モロヘイヤの育て方④土づくり
耕耘(4月21日)
雑草を刈ってから耕耘しましょう
耕耘日は2019/4/21(日)。管理機を使って、往復でかけるようにして土を細かくしました(写真は田んぼのあと地なので粘土質よりです)。畑にしたい場所を耕耘する際には事前に除草しておくと耕耘した際に土中にすき込みやすくなり、分解も早くなります。
施肥(5月19日)
前作物も肥料設計のポイント
種袋の裏面には、1㎡当たり堆肥2kg、苦土石灰100g、化成肥料70gを施す、とあります。今回は上の写真のとおり、化成肥料の代わりに油かすを用意しました。モロヘイヤは吸肥力が強いので、緩効性肥料でじわじわと効かせることで、長期間の収穫に結びつけられます。
肥料ごとの分量は守りましょう
下は散布後の写真です。苦土石灰だけのように白いですが、きちんと3種類をよく混ぜ合わせています。肥料は多くまけばよいというものでもありません。それぞれの野菜に適した分量、元肥えと追肥のバランスも考えながら決めてください。
畝立て(5月19日)
美しい畝を目指しましょう
畝幅50cm、長さは5mで仕立てました。畝の高さは土壌の水はけ具合によります。写真の左側の畝肩に草が残っているので、畝の高さが分かりにくいですが、水はけのよい場所であれば無理して高畝にする必要はありません。苗は2条植えにします。マルチは張りません。
モロヘイヤの育て方⑤定植(5月25日)・間引
定植する苗は元気なものを
苗の草丈は5cm~8cmくらいです。いよいよ定植ができる大きさになりました。苗や根を傷めないように移植しましょう。定植は地温が上がる前の午前中がよいです。
均等に株間をあける
葉の枚数が6枚ほどなり、すでに畑に定植が可能です。今回は間引いた小さい苗を捨てずに、別のポリポットに移植し、そのまま育苗を継続することにしてみました。プランター栽培へ移すこともできます。
株間の広さは管理のしやすさと風通しで決める
2株に間引いたポット苗を30cmの株間で定植しました。繁茂期には背丈1mほどに揃えたく、この間隔にしました。放っておくと縦にどんどん伸びます。そのため、のちに摘芯をして側枝が横に広がるスペースを取っておきます。
定植後の水やり
定植が完了して水やりをします。種まき時やポット苗を植え替えた時はしっかりと水やりをします。高温に強い植物ですが、根が土の中で定着するまでは、水やりは欠かせません。今回は植え替えしてから水やりをしましたが、植える前に植穴にたっぷりと水をやっておく方法や、ポリポットで育苗しているならばバケツに水を溜めて植える前にポットごと水に浸して水分を吸収させる方法もあります。
モロヘイヤの育て方⑥害虫対策
モロヘイヤは害虫の被害が少ない野菜ですが、ハダニ類には注意が必要です。ハダニ類は一般的な野菜で被害にあう可能性が高い害虫です。こちらではハダニの被害や発生原因、防除方法のほか、コンパニオンプランツを使った害虫対策についてご紹介します。
ハダニ類の害虫対策
ハダニの被害
ハダニによる食害は葉に白色の小斑点が発生するところから始まります。そのままにしておくと葉脈まで被害が達し、葉の黄化が起こり、そして枯れて落葉します。ハダニは虫ではなく、クモの仲間です(足が8本あります)。そのため、糸を吐きます。繁殖のスピードが速く、高密度になると成長点に集まり、葉を糸で覆ってしまうこともあるので注意が必要です。また、窒素欠乏、苦土欠乏、除草剤の飛散による薬害も似たような症状になります。
ハダニの発生原因
幼虫のときは土の中にいるため、苗による持ち込みも考えられます。また、周辺の雑草帯から歩行してくる、風によって飛んでくる、作業時の衣服に付着している、などが考えられ小さいためなかなか気がつきません。乾燥と高温を好むため、梅雨明け後から夏に向けて降雨の少ない時期に害虫防除に努めましょう。
ハダニの防除①天敵製剤や農薬剤を使う
ハダニの防除としては天敵を散布して退治する方法があります。天敵製剤は発生初期に効果的です。いくつか種類があり、農薬ではないためJAS規格に沿った製品もあります。また、天敵製剤のほかに専用の殺ダニ剤(農薬剤)も販売されていますので、状況に合わせて使用してください。幼虫の防除としては、株周りに網をはって土中に入れない方法もよいでしょう。
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ハダニの防除②身近にあるものでの害虫対策
ハダニは身近にあるものでも対策できます。ハダニは高温で乾燥している環境を好む反面、水分は苦手です。つまり、水に防除の効果のあるものを混ぜて生息場所である葉裏にスプレーをすることで、害虫被害を減らしていけるのです。例えば、牛乳、コーヒー、酢、片栗粉などです。被害状況や発生範囲によって、水分比率は工夫してください。1回で効き目が出るようなことはありませんので、3日おきに散布するなど効果が出るまでは複数回の使用をおすすめします。
ハダニの防除③定期的な除草管理も大切
ハダニは雑草のホトケノザやカタバミなどを住み家として繁殖します。家庭菜園をする小規模な畑でもふつうに生えます。株周りなど夏の時期は雑草の生育も旺盛になりますので、定期的な除草に努めましょう。
ハダニに関する参考記事をご紹介
害虫対策でコンパニオンプランツを使ってみよう
コンパニオンプランツとは共存・共栄作物と呼ばれる栽培方法です。特定の野菜や植物を近くで育てることで、害虫対策や菌やウィルスによる病気を予防する効果が得られます。下記はモロヘイヤと同じアオイ科のオクラのコンパニオンプランツの記事です。
ダニ類を防ぐコンパニオンプランツにはニンニクがおすすめ
ニンニクの臭いは多くの害虫防除に効き目があります。ただし、ニンニクをコンパニオンプランツにするには栽培時期が肝心です。ニンニクは秋に植えて6月頃に収穫です。モロヘイヤに合わせるにはニンニクをプランター栽培して、モロヘイヤの成長に合わせて株間に置くのがよいでしょう。
ニンニク防除エキスの作り方が掲載
農薬を好まない方におすすめの1冊です。自然由来の植物資材から自分で手作りできる方法まで害虫対策が満載です。収穫したニンニクを使って、ニンニク防除エキスを作ってみてはいかがでしょう。コンパニオンプランツの活用の参考にもなります。
コンパニオンプランツにおすすめのハーブ
キャットニップ
シソ科の多年草で、葉からはレモンに似た香りがあり、害虫よけの効果になっています。花が咲く時期は6月~10月です。コンパニオンプランツの効能だけではなく、鑑賞用でも楽しめます。
チャイブ
ユリ科ネギ属の植物です。プランターでも育てられます。酸性の土壌は嫌うので、酸度が強いときは苦土石灰で調整してください。
ルー
ミカン科ヘンルーダ属のハーブです。黄色い小さな花が6月~7月に咲きます。茎や葉から発する強い香りが、ハエなどの害虫が来るのを防ぎます。しかし、茎葉の汁は皮膚が弱い人に炎症を引き起こす恐れがあります。
タンジー
キク科ヨモギギク属の多年草です。芳香剤として使われた強い香りには、防虫効果があります。現在はキク科の植物にアレルギーがあると、接触性皮膚炎の可能性もあり、食用には利用されていません。
次のページでは、収穫や挿し木などについてご紹介します。
2019/5/19撮影
各肥料が置いてある前の部分が耕耘後の畑です。
出典:筆者撮影