観葉植物として人気のテーブルヤシ
テーブルヤシとは名前からも分かるように、テーブルの上で育てられるほどコンパクトなヤシの仲間のことです。耐陰性に優れ丈夫で育てやすく、初心者でも観葉植物として取り入れやすいのが魅力です。細く艶やかな緑色の葉は風でサラサラと揺れ、優しく涼しげな印象を与えます。花言葉は「あなたを見守る」で、室内インテリアとしても高い人気を誇っています。
ボタニ子
丈夫なテーブルヤシももちろん枯れることがあるよ!枯れるとどんな感じになるのかな?
テーブルヤシは葉先から枯れる
原因にもよりますが、テーブルヤシは葉先から枯れることが多いです。葉先が枯れるだけで終わる場合もありますが、原因が改善されていないと徐々に広がり、最悪の場合全体が枯れてしまいます。テーブルヤシを元気に育てるためにも、枯れる原因や対処法を知っておきましょう。
テーブルヤシが枯れる原因
①葉焼け
葉先が枯れる原因で多いのが「葉焼け」です。ヤシ科の植物は日光を好みますがテーブルヤシは直射日光が苦手で、直射日光に当て続けると「葉の色素が抜ける」「葉が茶色く変色する」など葉焼けの症状が現れます。葉の緑色が損なわれると見栄えが悪いだけでなく、うまく光合成ができなくなり成長が悪くなるため気をつけましょう。
②寒さ
テーブルヤシの原産地は気候の温暖な中南米であり、暑さには強いですが寒さは苦手です。耐寒温度は5℃と高めで、5℃を下回ると葉が傷み徐々に枯れていきます。屋外で育てている場合は、温暖地であっても10月には室内に取り込みましょう。室内で育てる際には、夏にクーラーなどの冷風が直接当たらないように注意が必要です。
③根詰まり
テーブルヤシは根詰まりを起こすと葉先が枯れることがあります。茎や葉の成長が緩やかなのに対して根の成長は比較的早く、1年で鉢内いっぱいに根が張ることも珍しくありません。根詰まりすると根が正常に働かなくなり葉の変色や落葉を引き起こし、最悪の場合株全体が枯れる原因になります。水やりの際に水が鉢から抜けにくい場合も根詰まりの可能性が高いです。
④根腐れ
根腐れもテーブルヤシが枯れる原因のひとつです。主に水の与え過ぎによる蒸れが原因であり、水やりの仕方には注意が必要です。特に休眠期である冬に水を与え過ぎると、根腐れを引き起こしやすくなるため気をつけましょう。また根詰まりによって水が排出されず鉢内に留まるのも根腐れの要因であり、根詰まりの有無の確認も大切です。
⑤害虫
テーブルヤシにつきやすい害虫はハダニとカイガラムシであり、吸汁加害によって栄養を吸い取り植物を枯らす厄介な存在です。ハダニは水に弱く、日ごろから葉水しておくと予防効果が高いです。カイガラムシは硬く駆除しにくいですが、ブラシなどで擦るとポロっと外れます。いずれも増殖しやすく、被害拡大防止のためにも早めの駆除を心がけましょう。
ボタニ子
増殖してしまったら、薬剤散布で一気に駆除したほうがいいかも。放っておくと株全体が枯れちゃうよ!
⑥植え替えの失敗
テーブルヤシが枯れる原因の中でもあまり知られていないのが「植え替えの失敗」です。テーブルヤシなどのヤシの仲間は根を崩されることを好みません。根が崩れると成長が緩慢になり成長期である夏でも育ちにくくなります。栄養が葉先まで行き渡らくなり枯れる原因にもなるため、植え替え時の扱いは要注意です。
枯れたテーブルヤシは復活できる?
