シンゴニウムの育て方
シンゴニウムの置き場所
シンゴニウムは寒さには弱いので夏場以外は室内での栽培となります。一年を通して室内での手入れでもよいのですが、野外で育てると株の成長にはよいです。また、熱帯アメリカのジャングルで大木の木陰や木そのものに着生する植物なので、直射日光は苦手です。室内でも、ガラスから直接日が入る場所よりカーテン越しの日ざしのほうが、葉焼けを防げるためおすすめです。
越冬のための置き場所(10月~3月)
- 越冬のための栽培適温は15℃~30℃で、10℃を下回ると葉が枯れたり、しおれます
- レースのカーテン越しの柔らかい日がさすテーブルの上が最適です(葉焼けをしないため)
- 暖房機の風が直接あたらない場所(葉がちりちりになるのを避けるため)
- 夜間、暖房が切れると窓の近くは急激に温度が下がるので窓から離します
- ホットカーペットの上はNG(乾燥しすぎます)
生育期の置き場所(室内4月~9月)
- レースのカーテン越しの日が午前中にさす場所がよいでしょう
- 西日があたる場所はNG(葉焼けします)
- 冷房を使う部屋の場合は風が当たらない場所(乾燥しすぎると葉が枯れます)
生育期の置き場所(野外7月~9月)
- 直接日が当たらない場所を選びます(特に西日はNG)
- 木の下に置く場合はハンギングして木漏れ日くらいならよいでしょう
- 日が当たり過ぎるようでしたら遮光50%のネットを張ります
用土選びのやり方
熱帯アメリカの高温多湿の環境に近づけるための用土選びをしましょう。ジャングルはスコールがあり、さっと雨が降ってまた日がさすという環境なので、植え方にも注意が必要です。長く水につかる状態は根腐れを招きますので、水はけがよい用土にすることが大切です。
培養土
培養土は、自分で配合する必要のない観葉植物用のものが便利です。観葉植物用の培養土は粒土・軽石・バーミキュライト・パーライトなどがブレンドされており、加湿を防いで通気性をアップさせるものが一般的です。自分で配合する際は、土壌改良が目的のバーミキュライトとパーライトは全体の1~2割が適当で、赤玉土の小粒が6~7割に腐葉土2割に加えて使います。
植え方と植え替えのやり方
植え付けも植え替えも、春の終わりから初夏くらいのシンゴニウムの成長期で元気のよい時期に行います。
植え付けのやり方
鉢底ネットを敷き、鉢底石を2cmくらい入れてから培養土を入れて行きます。目安は鉢の縁から2cmくらいのウォータースペースをとり、苗の高さを調整して土を足してください。苗をぐらぐらさせないよう、まんべんなく培養土が行き渡るようにします(わりばしなどで土をつつきながら入れましょう)。最後に軽く土を押さえてからたっぷりと水をあげましょう。
植え替えのやり方
液体肥料を定期的に施していても、生育がわるいときは植え替えをしたほうがよいです。鉢底から根が見えていたら根詰まりの寸前なので、最低でも2年ごとに植え替えをしましょう。植え替えのやり方は前述の植え付けを参考にしてください。
ボタニ子
ただし株分けや挿し木でたくさん増やしたいときは、元の鉢と同じサイズのものを使うのよ。大きな鉢だと水やりのあとで土が乾きにくいから、根腐れの原因になってしまうわ。
水やり
成長期(4月〜10月)の水やり 室内での栽培
基本の水やりは乾いたらたっぷりと与えることですが、シンゴニウムは一年中室内で栽培することも多い観葉植物なので、水を与えすぎると土が乾かずに根腐れさせてしまうことも多く、注意が必要です。土をさわって乾いているようでしたら、もう一日待ってから水を与えると失敗が少ないです。水やりをしないときでも湿度が高い環境を好むので、霧吹きで葉水を与えるとよいでしょう。
7~9月野外管理の水やり
シンゴニウムは気温が高い時期は野外で管理することができます。葉焼けをさせないように置き場所を選ぶと株の充実が図れます。あまり雨があたらない場所で育てる場合は、葉水を含めて乾いたらたっぷりと水やりをします。
越冬中(冬越し期:10月後半~3月)室内での水やり
越冬の前から、シンゴニウムはだんだん水を欲しがらなくなります。さらに、室内でも直射日光が当たらない場所で管理しているため、越冬期に入ると土の乾き方が少しずつ遅くなっていきます。こうした越冬期では、土が完全に乾いてから2日くらいは水を切り、その後たっぷりと水やりをしましょう。目安としては、真冬でしたら10日くらいの間隔で土の渇き具合を確かめてください。室内は暖房で空気が乾燥していますので、水やりとは別に2~3日おきに霧吹きで葉水を与えます。
肥料
液体肥料
生育に適した春から秋の初めまで、規定量で希釈した液体肥料を月に一度程度与えるとよいです。観葉植物用の液体肥料もありますので、霧吹きで葉水としてあたえると葉づやがよくなります。
肥料焼けに注意
観葉植物用の培養土には元肥が入っているので、基本的には肥料は必要ありません。肥料のやり方が頻繁だと肥料焼けを起こすことがあるので、必ず量は守りましょう。液体肥料も、しっかり希釈しないと肥料焼けを起こしてしまうので注意が必要です。
手入れ(切り戻し~つるの上手な切り方)
切り戻しの方法
シンゴニウムの幼苗はあまり伸びすぎることはありませんが、成長するにしたがって種類によってはつるが伸びすぎるものもあります。姿が乱れてしまうので、伸びすぎたときは先端に切り戻しを施して整えます。切り戻し作業の適時は、次々とつるが伸びるなど旺盛に生育する5~8月が安心です。切り方は、つるが伸びた場所で切り戻しをします。切り戻しをしたら、切ったつるを後ほど「増やし方」の項で紹介する「挿し木」の挿し穂として利用します。
ボタニ子
正しい切り方をマスターできたと思ったら、今度は切ったつるが挿し穂になって、増やし方の勉強もできちゃう。すぐに挿し木も試してみたいなあ!
植え方や植え替えを勉強したから、さっそくシンゴニウムを大きく育てたいなあ。大きな鉢植えを用意する必要があるね!