クリトリアとは
クリトリアという名前の植物をご存知でしょうか?6月頃になるとあさがおに似た形の、鮮やかな青い色の花を咲かせる植物です。花の咲く時期は、6月から10月頃になります。インドや東南アジアの暑い国原産の植物のため、暑さにはとても強く、真夏にも元気に咲き続けます。ですが、日本の冬の寒さは苦手としています。
クリトリアの特徴
クリトリアはツル性の植物です。暑さに強いため、真夏でもぐんぐん元気に伸びていきます。草丈は100cm~200cmにもなるため、夏の日差しを遮るグリーンカーテンとしても利用されています。鮮やかな青色の花はクリトリアの特徴の1つでもありますが、他にも紫色の花や、白色の花もあります。
クリトリアの語源
「Clitoria ternatea(クリトリア・テルメテア)」これがクリトリアの学名です。花姿は一見アサガオにも似ていますが、よく見ると大小2つの花びらからできています。この大きい花びらを「旗弁(きべん)」、小さい花びらを「竜骨弁(りゅうこつべん)」といいます。この竜骨弁と呼ばれる小さい花びらが、「女性の性器に似ている」と言われています。これが「クリトリア」の語源となっているのです。
クリトリアの別名
「蝶豆」はご存知ですか?これが、クリトリアの別名になります。「蝶豆なら知っている」という方もいるのではないでしょうか。ではなぜクリトリアが、「蝶豆」と呼ばれるようになったのでしょうか。
蝶豆の由来
クリトリアは英名を「butterfly pea(バタフライピー)」といいます。花の形が大きな蝶に似ていることから、バタフライピーと名付けられました。「バタフライ(蝶)」と「ピー(えんどう豆)」、これを直訳して「蝶豆」と呼ばれるようになりました。
花の活用
タイではクリトリアの花で作った、青い色のハーブティーが飲まれています。味もクセが無く、はちみつなどで甘みを足すととても美味しく飲めます。ジュースやカクテルの色付けに使われたり、染料としても青い花は使われています。
クリトリアの花の効果
クリトリアで作るハーブティーは、美味しいだけでなく、体に良い効果も与えてくれます。なんと!アントシアニンが、ブルーベリーの4倍!!。疲れ目の緩和にと、好んで飲まれています。他にも活性酸素抑制効果があるということで、エイジングケアにも注目されています。
クリトリアの花言葉
特徴的な花の形が語源になっているとお話ししましたが、花言葉もこの特徴的な形が由来しています。女性器に似ていることから、クリトリアの花言葉も生まれました。「小さな恋」これが花言葉です。クリトリアの花と同じく、とても可愛らしい花言葉ですね。
クリトリアの用土の準備
クリトリアは本来なら多年草の植物になります。ですが寒さに弱い為、日本の冬を越すことができません。ですので、日本では一年草の扱いになります。育て方はとても簡単ですので、ガーデニング初心者の方にもお勧めの植物です。
土と肥料の準備
クリトリアの生育に適した気温は20℃以上。5月になり20℃を超えたら、種蒔きの準備を始めましょう。種の準備に入る前に、土と肥料の準備から行ないます。
土の準備
鉢植えで育てる時は、赤玉土6に対して腐葉土4の割合で混ぜ合わせた土を用意します。地植えにする場合は、特に土質にこだわる必要はありません。ただ、水はけが悪い場合には注意です。根腐れを起こさないように、腐葉土を少し混ぜてあげるといいでしょう。
肥料の準備
ゆっくり長く効果がある緩効性(かんこうせい)の肥料を用意しましょう。用意した肥料は、あらかじめ土に混ぜておきます。追肥は6月頃。クリトリアの根元から少し離して粒状の肥料を施します。あまり根元近くに肥料を施してしまうと、肥料の成分によってクリトリアが傷んでしまいます。ここは気をつけてくださいね。
種の準備
