ドライフルーツとは
おいしくて栄養豊富、見た目もカラフルなドライフルーツは、シリアルやヨーグルトとともに西洋化した現代の家庭の朝食に定着してきています。またお菓子やワインのおつまみとしても人気が高い食材です。
ドライフルーツの製法
もともと日本には古来より太陽の恵みを利用した、干し芋・干し柿・干し魚といった干し物文化が発達していました。最近では昔ながらの天日干しだけではなく、脱水作用のある砂糖を使う製法や、真空凍結乾燥機を使ったフリーズドライ製法など、乾燥技術が向上したおかげでさまざまな果実のドライフルーツが商品化されて、さらに身近なものになっています。
ドライフルーツの特徴
生の果実と違って皮をむく手間もなく、軽量で持ち運びにも便利なドライフルーツは、天然素材の甘味や栄養が濃縮されて少量で高い栄養価が得られることから、美容や健康、ダイエットにも利用されています。特に加熱しないフリーズドライ製法は、栄養価がほとんど損なわれないのでとても魅力的です。また水分量が少ないことで微生物が繁殖しにくく、保存性に優れています。
ドライフルーツの種類
普段スーパーで目にするのは、レーズン・アプリコット・プルーンなどですが、輸入食品店やドライフルーツ専門店ではクランベリー・マンゴー・パイナップル・デーツ・イチジク・アップル・梨・モモ・ミカン・レモン・メロンなどさまざまな種類が手に入ります。
ドライフルーツのメリットとデメリット
メリット
具体的にどのようなメリットがあるのか、またどのような需要が増えているかを深く知ることはとても大切なことです。
抗酸化作用
ドライフルーツの中には抗酸化作用のあるポリフェノールが、生の果実よりも多く含まれるものがあります。シミやシワを予防するアンチエイジングに有効です。
食物繊維が豊富
ドライフルーツには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が両方豊富に含まれていて、便秘予防など整腸作用に有効です。また生の果実よりも血行を促進する力が高いので、身体を温めてくれる作用があります。
長期保存が可能
軽量で保存に適しているので非常食として注目されています。被災地などの避難所ではドライフルーツを摂取することで、不足しがちなビタミン・ミネラル・食物繊維などを補給できることから、被災者の健康状態の改善に効果があると推進されています。また果実が持つ天然の甘みもあるので、お菓子代わりとして被災時に受けるストレスの緩和にも役立ちます。
デメリット
食品添加物
一部の外国産ドライフルーツには、日本で定められた基準とは違う保存料や漂白剤や着色料が使われている可能性があります。どうしても気になる場合は国産のものを選ぶか、表示されている原材料表示をよく確認して、無添加のものや問題のない食品添加物を使用しているものを選びましょう。
カロリーの過剰摂取
手軽でおいしいので過剰摂取になりがち。レモンのような酸味の強い果実や製法によって、素材に砂糖が加えられているものもあります。栄養成分表示の100g当たりのカロリー値を確認しましょう。糖分が気になる方は、砂糖不使用かできるだけ砂糖を控えたものを摂取するように心がけてください。
気になるカロリーや効能
それぞれのドライフルーツの特徴を知ることで、必要な効能をバランスよくミックスしたり、ヨーグルトなど他の食材と配合しながら摂ることが楽しみになってくるでしょう。(下記比較一覧表参照)
カロリーと効能の比較一覧表
カロリー(100g中)と効能をチェック
五十音順 | カロリー | 抗酸化作用 | 美肌効果 | 貧血防止 | 整腸作用 | 疲労回復 |
含まれる成分 キーワード |
100g中※ (kcal) |
アントシアニン ポリフェノール |
ビタミン系 | 鉄分 | 食物繊維 ペクチン |
クエン酸 リンゴ酸 |
アプリコット | 246 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
イチゴ | 341 | 〇 | 〇 | |||
イチジク | 271 | 〇 | 〇 | |||
キウイ | 340 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
クランベリー | 323 | 〇 | 〇 | |||
チェリー | 340 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
デーツ | 250 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
トマト | 354 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
梨 | 323 | 〇 | ||||
パイナップル | 365 | 〇 | 〇 | |||
バナナ | 287 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
パパイヤ | 349 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
ブルーベリー | 311 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
プルーン | 237 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
干し柿 | 276 | 〇 | 〇 | |||
マンゴー | 368 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
ミカン | 348 | 〇 | ||||
メロン | 374 | 〇 | 〇 | |||
モモ | 355 | 〇 | 〇 | |||
リンゴ | 315 | 〇 | ||||
レーズン | 315 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
レモン | 359 | 〇 |
※上記の表のカロリーの数値は果実の品種・産地・製造メーカーによって違ってきます。購入の際はそれぞれの成分表示を確認してください。
次ページからは上手なドライフルーツの楽しみ方や、自然食品派の方へおすすめの手作りの方法をご紹介します。
梅干しも日本伝統のドライフルーツの一種