ローダンセマムの育て方③手入れの仕方
水やり
ローダンセマムの水やりにもコツがあるのでしょうか。水やりの方法を見ていきましょう。
乾燥気味に保つこと
庭植えの場合、特別に水やりをする必要はありません。鉢植えの場合、季節によっては土が乾燥しすぎてしまうため、鉢の表面が白っぽく乾いてきたら水やりをします。ローダンセマムは乾燥に強く、蒸れに弱いです。水やりをしすぎると立ち枯れや根腐れを起こす可能性があるため注意しましょう。
特に花に水をかけないようにすること
つぼみが水につかってしまうと、開花時期を迎えないまま枯れてしまうことがあります。ローダンセマムの根元を狙って水をやることで、開花時期を長く楽しめます。ローダンセマムは比較的扱いやすい花ですが、きれいに開花させるために水やりには特に心を配る必要があるでしょう。
肥料
2月〜5月(春)と9月~11月(秋)の花が咲く時期に、肥料または液肥を追加します。庭植えの場合、春・秋共に緩効性化成肥料としてチッ素Nーリン酸PーカリK=10ー10ー10を追加するとよいでしょう。鉢植えの場合、秋に緩効性化成肥料としてNーPーK=10ー10ー10など、春に液肥としてNーPーK=6ー10ー5などを追加してください。
ローダンセマムの育て方④増やし方
ローダンセマムは増やして楽しむことも可能です。どのような増やし方があるのか見ていきましょう。
切り戻し
剪定時期は6月〜7月と9月〜10月
夏越しに備えて株を風通しよく管理するために、6月〜7月の梅雨前が剪定時期に当たります。地表から3~5cm程度を残して切り戻しましょう。蒸れによる立ち枯れを防ぐことに加え、脇芽が発生し、花芽を増やせます。さらに夏越し後、株姿が乱れた株についても9月〜10月に切り戻すとよいでしょう。
剪定箇所
剪定箇所は新芽のすぐ上がよいでしょう。節から新芽が出てきているところを目印にしてください。株の混み合った部分を大胆に切ってしまいましょう。新芽が混み入ってしまうと、ローダンセマムの天敵である過湿を避けられなくなってしまいます。新芽さえ残しておけば、新しい葉はすぐに伸びてきますよ。
揷し木
9~10月・3~5月が適期
ローダンセマムは、年数が経ち株が古くなると木質化し立ち枯れをしやすくなるため、揷し木で新しい株を作って増やします。庭植えで株形が気になる際も、剪定時期に切り戻すのと同時に揷し木を作るとよいでしょう。まず太く新しい茎の先端を3〜6cmの長さで剪定します。この際、切った茎から余分な葉を4、5枚取り除くと扱いやすいです。
揷し木の育て方も親株と同じ
切った茎先を10分ほど水に浸して水を吸わせてから、用土に植えてください。揷し木を植え付けた後も、親株と同じように、風通し・水はけともに良好な半日陰に置きます。ちなみに揷し木は揷し芽とも呼びます。揷し芽と表記されることもあるため、混乱しないようにしてください。
挿し木の成長が心配な人は、茎先から吸わせる水に液肥(発根促進剤)を加えるとよいです。
ローダンセマムの育て方⑤花の手入れ
ここでは、ローダンセダムの花が咲いたときのお手入れについて見ていきましょう。
開花時期
3月〜6月と長めの開花時期
回かは、春に始まり梅雨前に終わります。花の形は非常に特徴的です。ローダンセマムの花はタンポポと似た構造になっています。すっと伸びた茎の先で1つの花に見える部分は、実は筒状花と呼ばれる小さな花の集合体なのです。中央の黄色や茶色は、筒状花の雄しべと雌しべが集まったもので、独立した筒状花が丸く集まって1つの大きな花に見える形を作っているのです。
花がら摘み
開花時期はこまめに花がらを取り除くようにしましょう。花がらを放置しておくと蒸れて病気の原因になります。花びらが落ちているものはもちろん、花が反り返っているものも剪定します。剪定箇所は花茎の付け根です。
花が咲かない原因
ローダンセマムは高温と蒸れにだけ注意をすれば、花が咲かないことはなく、基本的に丈夫な植物です。しかし、寒い日が続いて開花時期が遅れることもあります。暖かくなるのを気長に待ってみましょう。温度以外に花が咲かない原因があるとすれば、根詰まりからの根腐れや立ち枯れを起こしていることなどが考えられます。
花が咲かない原因に考えられること
切り戻しは十分にできていたか
- 鉢植えの場合は鉢のサイズが適正であるか
- 水やりをしすぎていないか
ローダンセマムが枯れる理由
夏枯れ
ローダンセマムは高温に弱く夏期は生育が止まり、梅雨などで株が蒸れると簡単に枯れてしまいます。高温多湿な日本では夏越しができずに一年草扱いをされるほどです。夏枯れを防ぐためには、鉢植えなら日当たりの強くない軒下にローダンセマムを移動させる、庭植えでも開花時期後に鉢上げするなどの方法があります。夏越し後の切り戻しも十分に行い、風通しのよい状態で株を保つように努めてください。
一方寒さには強く、蒸れなければ越冬中に枯れることはありません。最低気温ー10℃程度なら屋外で越冬可能です。
病気と害虫
立枯病
立枯病は、多くの植物がかかる伝染病です。葉の成長が止まるところから始まり、葉が萎れ、茎が腐って細くなり、最後は株を支えきれなくなって枯れてしまいます。さらに放置しておくと周りの植物にも伝染してしまうため注意が必要です。5月〜9月に渡り、株が詰まって風通しが悪くなると立枯病にかかりやすくなります。夏枯れと併発することも多いです。立枯病は梅雨前の切り戻しを十分にすることで防げます。
アブラムシ
アブラムシは植物に取り付いて汁を吸い、栄養をとっています。そのうえ繁殖力も高いです。一度アブラムシに付かれると植物は生育を阻害され、やがて枯れてしまいます。ローダンセマムの成長期である10〜6月の間、アブラムシが発生しやすいです。その時期は特に新芽や蕾などをこまめに確認し、増えすぎる前に防除しましょう。
まとめ
ローダンセマムを育てるために最も気をつけるべきことは、高温多湿を避けることです。育て方や増やし方はシンプルで、ポイントがわかっていれば園芸初心者でも簡単に育てられます。寄せ植えなど華やかなアレンジメントにも使われる、可憐で人気のある花ローダンセマム。蒸らさず枯らさず上手に管理して、ローダンセマムを一年草としてでなく、本来の多年草として長く楽しみましょう。
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管理が大変に感じる場合、液肥ではなく置き肥タイプを選ぶとよいでしょう。