一度葉先が枯れてしまうとその部分は基本的に復活できませんが、初期段階であれば進行を止められます。枯れた状態のまま放っておくとどんどん悪化していくため、早い段階で異変に気付き対応しましょう。異変は初めに葉先に現れることが多く、日ごろから葉先を観察していると気付きやすいです。
対処方法
①葉先をカットする
枯れたテーブルヤシの見栄えをよくするためにも、枯れた葉先は早めにカットするのがおすすめです。その際、真横に切るよりも切り口が斜めになるようにカットすると自然な感じに仕上がります。雑菌が入り込まないためにも、カットするときは清潔なハサミやカッターを使いましょう。
②管理方法を見直す
葉先の枯れは管理方法を見直す合図でもあります。葉先が枯れているのに管理方法を変えないままでは、枯れは株全体へと広がっていきます。元気がないなと思ったら、原因が葉焼けなのか根腐れなのかなど考えられるポイントをひとつずつ確認しましょう。原因が葉焼けであれば置き場所を変える、根腐れであれば水やり方法を見直すなど対処していけば、全体が枯れる前に食い止められます。
ボタニ子
枯れたテーブルヤシは復活できないんだね。枯らさないようにあらかじめ手入れ方法を知っておくと安心かも!
枯れることなく育てるための手入れ方法
①適度な遮光
テーブルヤシは直射日光が苦手ですが、成長には日光が必要であり適度な遮光が大切です。屋外なら木陰などの柔らかな光が当たる場所に置きましょう。季節や時間帯などで日の向きが変わる際はその都度移動させてください。室内であればレースのカーテン越しがおすすめです。耐陰性はありますが日光に当たらないと成長の悪化や枯れる原因になるため、完全に遮光することは避けましょう。
ボタニ子
窓がない部屋に飾っている場合は、時おり日の当たる場所で日光浴させてあげてね!
②温度管理
テーブルヤシは寒さが苦手であり、枯らさないためにも冬は温度管理が重要です。日に当てようと窓のすぐそばに置きたくなりますが、冬場の窓の近くは外気で冷えており避けたほうが無難です。窓から少し離れた明るい場所に置いて冷気から守りましょう。夏場でもクーラーの冷風が直接当たる場所に置くと冷気で弱ることがあります。
ボタ爺
ヒーターやクーラーの室外機などの温風が直接当たり続けるのもよくないぞ。置き場所には気をつけての!
③水やりの調整
根腐れを予防するためにも、水やりの仕方やタイミングを知っておきましょう。春から夏にかけての成長期には土表面が乾いたタイミングで水を与えます。水をよく吸うこともあり水切れには気をつけてください。気温が下がると成長が緩やかになるため徐々に水やりを減らします。10℃を下回ると休眠期に近づき、土表面が乾いて4~5日待ってから水やりする程度で十分です。
ボタニ子
土表面が湿っているのにさらに水をかけると根腐れの原因になるんだって。葉の乾燥が気になったら葉裏に霧吹きで水をかけるといいよ!
ボタ爺
冬に冷たい水をかけると寒さで弱ってしまうんじゃ。水を汲んだら時間をおいて常温に戻すといいぞ。お湯を少し足すのもひとつの手じゃよ!
④ていねいな植え替え
テーブルヤシは根を崩されるのを嫌うこともあり、植え替え時はていねいに扱いましょう。植木鉢から優しく株を取り出したら根はもちろん用土もあまり落とさないようにして、一回り大きめの植木鉢に植え替えてください。テーブルヤシの根は太くて丈夫そうに見えますがデリケートであり、切り落としたり引きちぎったりしないように気をつけましょう。
ボタ爺
テーブルヤシは根の張りが早いから、1~2年に1回を目安に植え替えが必要なんじゃ。適期は成長期前の4月~6月じゃよ!
テーブルヤシが枯れる前に手入れ方法を見直そう!
テーブルヤシは丈夫で、管理方法さえ知っておけば元気な状態を保てます。基本的に枯れると復活はできず、異変に早く気が付き対処することが大切です。元気がないと思ったら、一つひとつ枯れる原因と照らし合わせて管理方法を見直してみましょう。コンパクトで愛らしいテーブルヤシを元気いっぱいに育ててみてくださいね。
出典:写真AC