ダイコンソウってなに?特徴は?
日本の各地に可憐で綺麗な花を咲かせてくれるダイコンソウ。詳しくご紹介します。
ダイコンソウの生態、特徴
- バラ科のダイコンソウ属
- 学名はGeum japonicum
- 開花時期は7月中旬〜9月、黄色い花をさかせる
- 多年草で、北海道・本州・四国・九州の山野にはえる
中国と日本が原産地
ダイコンソウは、中国と日本が原産地です。ダイコンソウの仲間は、世界に約50種類が確認されていて、植物体全体にあらい毛が密生しているのが特徴です。高さはだいたい50センチ〜80センチになり、茎の上方が分かれ、黄色の五弁花を付けます。
漢方や、食用として用いられることも
利尿剤として漢方にしたり、体をぶつけたり転倒した場合は、薬草として使われていました。また、ダイコンソウは食用としても和え物や天ぷらなどでおいしく食べることができます。ちなみに学名の「Geum」は、ギリシャ語で「美味」という意味をもちます。
ボタニ子
ダイコンソウと大根との関係
実はまったくの無関係!
科名や属名が異なる
ダイコンソウという名前が付いているので、大根と種類が同じだと思われがちですが、実はまったくの別物なのです。大根はアブラナ科で、ダイコンソウは、バラ科であり、大根のように太い根をつけることはありません。
ダイコンソウの名前の由来は?
見た目が似ている!
ダイコンソウは、地上すれすれに根生葉がひろがり、ロゼット状に羽状複葉がおおきくなります。その見た目が、同じくロゼット状にひろがる奇数羽状複葉の大根と似ていることが由来となりました。
園芸種としてのダイコンソウ
タネを入手しやすい
入手のしやすさから人気がある
ダイコンソウの仲間には、園芸用としてもタネを入手しやすい種類があります。それは、欧州原産のベニバナダイコンソウ(紅花大根草)と、南米チリ原産のチリダイコンソウです。どちらも花壇や鉢で栽培しやすく、赤やオレンジ色のおおきな花が開花します。
ハーブとしても利用できる
別名ハーブベネット!
園芸用や食用とは別に、ハーブとしても使える種類があります。それは、セイヨウダイコンソウ(西洋大根)です。別名はーぶべとも呼ばれています。観賞用として用いられることもあります。ダイコンソウの仲間なので、同じような黄色い花を開花させます。
ダイコンソウの育て方
ダイコンソウは、高温多湿や、蒸れに弱い品種がとてもおおいので、夏は注意が必要です。また、乾燥してしまうと株が弱ってしまうので、水やりをするときは、おおめにあげましょう。風通しのよい日陰で育てて見てくださいね。
ダイコンソウの花言葉は?
頑張っている人に贈る言葉
ダイコンソウの花言葉は、3つあります。「満ちた希望」「将来有望」「前途洋々」です。とても素敵な言葉ですね。花言葉の由来は、根生葉がおおきくロゼット状に広がり、最後には黄色や赤、オレンジなど色鮮やかな花を開花させることで、前向きな意味をもちます。
ボタニ子
誕生花としては9月4日です。
ダイコンソウとオオダイコンソウの違いは?
科名や属名、学名
オオダイコンソウもバラ科ダイコンソウ属
「ダイコンソウ」と「オオダイコンソウ」、名前が似ていますね。オオダイコンソウは、バラ科でダイコンソウ属なので、この点ではダイコンソウと同じになります。学名は、「Geum aleppicum」です。この2種類は仲間なのです。パッと見た感じでは違いはわかりませんが、よくよく見ると、根生葉の葉数や開花時期が違います。
よく観察してみると全然違う!
草丈や葉の形質、名前の由来
ダイコンソウは、根生葉がロゼット状に広がり羽状複葉になります。一方オオダイコンソウは、同じようにロゼット状に広がりますが、奇数羽状複葉になるのです。また、草丈は、60センチから100センチになり、ダイコンソウの大型版で、オオダイコンソウという名になりました。
開花時期と花
オオダイコンソウの開花時期は、6月から9月、北海道と本州(中部以北)に咲きます。ダイコンソウよりもすこし早めです。花は、黄色い5弁花をつけます。赤やオレンジの種類はありません。また、愛知県内では絶滅危惧II類に指定されています。
まとめ
ダイコンソウは日本の広い分布に生息しています。世界で約50種類あるなかの約5種類は山野に自生しており、種類によっては黄色・赤・オレンジ・白など色鮮やかに開花させます。用途はさまざまなので、ぜひ一度、育ててみてくださいね。
全草には、フェノール配糖体のゲイン、苦味成分のゲウムバター、タンニン、ショ糖が入っています。