ヒメオドリコソウ(姫踊子草)とは?
ヒメオドリコソウの特徴
綺麗なグラデーションの葉
ヒメオドリコソウ(姫踊子草)は、シソ科オドリコソウ属の草花です。その特徴は、綺麗なグラデーションカラーの美しい葉と、ピンク色の控えめな花が挙げられます。ヒメオドリコソウを単体で見ると、独特の形と優しい色合いに癒される草花なのですが、こう見えて実は、なかなか厄介な雑草なのです。
極めて繁殖力が高い
ヒメオドリコソウは極めて繁殖力が強く、一度生え出すとあっという間に在来植物を駆逐するので、農家の方々やガーデナーの間では、憎い存在となっている人も少なくありません。開花時期は3〜5月で主に土手や河原に群落を作り、他の雑草に交じるように生えています。
ヒメオドリコソウの蜜は甘い?
ヒメオドリコソウの花をプチっと引き抜いて根元を口にくわえて吸うと、ほんのり甘い味がします。これはヒメオドリコソウの花の蜜の味で、糖度はなんと50度以上もあります。まさかこんな小さな花に、これほどの甘みがあるとは思ってもみないのではないでしょうか。そのせいか、チョウチョウやミツバチにも好まれ、通常のオドリコソウよりも昆虫が集まりやすいです。
糖度50度以上というと、さつまいもの「紅はるか」に匹敵する甘さです!
ヒメオドリコソウの花言葉
ヒメオドリコソウ(姫踊子草)の花言葉は以下のとおりです。
- 快活
- 陽気
- 愛嬌
- 春の幸せ
ヒメオドリコソウとホトケノザの違い
ホトケノザとは?
ホトケノザはシソ科オドリコソウ属の植物で、葉の形が仏様の台座に似ていることからその名がついたといわれています。道端や田んぼのあぜ道、コンクリートの隙間にまでも根を這わすしぶとく頑丈な雑草です。繁殖力の強さなど、ヒメオドリコソウと性質が似ている点も、やはり同じ「シソ科オドリコソウ属」だからといえるのではないでしょうか。
ヒメオドリコソウとホトケノザの違い
ヒメオドリコソウとホトケノザは、ともにシソ科の植物です。それゆえに、遠目からだと見間違いやすい花なのですが、近くで見るとその違いは一目瞭然です。ヒメオドリコソウとホトケノザには以下のような違いがあります。
ヒメオドリコソウ
- ミントのような毛の生えた葉で、草丈が短く、葉と葉の間隔が詰まっている
ホトケノザ
- ハスの花のような広がった形の葉で、草丈が長く、葉と葉の間隔が空いて茎が見える
2つの「違いや区別がつかない!」という人は、上記に挙げたポイントを意識して、もう一度よく目を凝らして見比べてみましょう!
ヒメオドリコソウは食べられる?どんな味?
ヒメオドリコソウはシソ科の植物なので、食べられます。驚く人も少なくはないでしょうが、こんな独特の花姿をしている植物でもかつては食用として親しまれていたのです。そして、今現在でも食用としている地域が存在します。
ヒメオドリコソウは蜜の糖度が50度を越えているのですから、食べたくもなりますね!
ヒメオドリコソウを使ったレシピ3選
ヒメオドリコソウの天ぷら
野草を食べるとき、どんな味付けにしたらよいか迷うのではないでしょうか?そんなときにおすすめの食べ方は「天ぷら」です。ヒメオドリコソウの天ぷらは葉と茎が口にあたるので食感はイマイチですが、意外にも美味しいですよ。ビールのつまみとしてもおすすめです。
ヒメオドリコソウのゴマ味噌和え
ヒメオドリコソウと味噌は相性がよいです。ヒメオドリコソウを摘んだら花ごと茹ででしまいましょう。アクを取り、葉が柔らかくなったタイミングで鍋から出しゴマと味噌で和えます。ヒメオドリコソウ独特の風味とゴマ味噌が絡み合う、絶妙なハーモニーをぜひお楽しみください。
ヒメオドリコソウのハーブティー
ヒメオドリコソウには、腰痛などの痛みを和らげる鎮痛効果があるとされています。野草としての効果を発揮させるには、ハーブティーやお風呂に沈めるのがおすすめです。ヒメオドリコソウ単体で飲むよりは、他のハーブとブレンドしたほうが味も香りもよく、より飲みやすくなりますよ。鎮痛効果が期待されるハーブの代表格でもある、ラベンダーやレモンバームとも相性がよいため、一緒にブレンドすれば相乗効果も望めそうですね。
作り方は、ヒメオドリコソウを天日干しにして、しっかりと乾燥させたあと、お茶パックに詰めれば完成です!
ホトケノザは食べられないので注意!
春の七草としても有名なホトケノザですが、日本のあちこちにはびこっているホトケノザは、実は七草粥のホトケノザとは別の品種です。うっかり食べてしまわないよう注意してください。ホトケノザを食べると最悪の場合、お腹を壊してしまう危険性もあるため、誤って子どもの口に入らないように気をつけましょう。
まとめ
ヒメオドリコソウは見て楽しむだけでなく、食用としても需要のある草花です。増えすぎて邪魔だからといって「除草剤を撒いて枯らしてしまおう!」と行動する前に、まずは「他に有効活用できないか?」と考えてみましょう。なかでもヒメオドリコソウのハーブティーは、花の甘みと香りを楽しめるおすすめの一品なので、ぜひ試してみてくださいね。
出典:筆者撮影