生薬としてのケンポナシ
ケンポナシは生薬名で枳椇子(キグシ)とよばれ古くから用いられてきました。主な効能・効果は解毒、利尿、降圧作用などがあげられます。さらにケンポナシに含まれるジヒドロミリセチンという成分が血中のアルコール濃度を薄め、二日酔いおよび二日酔いの予防に優れた効果を発揮します。また肝臓や胃腸の機能を高め老廃物を排出させる効果もあり、むくみや疲れ美容にも効能が高いとされています。
ケンポナシの煎じ方
ケンポナシの成熟し乾燥させた果柄および枳椇子(きぐし)を用意します。ケンポナシの果柄を10gとし、水は600ccから800ccを目安とします。鉄製や銅製のものは避け、ホーローかステンレスの容器を使用します。容器に水とケンポナシの果柄を入れ、沸騰したらとろ火にし20分から30分ほど煎じます。煎じ汁が減りすぎてしまったら適量のお湯をつぎ足します。煮出した果柄を漉して取り除いたら出来上がりです。このように煎じた汁を、煎汁、湯液とよびます。
煎じるとは?
ボタニ子
ケンポナシの食べ方
ケンポナシは可食部が少ないため、それ自体の食としての楽しみ方、食べ方はあまり知られていません。主に薬膳食などに用いられます。ケンポナシの蜂蜜をリコッタチーズやマスカルポーネにかけて食べるだけでも良いですが、ナッツやドライフルーツを漬けておくと、腹持ちもよく食感のアクセントになります。ケンポナシ酒や、生薬用に乾燥させたケンポナシのエキスなどを、風味づけでとりいれるだけなので簡単です。
食べ方・1 | 参鶏湯(サムゲタン) | 煮込み用のスープ取りに |
食べ方・2 | 薬膳カレー | 煮込み用のスープ取りに |
食べ方・3 | ハニーナッツ漬け | ケンポナシの蜂蜜使用 |
食べ方・4 | ゼリー | ケンポナシ酒で風味づけ |
生薬であるケンポナシのアレンジ方法は無限。体のコンディションで他の食材やスパイスなどを組み合わせるだけで、簡単に薬膳がとりいれられます。
身近にあるケンポナシ
①お茶
まず、最初は、ケンポナシ茶です。ケンポナシのエキスを含有したお茶で、ペットボトルなどでも販売されているので、手軽にとりいれる事ができます。飲酒量の多い国に名前が上がる韓国では、二日酔い防止やその暖和に効能・効果を発揮するとされるケンポナシ茶を身近なお茶として手軽にとりいれています。ちなみに、韓国ではケンポナシ茶をホッケ茶といいます。またケンポナシエキスを含有した栄養ドリンクとともにコンビニエンスストアなどにも並んでいます。
②チューインガム
口内の乾き、口臭、アルコール臭の暖和に効能・効果があり、ケンポナシ抽出物を原材料に含むチューインガムなどが販売されています。ケンポナシの薬効成分にあげられているフラボノイドが関係しており、それらの成分を含むものの方が口臭、アルコール臭への効果が高いとされています。
③蜂蜜
国産 ケンポナシ 蜂蜜 300g
参考価格: 1,382円
ケンポナシの花にはたくさんのミツバチが集まります。しかし、ケンポナシはあまり個体数の多い植物ではないため、ケンポナシから採取される蜂蜜は全体の僅かで、たいへん希少な蜂蜜といえます。蜂蜜の専門店や道の駅などで販売されていることが多く、様々な種類の蜂蜜がある専門店などでは、味をみながら好みの蜂蜜を買うことができるので、ケンポナシの蜂蜜を見かけたらぜひ試してみてはいかがでしょう。ケンポナシの蜂蜜はコクのある甘さと爽やかな花の香りが特徴です。
まとめ
ここまでケンポナシの特徴や魅力を解説してきましたがいかがでしたでしょうか?目でも楽しめ、体に効くケンポナシを生活にとりいれるためには、工夫や手間が必要になりますが、その工夫や手間が心に豊かさを与えてくれる事でしょう。
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煎じるとは生薬を煮出してその成分を抽出させる事をいいます。使う生薬により容量、水の量や、煎じる時間などは様々です。