マルバノキの魅力
マルバノキの基本的な特徴をご紹介した後は、その魅力について迫っていきましょう。病害虫の心配や剪定もほとんど不要で、初心者にも育て方が簡単です。そんな簡単な育て方でも立派な美しいシンボルツリーとして成長してくれるので人気の庭木になっています。
魅力①高木との組み合わせにもおすすめ
先述したように、存在感ある仕上がりになるのでシンボルツリーとしても人気が高いですが、クロモジなどの背の高い高木と組み合わせて株元を彩る植え方もおすすめです。高木だけを植えると株元が寂しくなりがちですが、そこに季節の移ろいを感じさせてくれるマルバノキがあると庭が華やぐでしょう。また、どの角度から見ても緑が目に入るのでリビングから見たときの庭の景観もよくなるでしょう。
魅力②夏も紅葉の時期も美しい
マルバノキの魅力はなんといっても紅葉の美しさでしょう。日当たりによって紅葉の具合が左右されますが、それによって偶然生み出されるグラデーションは毎年私たちの目を楽しませてくれます。もちろん、夏の季節に見えるみどりも実に美しく、風でゆれるしなやかな枝の様子も魅力的です。
魅力③斑入りのマルバノキも人気
一口にマルバノキといっても最近は品種も数多く販売されています。中でも「恵那錦」と呼ばれる品種は斑(ふ)の入り方が美しく、珍しい品種として人気です。見かけた際は育成にぜひ挑戦してみましょう。
魅力④花と実もかわいらしい
紅葉の美しさで人気を集めるマルバノキですが、別名ベニマンサクと呼ばれるように花もマンサクに似たかわいらしい姿をしています。花が楽しめるのは11月ごろです。夏の成長の盛りを過ぎたあとになります。
また、葉の形がハート型をしていますが、実は実の形もコロンとしたかわいらしいハート形です。一年を通じで様々な姿を披露してくれます。
魅力⑤日陰でも育てることができる
シンボルツリーとしても人気を集める理由として、もう一つ、耐陰性が強いため、日陰でも育つので植える場所を選ばないという点が挙げられます。シンボルツリーとなるとやはり家の玄関や入口付近といった目立つ場所に植えたいですが、そこが常に日当たり抜群とは限りません。軒下など日陰になる場所であることもあり得ます。そういった場所でも大きく育ってくれる庭木としてマルバノキは適しているでしょう。
魅力⑥剪定もほとんど不要
シンボルツリーとして人気を集めるのには、剪定がほとんど不要であることも理由になっています。先述したように、マルバノキは立木といって、株元をからまっすぐ枝分かれすることなく新しい枝が出てきますので、枝があちこちから吹き出てきて剪定しなければならないというようなことはほとんど起きません。後述しますが、必要な剪定と言えば、更新枝のために古い枝を株元から切る程度です。
魅力⑦病害虫の心配がほとんどない
一度、病気や虫がついてしまうと立ち直るまで時間がかかってしまいがちな庭木ですが、マルバノキは病害虫の被害も受けにくく、その心配が少ない樹木です。病害虫の心配がないため、初心者でも育てやすくなっています。
マルバノキの植え方
ではここからはそんな魅力たっぷなマルバノキ、別名ベニマンサクの植え方について詳しくご説明していきましょう。耐陰性があるため日当たりは気にせず、植える場所を選びませんが、水捌けのよさについては注意すべき点があります。
植える場所
日当たりはさほど気にしなくてOK 日陰でも育つ!
耐陰性があり、日陰でも元気に育ってくれる樹木ですので、日当たりに関しては気にする必要がなく、植える場所を選びません。真っ赤に全ての葉を紅葉させたいと決めている方は、日当たりが良い場所を選びましょう。植える場所が日陰だと枝の先端の葉は赤く、株元は緑というようなグラデーションの紅葉になる場合が多いでしょう。ただし、耐寒性は強くありませんので一日を通して日陰であるようなところは気温に注意しましょう。
水捌けのいい場所を選ぶ
植え付ける地面の水捌けはやや注意して選びましょう。水捌けが悪く、常にジメジメしているような場所は根腐れを起こしやすく、最悪の場合、枯れることもあります。水捌けのよい場所を選び、水やりで水分量を管理するのがおすすめです。
植え付けの時期・植え方
植え付けの時期は2~3月
関西、関東方面の植え付けは2〜3月がベストです。寒冷地では霜に当たってしまわないように植え付けを行うのは3〜4月がよいでしょう。耐寒性は普通ですので、あまりに寒い日に植え付けを行うのは避けます。庭植などの際に、場所を植え替えることもあるでしょうが、そういった場合もこの2~3月ごろが適しています。
植え付けのポイント①土
まず植え付けに使用する土に関しては、赤玉土に培養土を7対3くらいでブレンドして、マグアンプなどの緩効性肥料を混ぜ込みます。鉢植えの植え付けも同様ですが、水捌けをよくするために鉢底には軽石や鉢底石をいれます。
植え付けのポイント②最初の水やり
植え付けた後は地面をしっかり押させて空気を抜くようにします。植え付けの際に含まれてしまう空気が土から抜け損なうと流されの原因ともなるためです。押さえるだけでは空気は抜けきらないので、その空気を抜く意味でも最初の水やりはたっぷりとやりましょう。