はじめに
トラデスカンチアとは?
トラデスカンチアとは、アメリカ大陸が原産の多年草の植物です。主に、北アメリカから熱帯アメリカに多く分布していて、種類は70種類に及ぶといわれています。よく栽培されている品種の代表として「トラデスカンチア・フルミネンシス」というものがあります。
多肉植物として扱われているトラデスカンチア
「トラデスカンチア・シラモンタナ」という品種は「白雪姫」とも呼ばれ、多肉植物にカテゴライズされています。株全体が、白色の軟毛で覆われているのが特徴です。
開花の時期
トラデスカンチアは、春から初夏にかけて開花時期を迎えます。暖かい室内なら、冬でも開花することがあります。
どんな花が咲くのか
トラデスカンチアは、白い花が茎先に開花します。品種によっては紫色の花が開花するものもあります。葉に比べると花はやや小ぶりです。
越冬できるのか
トラデスカンチアは寒さに強い植物ですので、暖地などで外気温が5℃程度あれば庭植えでも越冬することが可能です。しかし、霜にあたってしまうと枯れてしまったり、春に芽が出なくなったりしてしまいます。霜にあたらないように工夫が必要になります。
ベランダに移動させよう
植木鉢や吊り鉢で育てている場合は、ベランダに移動させれば霜にあたる心配もなく越冬させることができます。この時もできるだけ日当たりのよいところに置くようにしましょう。
室内で越冬させる
寒冷地や、寒風が強く霜が降りるような環境では、屋外で冬を越すことができません。そんな時は、屋内に入れてあげてください。日当たりのよい窓際に置くのがいいでしょう。そうすることで枯れる心配もなく、楽しむことができます。
トラデスカンチアの楽しみ方
寄せ植えを楽しむ
トラデスカンチアはこれひとつでも美しいのですが、メインの花を引き立てるカラーリーフとして寄せ植えでも楽しむことができます。寄せ植えは鉢植えならではの楽しみ方ですので、ぜひ挑戦してみてください。
トラデスカンチアの育て方
トラデスカンチアは、暑さにも寒さにも強く、ガーデニング初心者でも育てやすい植物です。庭植えのほかにも、植木鉢や吊り鉢を使って栽培を楽しむ方法があります。
トラデスカンチアの育て方①日当たり
トラデスカンチアは、日当たりのよい環境を好みます。明るい場所で育てるのがいいでしょう。しかし、梅雨明け頃から夏場の強い直射日光を浴びると葉焼けを起こしてしまいます。植木鉢などで栽培している場合は、木漏れ日が差し込む程度の日影に移動させてあげるなど対策を行いましょう。
トラデスカンチアの育て方②半日影でも育つ?
トラデスカンチアは、半日影のような環境でも育てることができます。しかし、まったくの日影だと徒長してしまいます。茎が間延びしないようにするためにも、出来るだけ明るい場所を選びましょう。
徒長する原因は?
徒長する原因は日光不足や、水や肥料のやりすぎ、風通しや水はけの悪さなどがあります。特に日本の夏のように高温多湿な環境では、徒長してしまう傾向があります。
徒長するとどうなる?
徒長してしまったトラデスカンチアは、茎がヒョロヒョロと間延びしてしまい、格好悪いものになってしまいます。徒長してしまうと、病気や害虫に対する抵抗力も弱くなります。日当たりのよい環境で育ててあげましょう。
徒長したときの対策
徒長してしまった茎は、思い切って切り戻してください。放っておくと、間延びして格好悪いだけでなく、病気にかかる原因にもなってしまいます。
トラデスカンチアの育て方③栽培時期
トラデスカンチアは1年を通して楽しむことができる植物ですが、庭植え、鉢植えどちらも植え付けや植え替えの時期は5月~9月です。室内で栽培する場合には、冬の時期でも植え付けを行うことができます。
植え替えの方法は?
