ製」の2つの種類があります。バジルはどちらのプランターを使用しても育てられるため、自分の好みや栽培環境にあったプランターで育てていきましょう。
プラスチック
レリーフプランター650
レリーフプランター 650
参考価格: 428円
レリーフプランター650は「ポリプロピレン」で作られており、重さが約700gと軽く持ち運びに便利なプランターです。横幅が65.3cmあるので、1つのプランターで3株ほど栽培できます。鉢底ネットが付属でついており、鉢底石と用土を買い足せば、すぐにバジルの苗を植え付けられます。季節ごとに場所を移動させたい場合におすすめです。
おすすめ度 | ★★★★★ |
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サイズ | 65.3cmx24.5cmx18.5cm |
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重量 | 708g |
テコラッタ
ナチュラプランター
ナチュラプランター
参考価格: 2,099円
ナチュラプランターは、陶器で作られている素焼きのプランターです。素焼きのプランターは通気性がよく、水やりのあとでも用土が乾きやすいため、多湿による根腐れを予防できます。また、重さが3.5kgあり、風で吹き飛ばされたり倒れたりする心配が少ないのが魅力です。しかし、用土を入れるとさらに重くなり、移動させるのはやや不便に感じられるかもしれません。
おすすめ度 | ★★★★☆ |
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サイズ | 36cm×13cm×13.5cm |
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重量 | 3.5kg |
バジルのプランターでの育て方【栽培環境】
育てる場所
バジルは日光を好むため、半日以上は日光がたっぷりと当たる場所で管理してください。耐暑性は強いですが、夏の直射日光に長く当てると葉焼けを起こして枯れる恐れがあります。屋外の場合はプランターごと軒下に移動させると安心です。室内で管理する場合はレースのカーテン越しの窓辺など、優しく日光が差し込む場所で栽培するのがおすすめです。
用土
バジルは、水はけと水もちのよさを兼ね備えた用土で育てましょう。市販されている「ハーブ専用培養土」や「野菜用培養土」を使用すると便利です。自分で配合する場合は、赤玉土の小粒7と腐葉土3をよく混ぜ込んだ用土を使用してください。プランターに鉢底石と鉢底ネットを入れ、その上から用土を入れるのがおすすめです。
元肥
バジルは有機質の用土を好むため、元肥として鶏糞や油かすなどの有機肥料をたっぷりとすき込んでおくのがおすすめです。市販の培養土を使用した場合でも、元肥が足りない場合があります。家庭菜園で大きな株に育てたい場合は「ハーブ専用培養土」や「野菜用培養土」に、さらに有機肥料を元肥として混ぜ込んでも構いません。
バジルのプランターでの育て方【種まき〜発芽】
種まき
バジルの種まきは4月〜5月に行いましょう。一旦セルトレイや育苗ポットに種まきをして、本葉が2枚〜3枚程度になるまで育てます。バジルの発芽適温は20℃〜25℃のため、屋外で育てる場合は暖かくなってから種まきをするのがポイントです。温暖地の場合は4月〜5月、寒冷地の場合は5月〜6月にかけて種まきをしましょう。発芽するまでは水切れに注意します。
発芽率をアップさせるには?
セルトレイや育苗ポットに種まきをしたら、発芽するまでは室内で温度管理するのがおすすめです。気温が高すぎたり低すぎたりすると、発芽しないまま種が腐ってしまう恐れがあります。また、バジルの種は「好光性種子」のため、光が当たらないと発芽しません。セルトレイや育苗ポットは、日光の差し込む窓辺などに置いて発芽をまちましょう。
温度管理
バジルの発芽適温は20℃〜25℃ですが、バジルは耐暑性が強く、発芽したあとは暑さに負けずにどんどん大きく成長していきます。発芽して本葉が伸びはじめたら、セルトレイや育苗ポットごと屋外に出しても構いません。温度が低い場所で長く管理すると、茎や葉が伸びにくくなるため注意しましょう。
バジルのプランターでの育て方【育苗中の管理】
植え替え
バジルの種をセルトレイや育苗ポットに種まきして、本葉が2枚〜3枚程度まで育ったら、プランターに植え替えます。バジルを65cmのプランターで栽培していく場合、15cm〜20cm程度の間隔をあけて、3カ所に苗を植え付けるのがおすすめです。苗の間隔が狭すぎると、根詰まりを起こしてバジルが弱ったり枯れたりするため注意しましょう。
水やり
バジルは乾燥が苦手で、水切れを起こすと下葉から枯れ込んできます。とくにプランター栽培の場合は、地植えと違って水切れを起こしやすいため注意が必要です。土の表面がしっかりと乾燥したら、鉢底から水が流れ出る程度にたっぷりと水やりをしてください。室内で管理している場合は、受け皿に溜まった水はすぐに捨てて、用土が多湿になるのを防ぎます。
水やりのコツは?
バジルのプランターを屋外で管理している場合、夏の水やりは太陽がのぼる前の午前中に行うのがコツです。直射日光が長くあたる時間帯に水やりをすると、用土が蒸れて株が弱る恐れがあります。涼しい時間帯にたっぷりと水やりをして、株が萎れないように管理しましょう。
追肥
バジルの追肥は、元肥の効き目が切れてくる時期に行います。種まきから約2カ月後が追肥のタイミングです。1週間〜10日に1回の割合で、緩効性肥料や液体肥料を規定の分量与えてください。バジルは主として葉を収穫するハーブのため、家庭菜園として育てる場合は、肥料の三要素である「チッ素」「リン酸」「カリウム」を同じ分量配合している肥料がおすすめです。
バジルのプランターでの育て方【摘芯〜収穫】
摘芯
摘芯は、バジルの収穫量を増やすために欠かせない作業です。バジルの摘芯は草丈が15cm〜20cm程度まで育ってから行いましょう。中心部分の太い茎を、下から2節〜3節の部分で切り取ってください。摘芯を行うと側芽の成長を促進する効果があるため、家庭菜園で育てる場合はこまめに摘芯を行い収穫量を増やしましょう。
収穫
バジルの収穫は6月〜10月にかけて行います。バジルは、葉を1枚ずつちぎるのではなく、茎の付け根から切り取っていくのがおすすめです。茎から収穫すると脇芽が成長しやすくなり、10日〜2週間程度で再度収穫ができます。収穫に使用するハサミは、しっかりと消毒しておきましょう。
ボタニ子
次のページでは、増やし方や育成トラブル、病害虫対策についてご紹介します。
出典:写真AC