モロヘイヤの育て方⑦収穫
収穫は葉だけでなく枝ごと切る
モロヘイヤは葉を食べる野菜です。畑にて枝ごと切り、その場で葉だけちぎって持ち帰ります。側枝を切ることで風通しがよくなり、栄養素の不要な部分への分散も防げます。なお、切った枝は挿し木用に使えます。
長く収穫を楽しむためには摘芯が大切
株間や日常の管理、天候にも左右されますが、モロヘイヤは放っておくと2m近くに成長します。高くなりすぎれば、その分、強風で折れてしまう確率もあがります。作業のしやすさを考えて、1m以内がよいでしょう。そこで、重要な作業のひとつが摘芯です。摘芯はさまざまな野菜で利用される技術です。
摘芯によって側枝を伸ばす
摘芯により成長は縦から横に変わります。側枝を増やしてたくさん葉を育てましょう。プランターではその大きさにより、栽培中の移動や保管場所も考慮しながら摘芯する長さを決めてください。
モロヘイヤの保存方法
モロヘイヤは葉を食しますので、収穫後の鮮度の低下は早いです。長期保存できる方法として、天日干しや機械を使って乾燥できます。お茶として販売されていますが、家庭でも乾燥させた葉をフードプロセッサーで粗く粉末状にすれば、さまざまな料理に利用できます。
モロヘイヤの育て方⑧挿し木
どの部分が挿し木になる?
育苗時に間引いた苗を移植することも広い意味では挿し木になりますが、ある程度育った側枝を利用して挿し木にすることができます。モロヘイヤは摘芯する側枝が次から次に出てきますので、その1本を切り1週間ほど水に浸して根出しをします。そのような状態になれば、挿し木として土に戻して栽培できます。
買った苗の側枝を使う方法も
買った苗の側枝を挿し木にする方法もあります。種まきから育苗するとついつい種まきしすぎてしまいます。家庭菜園で楽しむ規模であれば、苗を数本買って、そこから出た側枝を挿し木して増やしていくのも手間がかからない方法です。元苗と挿し木苗では成長の度合いが変わるので、冬越しはできずとも収穫の時期もずらせます。
モロヘイヤの育て方⑨冬越し
冬越しはできない
モロヘイヤは収穫時期を迎えると日ごとに成長が旺盛になります。しかし、お盆が過ぎ少しずつ秋の声が聞こえはじめると、気温の低下とともに花がつきはじめてきます。さらにサヤができはじめると葉への栄養が種に向かいはじめますので、おいしさが失われてしまいます。モロヘイヤは冬越しができるのかどうか、疑問に感じている方もいるかもしれませんが、結論をいいますと残念ながらできません。
数字からみる、冬越しができない理由
低温は草丈の伸長や葉の展開が停止を始める合図です。その目安は10℃といわれています。最高気温が10℃を超えない日が15日続くと、開花が促進されるという研究結果もあります。それなら、室内でのプランター栽培やビニールハウスで高温環境を保持できればどうか。それには日照時間の問題があります。1日のうち8時間を下回ってくると、同じく開花が促されます。
モロヘイヤの育て方⑩プランター栽培
プランターならベランダでも育てられる
モロヘイヤは畑でもプランターでも育てやすく、家庭菜園の初心者にもおすすめです。プランター栽培の注意点は、草丈の長さの管理です。放っておくと伸び放題になってしまうので摘芯をしましょう。収穫ができるようになったら、風通しがよくなるように葉つきのよい側枝からどんどん切っていきます。コンパニオンプランツは併用しにくいですが、移動のしやすさが利点です。
食卓の身近な野菜として
モロヘイヤは湯がいて簡単に食べられる食材です。家庭菜園の畑が少し遠かったり、雨が降ったりした日には収穫も億劫になります。そんなときでもベランダなど住まいの近くでプランター栽培ができれば、もう一品おかずが欲しい際の強い味方になるはずです。
まとめ
一年中いつでも食べたいモロヘイヤですが、冬越しできないので旬の時期である夏にしっかりと食べておきたい野菜です。害虫被害が比較的少なく、挿し木で増やせることもうれしいです。高温になれば種まき時期も広く、水やりよりも追肥や摘芯が管理のポイントです。コンパニオンプランツなども併用して、夏野菜の家庭菜園の計画のひとつにぜひ加えてみてください。
出典:写真AC