クヌギとは?特徴や利用法を解説!!他の木のどんぐりとの見分け方は?

クヌギとは?特徴や利用法を解説!!他の木のどんぐりとの見分け方は?

里山や雑木林など、案外身近なところにはえているクヌギ。カブトムシが集まる木、どんぐりがなる木としても有名です。ですが、クヌギをじっくりと観察したことは少ないのではないでしょうか。そんなクヌギの特徴、見分け方、利用方法、またどんな場所にクヌギがはえているのか紹介します。

記事の目次

  1. 1.クヌギはどんな樹木?
  2. 2.クヌギと他のどんぐりの見分け方
  3. 3.クヌギの利用方法や用途
  4. 4.クヌギの木がある場所
  5. 5.クヌギに集まる昆虫
  6. 6.クヌギについてのまとめ

クヌギの利用方法や用途

クヌギは、さまざまな用途や利用方法があり、人々の生活に欠かせない樹木でした。ここでは、クヌギがどのように使われてきたのかを紹介します。

木材としての利用・用途

Photo by Xwen.net

クヌギは成長がはやく、10年ほどで高さ10mにも達し、木材として利用することができます。伐採したあとも、クヌギは萌芽更新を行うため、10年後には再び10mの高さになり木材として利用することが可能です。クヌギの材は硬く、建築材や車両、船舶の木材として利用されていました。それだけではなく、薪やシイタケ栽培の原木としての、用途もクヌギにはありました。

萌芽更新とは?

萌芽更新とは、落葉広葉樹の森林の再生を行う方法です。萌芽が活発な広葉樹を伐採した場合、翌年には根株からひこばえが出てきて、生育を始めます。この芽が成長し、新たな森林を作っていきます。この方法は、ブナ科、スギ、イチョウなどの樹木に利用されています。

台場クヌギ

台場クヌギとは、萌芽更新を繰り返すことでできるいびつな形をしたクヌギです。作り方としては、冬に、クヌギを地上からの高さが1mくらいの高さで伐採します。その後、根本からひこばえがはえてくるので、勢いのある若木を残し、剪定します。これを繰り返すことにより、最初に伐採した地上からの高さが1mくらいの高さで伐採したクヌギの土台である根本が太くなっていきます。このような方法をとる理由としては、木をはやく成長させること、地上からの高さ1mくらいの高さで伐採することにより、動物に食べられてしまうことを避けるというのがあげられます。

染め物としての利用・用途

Photo by merec0

クヌギの樹皮やどんぐりは、染め物としても利用されていました。この染め物をつるばみ染めとして呼んでいます。色は、媒染の方法によって変わりますが、薄茶色、茶色、黒色になります。

腐葉土としての用途

Photo byJamesDeMers

クヌギの枯れた葉っぱには、腐葉土としての用途がありました。クヌギは落葉樹なので、枯れた葉っぱは腐葉土にも適していました。腐葉土にしたあとは、作物の肥料として利用されていました。

どんぐりの利用方法・用途

Photo by nishioka

クヌギのどんぐりだけではありませんが、どんぐりには食用としての用途もありました。クヌギのどんぐりには渋があるので、縄文時代においては渋抜きをして食用としていました。食用以外にも、どんぐりには工芸品の材料としての用途がありました。

ヤママユの飼育としての用途

Photo byHans

ヤママユとは、ガの一種であるが、このヤママユの繭から天然の繊維である天蚕糸をとっていました。天蚕糸は、独自の光沢をもち、絹に比べて軽くて柔らかいのも特徴です。このヤママユとクヌギの関係は、クヌギの葉っぱは、ヤママユの幼虫の餌として使われていました。なので、天蚕糸をとるために、野外でクヌギの枝や葉っぱのにヤママユをつけるという「山つけ」という作業を行っていました。

クヌギの木がある場所

Photo by harum.koh

クヌギはさまざなところに分布しています。ここでは、クヌギがどんなところにあるのか、クヌギの木がある場所やどんなところに分布しているのかを紹介します。

里山

Photo by cotaro70s

クヌギは、さまざな用途に利用されていたため、身近な里山や雑木林で見ることができます。標高の高いところでも見つかることはありますが、防風林や針葉樹がたくさん植えられている場所にはクヌギははえていません。

公園

Photo bypepperminting

クヌギの木がある場所は、公園もあげられます。公園といっても、遊具などが置いてある公園ではなく、森林公園の樹木として利用されています。

暖かい地域に分布

クヌギの木がある場所は、暖かい地域が多いです。寒さに弱い樹木ではないのですが、寒い地域に植えられていることは稀です。もし、寒いところにクヌギが分布していたら、そのクヌギは植えられたものではなく、自然発生したものです。

湿ったところに分布

クヌギは湿った場所にも分布していることがあります。そのような場所にあるクヌギの幹の根本にはコケがはえていることが多いです。

クヌギに集まる昆虫

クヌギは、昆虫が集まる樹木としても有名です。クヌギの樹液は、甘酸っぱい匂いをし、樹液も甘いです。その樹液の求め、たくさんの昆虫がやってきます。もちろん、樹液を目的としない昆虫もやってきます。ここでは、クヌギに集まる昆虫を紹介します。

カブトムシ・クワガタ

カブトムシとクワガタは、クヌギの樹液を求めてやってくる昆虫の一つです。カブトムシとクワガタの成虫は、クヌギの樹液を求めてやってきますが、カブトムシ・クワガタとのクヌギの関係はこれだけではありません。カブトムシとクワガタの幼虫がクヌギが落とした葉っぱをエサとして食べています。また、台場クヌギにはオオクワガタが好む空洞が出来ることがあり、空洞があると住処にします。

なぜ、クヌギから樹液がでるの?

クヌギから樹液がでるのは、ガの幼虫が幹を傷つけているからです。幹を傷つけることにより、クヌギから樹液が出ます。樹液は、微生物などにより、発酵がすすみ、強烈な匂いをだすようになります。この匂いを目当てに昆虫たちはやってくるのです。雑木林や里山で、強烈な匂いが漂ってきたら、クヌギが近くにある証拠です。同じようにコナラも樹液を出し匂いもありますが、クヌギの匂いの方が強烈だとされています。

シロスジカミカリ

シロスジカミキリは、カミキリ科の昆虫でクヌギの幹に穴をあけ、そこに卵を産みます。幹の下部だとコルク層が分厚すぎて卵を産み付けられないため、コルク層が薄い幹の上部に卵を産み付けます。卵からかえった幼虫は、樹皮下に潜り込み、材部を食べます。成虫は、樹皮や芽を食べます。幼虫が材部を掘り進むとトンネルができ、木の強度が弱くなることがあります。

ウラナミアカシジミ

ウラナミアアカシジミは、シジミチョウ科に属するチョウの一種です。ウラナミアカシジミの幼虫は、クヌギの若葉を食べて成長します。

クヌギについてのまとめ

Photo by Shigeyama

雑木林や里山、身近なところに分布しているクヌギ。クヌギはどんぐりが実り、昆虫が集まってくる樹木です。さまざまな用途に使われて、生活に密着していたクヌギ。成長がはやいため、あっという間に高さが10mを超えるクヌギ。そんなクヌギを見かけたら、ぜひ観察してみてくださいね!

高倉
ライター

高倉

植物が好きです!特に野草。そのあたりに生えている雑草と呼ばれる植物です。中でもカタバミを見るとテンションあがります。

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