種は植える前にカッター等で軽く傷をつけます。種に傷をつけた後は、一晩水に浸けておくと発芽しやすくなります。何故このようにしないといけないのでしょうか。それはクリトリアの種の表面がとても硬く、そのまま植えても発芽し難いからです。種に傷をつける時は、力を入れすぎないように注意してください。
クリトリアの種蒔き
土と種は説明したように準備できましたか?準備ができたら、次は種を蒔いてみましょう。種を蒔く場所は、一日を通して日が当たる所を選んでください。鉢植えにした時も、十分に日が当たる場所に鉢を置いてください。早速、種を蒔いてみましょう。
種を蒔く
種を植える土には、4cmくらいの穴を開けます。人差し指の第二関節くらいまでを、土に挿してみてください。それでだいたい4cmくらいの穴ができます。その穴に2~3粒ずつ種を蒔いてください。蒔いた後、種の上には軽く土をかけるだけにしてください。発芽後は苗を1本だけ残し、あとは間引いてあげましょう。
種蒔きのポイント
種を蒔く時、種と種の間隔は15cmくらいにするのがポイントです。欲張ってたくさんの種を狭い間隔で蒔いてしまうと、水や栄養の取り合いになって大きく育ちません。つるも葉も元気に大きく育てる為、種と種の間隔は十分に開けて蒔いてくださいね。
水やり
種を蒔いたら、たっぷりと水を与えましょう。種蒔き後は、土の表面が乾いたらたっぷりと与えましょう。植木鉢に植えた時は、鉢底から水が出るまで十分に与えてるようにします。真夏は特に土の乾き具合に注意が必要です。乾いてきたなと感じたら、朝の涼しい時間帯に水やりをしましょう。気温が高くなってから水やりをすると苗が弱ってしまいますので、必ず涼しい時間帯に水やりは行なってくださいね。
クリトリアの発芽後の育て方
種を蒔いて1週間くらいで発芽します。つる性のクリトリアには、つるを絡ませる支柱などが必要になります。早めに用意しましょう。つるが縦に横にとぐんぐん伸びるように、摘心もしてあげましょう。摘心のやり方は次に説明します。
摘心のやり方
種蒔きから約半月もすると、草丈が10cmくらいになります。ここで1回目の摘心をしましょう。摘心をしたところから、脇芽が伸びてきます。1回目の摘心から2~3週間後、伸びてきた脇芽をもう一度摘んであげましょう。この摘心をすることで、枝の本数と葉の枚数が増え、大きくつるを伸ばしていきます。摘心のやり方ですが、先端から5cmくらいのところを摘むとうまくできますよ。
支柱・ネットの立て方
つるが伸びてきたら、ネットや支柱を立ててあげましょう。ネットを使うと、グリーンカーテンが楽しめます。植木鉢には、アサガオに使う支柱を使うと便利ですよ。
ネットの立て方のポイント
クリトリアの苗は、風に揺れてしまうようなネットには、つるを絡ませません。ネットが風に揺れないように、強めに張ってください。そして、苗より太陽側にネットは張ります。理由は、つるが太陽に向かって伸びる性質を利用し、ネットにつるを誘導し易くするためです。そして、苗に降り注ぐ太陽の光を、生い茂った葉が遮って土が乾き難くなるためです。
クリトリアの来年の準備
花が咲き終わったら、来年のために種を採りましょう。クリトリアは、マメ科の植物なので花が終ると鞘(さや)ができます。未熟な豆は食用として楽しめます。食用にするなら、きぬさやくらいの大きさの内に収穫しましょう。完熟し、鞘が枯れたら種の出来上がりです。来年のために、種を採っておきましょう。
まとめ
鮮やかな青い花はとても可愛らしく、この花で窓辺にグリーンカーテンを作ったら、きっと素敵なカーテンになりそうですね。花が咲いたら、是非ハーブティーにして楽しんでみてくださいね。鞘もクセがないので、茹でてそのままでも、バター焼きも美味しいですよ。花を見て、食べて、クリトリアを堪能してみましょう。
次のページでは、クリトリアの発芽後の育て方を公開するよ!