ビバーナム・ティヌス(ビブルナム・ティヌス(ティナス))とは
基本情報
ガマズミ属の常緑性低木
ビバーナム・ティヌス(ビブルナム・ティヌス(ティナス))は地中海原産のスイカズラ科ガマズミ属の常緑性低木で、ビバーナムはビブルナム、ティヌスはティナスと呼ばれることもあります。暑さにも寒さにもよく耐え、肉厚の固いしっかりした葉を繁らせます。冬でも枯れ込んだりすることなく常緑で、冬のグリーンが少ない時期に頼りになる植物です。
生垣にも適している
性質は強健で刈り込みにもよく耐えるので、生垣や狭い場所などの植え込みにも適しています。もちろん鉢植えでも大丈夫です。春先の房状のピンクの蕾は可愛らしく、白い花が満開になると木を覆いつくすように咲き誇ります。また秋には青い実がつき切花としても人気があります。
ビバーナム・ダビディも人気
ガマズミ属の仲間は高木から低木まで様々です。手軽な園芸品種で流通している品種ではビバーナム・ティヌスとビバーナム・ダビディが人気です。ビバーナム・ダビディはティヌスより低くまとまります。葉はティヌスより大きく、大きなはっきりとした筋が入り存在感があり、お庭のアクセントになります。冬には葉が赤みを帯びます。花はダビディより控えめですが、青い実がやはり素敵です。育て方はティヌスと同じと考えてよいでしょう。
ビバーナム・ティヌスの魅力① 強健
ビバーナム・ティヌスは、夏の炎天下にも冬の雪にもへこたれず、暑さにも寒さにも耐え、肉厚の葉をよく繁らせます。どこで切ってもわき芽から新枝が伸び、またかなり強く剪定しても枯れ込むこともなく安定して育てることができます。病気に関しても特に気にする必要がない大変丈夫な植物で、頼りになります。
ビバーナム・ティヌスの魅力② ローメンテナンス
生垣などに使う場合は剪定が必要になりますが、自然樹形でいい場合は放任してもそれほど樹形は乱れないので、不要な枝の整理や形を整えるだけで自然にまとまります。もし全体の樹形から大きくはみ出している枝がある場合は、理想とする樹形の内側で剪定します。
ビバーナム・ティヌスの魅力③ 花
小さな白い花が密集して咲く
ビバーナム・ティヌスは、あじさいのような房状の小さな白い花を上から下まで株いっぱいに咲かせます。春先の庭が花で色とりどりになってくる時期に合わせて満開になるので、他の植物の花色と組み合わせ植えるのも、春の楽しみが増える植栽の方法です。
ピンクのつぼみも魅力
ビーズのようなピンクのつぶつぶが密集して房状につき、株全体を覆うのでとても可愛らしく、花と合わせて二度楽しめます。個人的にはお花が咲いているよりも、この蕾がたくさん木についている様子が可愛らしくて好きです。蕾の時期に切花としても素敵です。
ビバーナム・ティヌスの魅力④ 実
宝石のような青い実
春に房状に咲いた白い花が秋にはたわわな青い実になります。きっと秋のお庭を素敵に演出してくれることでしょう。また花の時期と同様に他の植物との組み合わせを楽しむ植栽にすることができます。
切花としても人気
実のついた枝を数本長めに切って水差しに挿すだけでお部屋の素敵なインテリアにもなります。花器を選ぶのも楽しくなります。蕾、花、実と、とても楽しみの多い樹木なのです。
ビバーナム・ティヌスの育て方
鉢植えでの育て方
地植えで放任すると2メートルほどの大きさになる樹木ですが鉢植えでももちろん育てることができます。小さな鉢よりは少し大きめの鉢で栽培する方が花をや実を楽しむのによいでしょう。購入後は一回り大きな鉢に植え替えをします。土は園芸店で購入できる園芸培養土を使用します。小さな苗のうちはそれほど剪定を必要としません。
地植えでの育て方
自然樹形でまとまる
鉢植えではコンパクトに育ちますが、地植えで放任すると2メートルほどの高さに成長し形よく自然に樹形がまとまります。横幅も成長し2メートルほどになりますので、地植えの場合は十分な広さが必要です。日当たりがいい場所が適していますが、強健なので明るい日陰でも成長します。
生垣としての育て方
刈り込みに強い
地植えでも生垣としての育て方の場合は樹高を調整するため剪定が必要となります。わき芽を残して剪定すれば、必ず芽が伸びてきますので、好きな形に樹形を整えることができます。刈り込みに強いので、かなり強めの剪定をしても枯れこむこともなく元気に新枝を伸ばすので安心です。そのため生垣などでの植え込みに適した樹木と言えます。
ただし花が付かなくなる可能性も
生垣にする場合、長く伸びてくる枝を定期的に整えるために枝の先端をカットするため、花芽を切り落としてしまうことが考えられます。生垣としての体裁を整えるために夏以降に剪定をする場合は翌年の花は諦めましょう。
栽培方法のポイント
- 鉢植えは一回り大きな鉢に植え替える。
- 地植えは放任で2メートルほどに成長するため、場所の確保が必要。
- 生垣の場合刈り込む時期によって花芽を剪定してしまい来期の花が咲かないことも。
出典:写真AC