トラデスカンチアは根が詰まりやすい性質があります。根詰まりを防止するためにも、2年に1度は植え替えを行いましょう。鉢から株を取り出したら、土を半分ほど落とし、新しい用土を追加します。植え替えが終わった後は、1週間ほどは日影に移動させ、肥料も控えます。庭植えの場合は、植え替えの必要はありません。
トラデスカンチアの育て方④用土
トラデスカンチアの栽培には、水はけのよい土を用意します。庭植えの場合は赤玉土6割に対して腐葉土を4割混ぜ合わせて用土を作ります。吊り鉢を使用する場合には、赤玉土6割、腐葉土2割にパーライトを2割混ぜ合わせると、軽量で水はけのよい土を作ることができます。市販されている観葉植物用の土を使うのも便利ですよ。
肥料はどんなものがいい?頻度は?
トラデスカンチアに肥料を施す頻度は、固形のものでは1ヵ月に1度、液状のものでは10日に1度が目安となります。夏には暑さで弱ってしまうことがあるため、肥料は施しません。
トラデスカンチアの育て方⑤水やり
土が乾いたら、たっぷりと水をあげます。しかし、水をあげすぎると茎が徒長してしまいますので、加減が重要です。少し乾き気味に育てると、葉の模様がきれいに出ることがあります。
冬場の水やりには葉水が効果的
霧吹きなどで、葉に水を吹きかけてあげることを葉水といいます。高い湿度を保ちながら、乾燥気味に育てたい場合には有効な手段です。トラデスカンチアは気温の低い冬場はあまり生長しません。水やりの回数を控えるためにも、葉水が効果的です。
トラデスカンチアの育て方⑥枯れる原因と対策
葉が黄ばんでいたり、所々が茶色く枯れたりしているのは、夏場の直射日光で葉が焼けてしまったことが考えられます。鉢植えの場合は傷んだ葉を取り除いて、日影に移動させます。また、風通しが悪い状態でも、株が蒸れて枯れる原因になります。定期的に剪定を行い、風通しをよくしてあげましょう。
トラデスカンチアの剪定
伸びすぎたトラデスカンチアは、夏の時期と冬の時期を避けて剪定を行います。剪定を行うことで、株が蒸れるのを防ぐことができます。美しいフォルムを保つためにも、伸びすぎた茎はカットしましょう。生育を促すための摘心も行うと、より効果的です。
はさみを使って切り戻しをしよう
茎が伸びすぎないように、はさみを使って適度に切り戻します。この時に切り取った茎や芽先を水に挿してあげると、再び根がでてきますので、捨てずにとっておくとよいでしょう。先端や葉の中央は避けて茎の部分をカットするのがコツです。丈夫な植物ですので、多少失敗しても大丈夫ですよ。思い切って剪定を行ってください。
摘心は大事な作業
トラデスカンチアには斑入りの品種がありますが、成長していく過程で、緑の葉だけが生えてくる場合があります。放っておくと緑の葉だらけになってしまい、斑入りの葉が生えてこなくなることがあります。この場合は、摘心をして対処します。摘心は緑の葉を摘み取るように行うのがコツですが、植物の成長を促すのが目的の場合は、穂先をいくつかカットします。
トラデスカンチアの増やし方
コップ1杯程度の量の水に、切り取った茎を浸けておくと根が出ることがあります。根が出たら、植木鉢や花壇に挿し木をします。挿し木による増やし方がおすすめなのですが、水栽培による増やし方もあります。
挿し木がおすすめ
割りばしなどを使って空けた穴に、根が出たトラデスカンチアを挿し木します。挿し木した直後に水をあげた後は、新葉がでてくるまではそのままにしておきます。明るい日影で育ててあげるのがよいでしょう。
水栽培でも増やせる
適度な温度があれば、水の入ったコップやグラスに挿して栽培することができます。時々水を交換する必要がありますが、きちんと生長してくれますよ。
ハイドロカルチャーが便利
ハイドロカルチャーとは、ハイドロボールと呼ばれる人口の土を使った栽培方法です。コップや空き瓶など、穴の空いていない容器で育てることができます。水をやりすぎると根腐れを起こす可能性がありますが、虫がつきにくい、土独特のにおいがしないなど室内で楽しみたい方に特におすすめです。
まとめ
トラデスカンチアは常緑性なので、緑が少なくなる秋頃から冬でも楽しむことができる植物です。寒さや暑さ、病気にも強く初心者にも育てやすいので、ぜひ屋外や屋内で栽培を楽しんでみてください。
出典:写真AC