リュウビンタイの育て方
シダ植物であるリュウビンタイは、光合成をするため日光は必要ですが、もともと自生していた森の奥のように、少ない日光で育ちます。直射日光には弱いです。また、高温多湿にも強く、浴室やお手洗いなどにも置くことができる観葉植物です。ただし、耐寒性がないため、急激に冷える場所はおすすめできません。成長すると葉っぱが1m近くまで大きくなり、背の高さも3mくらいにまでなることもあります。
リュウビンタイを鉢で育てる
リュウビンタイは大きくなる植物ですが、耐寒性はなく、寒くなる場所に置いておけません。鉢で育てて、冬には室内のあたたかいところに置いてあげるとよいでしょう。観葉植物としても、観賞しやすい鉢植えが適しています。
日光はどのくらい必要?
リュウビンタイに必要な日光は、半日陰とよばれる、ちょうど森の中で木漏れ日が注ぐ程度の量です。室内なら、レースカーテン越しの日光がよいでしょう。ただし、室内で育てる場合は、特に風通しに注意が必要です。風通しが悪いと、カビが生えたり、害虫の被害にあったりします。
リュウビンタイの植え替え
リュウビンタイは大きく育つ植物ということもあり、植え替えが必須です。ただし、回数はそれほど多く行う必要はありません。3年に1回くらい、大きめの植木鉢に植え替えます。また葉っぱがかなり大きくなるため、植え替える際には、徐々にどっしりとした、倒れにくいタイプの植木鉢に植え替えていくとよいでしょう。
植え替えが必要なわけ
植物の根が、本来あるべき広さよりも狭いところに密集しておかれることで、空気の層がなくなって根が窒息してしまいます。うまく栄養分や水分を運べなくなる状態を「根詰まり」といいます。根詰まりを起こすと、葉がしおれる、成長できない、などの問題が生じるのです。やがては枯れてしまいます。そこで、植え替えが必要となるわけです。
植え替えの時期
植え替えに適した時期は、4月~9月です。あまりに暑い日を避け、暖かい季節に植え替えを行います。土もあたらしいものに替えてあげます。植え替えで土を新しくするのは、鉢栽培の水やりによって、しだいに鉢の中の土の団粒構造が壊れ、水はけや通気性が悪くなっているためです。植え替え時に腐った根も取り除きます。
リュウビンタイの増やし方
植物は、種子植物は種子から、胞子によって増える植物は胞子から増やせます。しかし、それ以外にもさまざまな増やす方法があります。ここでは、多くの植物で行われている挿し木のようなやり方でリュウビンタイを増やす方法と、正攻法なやり方である胞子によって増やす方法をみていきます。
リュウビンタイを挿し木で増やす
挿し木とは
挿し木とは、挿し穂といわれる健康な枝を採って、水につけ、さらに土に挿して植物を増やすやり方です。一般的に、植物を種子や胞子から増やすよりも、挿し木によって増やしたほうが簡単です。また、挿し木はいわば植物のクローンを増やすやり方で、挿し木によって同じような個体を増やせます。多くの植物で挿し木が行なわれています。
リュウビンタイの挿し木とは
リュウビンタイの場合、挿すのは根元の鱗片です。「鱗片挿し」ともいいます。手順は一般的な挿し木と同じと思ってよいでしょう。リュウビンタイの根茎を観察し、とりやすいものを採り、1日水につけて雑菌のない土に挿します。このとき、鱗片は挿し木の挿し穂と同じように、健康なものを使います。硬さを確かめ、しっかりした鱗片を使いましょう。
リュウビンタイを胞子で増やす
シダ植物は、葉っぱの裏の胞子のうが熟してはじけると、胞子を飛ばします。胞子のうがはじけたら、葉っぱを採取して乾燥させ、胞子を取り出しましょう。このとき、胞子が飛び散らないように乾燥状態を保てる袋に、採取した葉っぱごと入れて行います。取り出した胞子を、雑菌の混ざらない培地に薄くまいてあげます。培地ごと、密封できる容器に入れて、直射日光をさけて発芽を待ちましょう。