カキドオシの採取
カキドオシは家の近所でも簡単に採取できます。自分で摘み取ったものをお茶にしたり料理にしたりするとより一層おいしく感じられそうです。
カキドオシの採取に適した時期
採取は、十分成長して花が咲く4~5月が適しています。しかし、葉や茎だけを煎じたものでも薬草としての効果が得られるので、花が咲いた後の5~8月でも問題はありません。
採取のポイント
カキドオシは地上部全てを食用として利用が可能です。ただし料理にして食べる場合は、先端近くのやわらかそうな部分を採取するのがおすすめ。乾燥させて煎じるのであれば、根っこから引き抜いて利用できます。
栽培も可能
道端や空き地に生えているものを食べるのが不安な場合は、栽培することも可能です。インターネットで苗を販売しているお店もあります。ただしカキドオシは生命力が強く雑草化しやすいため、植える場所や管理には注意が必要です。
カキドオシの見分け方
カキドオシを採取しようと思うと、似ている植物がたくさんあることに気づきます。似ている植物を採取しても薬効がないことがほとんどなので、見分け方のポイントを押えて間違えずに採取しましょう。
カキドオシに似ている植物①ムラサキサギゴケ
ムラサキサギゴケは、ゴマノハグサ科サギゴケ属の植物です。花の大きさは1~2cmとカキドオシとほぼ同じ大きさで、紫色の花びらは一見すると瓜二つで見分けがつきません。しかし花の中をよく見ると、ムラサキサギゴケは黄色と赤の斑点があることがわかります。また、葉っぱが楕円形であることも見分けるポイントのひとつです。
カキドオシに似ている植物②トキワハゼ
トキワハゼは、ムラサキサギゴケと同じくゴマノハグサ科サギゴケ属の植物です。トキワハゼは花の形こそ似ていますが、大きさが0.5cm~0.7cmと小さいのでムラサキサギゴケよりもわかりやすく見分けられます。
カキドオシに似ている植物③ツボクサ
ツボクサは、セリ科ツボクサ属の植物です。葉や茎がカキドオシにとてもよく似ていてなかなか見分けにくい植物ですが、茎の形に違いがあります。カキドオシの茎が四角いのに対して、ツボクサの茎は丸いので、どちらか迷ったときは茎をちぎって断面を確認しましょう。
香りで見分けられる
前述の通り、カキドオシの大きな特徴として独特の香りがあげられます。ムラサキサギゴケやトキワハゼ、ツボクサは科目も異なり、カキドオシ特有のシソのような香りはありません。カキドオシかどうか迷ったらちぎって香りをかいでみることをおすすめします。
カキドオシの煎じ方
カキドオシの葉茎は、乾燥させて煎じることでハーブティーとして利用できます。副作用を気にする必要がないため、日々の生活に気軽に取り入れられるのが嬉しいポイントです。
カキドオシのハーブティーを作ろう
まずはカキドオシをよく洗浄
採取したカキドオシは、念入りに洗いましょう。ボールや桶に水を溜め、カキドオシを浸して動かし微細な土や汚れを落としていきます。何度か水を替えて繰り返し、最後は流水で仕上げてください。
日陰で乾燥させる
生の葉を利用してハーブティーも作れますが、生の葉を煎じるとかなりインパクトの強い仕上がりになるので、初めての方は乾燥させた茶葉を利用することをおすすめします。カキドオシはかなり独特な芳香と風味がありますが、乾燥させでるとマイルドな香りや味わいに変化します。乾燥させるときは軒下など日が当たらず風通しのよい場所で干してください。カキドオシの風味がお好きな方は、生のハーブティーと乾燥させたハーブティーの飲み比べを楽しむのもおすすめです。
茶葉を煎じて飲む
乾燥させたら、水1Lあたりおよそ10gの茶葉を入れて煎じます。このとき、沸騰してすぐに火を止めることがポイントです。長時間沸騰させておくと、有効成分の一部が揮発して、効果や効能が得られない場合があります。また煮出すのが面倒だという人は、もっと手軽に急須で楽しめます。急須に茶葉と沸騰したお湯を注ぎ、1分~1分半ほど蒸らしてお召し上がりください。スッキリとした香りと風味がほっとさせてくれます。
カキドオシ茶の適量はどのくらい?
1日1L程度が目安ですが、薬効のあるお茶は体にあう、あわないがありますので、少量ずつ飲みながら様子を見てください。お腹をこわすなど体に合わないと感じたら飲用を中止してください。また他の薬草や薬と同様に、一度に多量のカキドオシを摂取してもよりよい効能が期待できるわけではありません。
茶葉の保存
カキドオシの茶葉は他の茶葉と同様に、湿気を防ぐため密閉容器にいれて保存してください。直射日光が当たる場所や気温、湿度の高いところは避けましょう。
茶葉も購入できる
国産 長野県産 カキドオシ茶 50g (50g×1袋) 川本屋茶舗
参考価格: 1,080円
カキドオシのハーブティーは愛飲者も多く、インターネットでも手軽に茶葉を購入できます。これまでにカキドオシ茶を飲んだことのない人は、自分で作る前に売られているハーブティーを試してみるのもおすすめです。
茶葉を利用してカキドオシ酒も
茶葉はハーブティーとしてだけでなく、カキドオシ酒にも利用できます。葉の4~5倍のホワイトリカーに漬け込み、3ヶ月ほど冷暗所で保存しておくとカキドオシ酒になります。ミントの風味がスッキリとした薬用酒です。
カキドオシの食べ方
お茶にして飲むイメージの強いカキドオシですが、もちろん食材として食べられます。味というよりは香りを楽しむ山野草で、アクも少なく調理はとても簡単です。食べる場合もお茶にするときと同様によく洗ってから食べるようにしましょう。
カキドオシの天ぷら
山野草を使った定番料理と言えば天ぷら。花も一緒に衣をつけてかき揚げのように揚げます。見た目も春らしく、特有の香りが口いっぱいに広がります。
カキドオシのお浸し
ほうれん草や小松菜のおひたしを作る場合と同じく、塩を少々入れたお湯でさっとゆがいて絞ります。だし醤油をすこしだけ垂らして食べるのがおすすめです。
花はさまざまな料理のトッピングに
カキドオシの花は葉や茎より香りが優しいので、エディブルフラワーのようにさまざまな料理のトッピングとしても使えます。サラダや炒め物の仕上げにいくつか散らすだけで料理がぐっと華やかになります。
カレーにいれてもおいしい
カキドオシはカレーにいれてもおいしく食べることができます。他のスパイスに負けない芳香があり、いつもと違ったカレーが味わえます。量は好みによって異なるので、まず少量入れて様子をみながら足してください。
まとめ
カキドオシは幅広い効果・効能が期待できる薬草でありながら、家のまわりでも見つけることができる大変身近な植物です。高血圧や糖尿病などの予防改善に役立つ上、副作用がないので飲んでおいて損はありません。多忙で不規則な生活をしていても、お茶にすれば有効成分を手軽に摂取でき、シソの香りとミントの風味でリラックスもできます。これを機に、カキドオシ茶を生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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出典:写真AC