ムラサキオモトとは
独特の葉色を持つ観葉植物
ムラサキオモト(紫万年青)は、熱帯アメリカを原産地とするツユクサ科ムラサキオモト属の常緑多年草です。「ロエオ」「シキンラン(紫金蘭/紫錦蘭)」「ポートリリー」などの別名で呼ばれることもあります。日本へは江戸時代に渡来してきました。葉の裏が美しい紫色をしていることから、観葉植物としても親しまれています。独特の葉色と20cmから30cmという草丈の低さから、寄せ植えに利用されることも多いです。
名前の由来
オモト(万年青)に似ているが種類は違う
ムラサキオモト(紫万年青)の名前は、姿が観葉植物のオモト(万年青)に似ていることと、葉裏が紫色に染まる特徴に由来しています。ただし、ムラサキオモトとオモトとは別の種類の観葉植物です。前述したように、ムラサキオモトがツユクサ科ムラサキオモト属なのに対して、オモトはキジカクシ科オモト属と、まったく別種類の植物であることが明らかにされています。
オモトと違って寒さに弱い
オモトは比較的寒さに強い植物ですが、熱帯アメリカ原産地とするムラサキオモトは寒さに弱いです。耐寒温度はわずか5℃、霜に当たると枯れてしまいます。冬は室内や温室で管理したほうがよいでしょう。
ムラサキオモトの花言葉
ムラサキオモトの花言葉は「旅行」「航海」「不同」です。「旅行」「航海」と旅に関する花言葉がそろっている上に、ムラサキオモトの名前の由来であるオモトは、引っ越し祝いに最適な観葉植物と言われています。引っ越しや転職など、環境をガラリと変えた方への贈り物にいかがでしょうか。
ムラサキオモトの種類
オーロラ
オーロラはムラサキオモトの斑入り品種で、他の品種と比べて斑の部分が大きいのが特徴です。ムラサキオモトの種類の中では最もよく流通しています。一般的にムラサキオモトというと、大体はこのオーロラが出てきます。オーロラ以外にも他品種と比べると葉が黄色いイエロースター、葉の裏が緑色のコンカラーという品種も存在します。
ムラサキオモトの育て方
ここからは、ムラサキオモトの育て方について紹介します。重要なポイントをしっかり押さえて、美しい株姿と葉色をより美しく育て上げましょう。
一年間の管理スケジュール
行う作業 | 作業の適期 |
植え付け・植え替え | 5月~8月 |
挿し木・株分け | 5月~7月 |
肥料 | 5月~9月 |
ムラサキオモトの一年間の管理を大まかにまとめたスケジュール表です。作業の適期は、栽培環境やその年の気候などによってズレることがあるので、あくまでも参考程度にとどめておきましょう。その他、置き場所や水やり、切り戻しなどの剪定作業や、観葉植物の天敵であるアブラムシやハダニなどの病気・害虫への対策など詳細は下記をご覧ください。
ムラサキオモトの育て方その①:日当たりと置き場所
まずは、ムラサキオモトが好む日当たりと置き場所の紹介です。最初に対象の植物が好む環境に整えることで、植物が元気よく育ち、その後の管理もグンと楽になります。
日当たり
ムラサキオモトは日光を大変好む植物です。また、日当たりが悪いと生育だけでなく葉色も悪くなってしまいます。室内で育てる場合も、できるだけ日当たりのよい場所を選びましょう。ただし、真夏の強い直射日光に当たると葉焼けしてしまうので注意が必要です。
置き場所
前にも触れたように、ムラサキオモトの置き場所は日当たりのよい場所が絶対条件です。ただし、強過ぎる日差しは葉焼けしてしまう恐れがあるので、日差しを調節できるように工夫したほうがよいでしょう。ムラサキオモトは寒さに弱いので、屋外での冬越しは困難です。冬場は室内での栽培をおすすめします。室内栽培も、できるだけ日当たりのよい場所を選びましょう。
ムラサキオモトの育て方その②:水やり
生育期にたっぷりと与えるのが基本
ムラサキオモトの水やりは、生育期にはたっぷりと与え、休眠期は控えるのが基本です。気温が15℃をきると生長が緩慢になるので、15℃前後を目安に水やりのタイミングや与える水量を調整しましょう。春から秋にかけての生育期は、土の表面が乾いたら水をたっぷりと与えます。そして気温が低くなる秋の中頃から水やりの回数を減らし、冬は土が完全に乾いてから与えるようにしましょう。
葉水でハダニを予防する
乾燥のひどい時期は、水やりと一緒に葉水を与えましょう。毎日1回、霧吹きなどを使って与えてください。乾燥を防ぐと同時に、アブラムシやハダニなどの害虫を予防できます。また、ムラサキオモトの葉にはホコリがつきやすいので、葉の掃除にもなります。葉水を与えた後は、濡らしたティッシュペーパーなどを使って、優しく拭き取ってくださいね。
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