ピンクッションの基本情報
南アフリカが原産でオーストラリアでも栽培されているピンクッションは、高温多湿の日本で育てるのには少々コツが必要です。ピンクッションがどんな植物なのか、まずは基本情報をご紹介します。
ピンクッションの基本情報
原産地 | 南アフリカ沿岸部 |
分類 | ヤマモガシ科リューコスペルマム(レウコスペルマム)属 |
花期 | 4月~6月 |
花の色 | 赤、黄色、オレンジ、ピンクなど |
高さ | 常緑低木 2m~3m |
耐寒 | 半耐寒性 |
ピンクッションの植え方
植え方にはそれほど気を遣うことはありませんが、水はけと風通しのよい場所で育てるのがポイントとなります。植物の栽培にまだあまり慣れていない方は鉢花で育てるのをおすすめします。
植え方・庭植え
ピンクッションは常緑樹なので一年中緑を楽しむことができます。大きく生長しても2m~3m(種類によっては1.5m)程の高さです。個性的な花が特徴のピンクッションは庭のアクセントにもなります。もともとは厳しい環境でも育つ植物ですが乾燥を好むため、水はけがよく、風通しのいい日の当たる場所に植えるとよいでしょう。
ピンクッション鉢花の植え方
はじめてピンクッションを育てるなら、鉢花をおすすめします。高温多湿を嫌い、寒さにもあまり強くはないので場所を移動させながら育てると管理が楽になります。育て方のコツをつかんでから庭に植える方が安心です。
鉢花の植え方・水はけ
水はけに気をつける
ピンクッションは乾燥気味の方がよく育つので水はけのよい土に植えます。水はけが悪いと根腐れを起こすことがあるので注意が必要です。水やりをしたときに土の流出と通気性をよくするため鉢底石を入れましょう。畑土のような重い土に植えるなら「赤玉土」や「鹿沼土」などを混ぜ込んで植えると排水しやすくなります。
苗を植え替えるたびに鉢底石を買わなくても、ネット入り鉢底石なら洗って繰り返し使えるのでとっても便利。鉢の形や大きさにも合わせやすくできています。
鉢花の植え方・肥料
もともとは条件の厳しい乾燥した地域で育つ植物なので、基本的には肥料は必要としません。もし与えるとしたら少なめにしましょう。また、与えすぎると根が傷むことがあるので気をつけましょう。
鉢花の植え方・植え替え
根が窮屈そうに感じたら一回り大きい鉢に植え替えましょう。植え替え時は根に付いている土は崩さずそのまま植えます。土を落としすぎると根を傷つけてしまうことがあり、枯れる原因にもなるので、気をつけるようにします。植え替え時は同じ土は使わず新しい土と交換しましょう。同じ土を使い続けると排水力が衰えて水はけが悪くなります。
ピンクッションの育て方
南アフリカが原産の植物なので日本の湿度の高さや寒さに適さない場合もあります。特に注意しなければいけない育て方のポイントを2つご紹介します。
①湿度に注意
乾燥を好むピンクッションは梅雨の時期から真夏まで気をつけなければいけません。湿度が高いと根腐れやカビが発生しやすくなります。梅雨の時期は雨のあたらない場所に移動させ、なるべく涼しい場所で管理します。日にあたることは問題ないですが西日ばかりあたる場所には置かないようにしましょう。
②耐寒性
ピンクッションは半耐寒性ということになっていますが、寒冷地では土が凍る前に室内に入れる方が無難です。温暖な地域なら戸外でも越冬することもできますが、最低温度が0度を下回るなら室内で管理します。地植えしているものは鉢に植え替えて移動させます。
ピンクッションの管理
乾燥気味に育てた方が元気なピンクッションですが、開花時期は水やりを欠かさないようにしましょう。管理の仕方は少々面倒ですが、植え方や育て方、剪定をきちんとおこなえば綺麗な花を咲かせてくれます。
水やりの管理
花が咲く時期は水の吸い上げが盛んになるので1日1回は忘れずに水やりをしましょう。春と秋は2日~3日に1回程度、土の乾燥具合を見ながらたっぷりと水やりをします。梅雨の時期は湿度が高いので根腐れをおこさないように注意して水を与える必要があります。
開花
栽培している地域にもよりますが、早いものですと3月から咲き始める種類もあります。ピンクッションは花持ちがいいので1ヶ月くらい咲き続けます。産毛に包まれたような蕾も個性的ですが、雄しべが飛び出して花が咲いた姿は名前のとおり、手芸で使う針刺しにマチ針が刺さっているような姿をしています。花の大きさは9~10cmほど。種類によっては葉の形もさまざまで、花から葉まで楽しむことができます。
管理・剪定
花持ちのいいピンクッションをよりいっそう楽しむために、終わった花をなるべく早くカットしましょう。丈夫に育った株なら次から次へと花を咲かせてくれます。花の時期が終わったら翌年の開花準備と株を充実させるため、土から15cmくらいのところを剪定しましょう。株を植え替えたばかりのときは根がまだ落ち着いていないので、剪定するまで10日以上あけてから行うことがポイントです。
次のページからはピンクッションのアレンジ術を紹介するよ!
出典:写真AC