ヘレニウム(ヘレニューム)ってどんな花?
ヘレニウム(ヘレニューム)は、アメリカ大陸原産のキク科の植物です。ルドベキアやヒメヒマワリに少し似ていますが、中心の管状花が団子のように盛り上がっていて、独特の趣があります。暑さ寒さに強く、痩せ地でも育つ扱いやすい植物です。
ヘレニウムの基本情報
名前 | ヘレニウム、団子菊 |
学名 | Helenium |
科/属名 | キク科へレニウム属 |
原産地 | アメリカ |
開花時期 | 6月~10月 |
花色 | オレンジ、黄色、赤、複色 |
草丈 | 30cm~120cm |
耐寒性/耐暑性 | どちらも強い |
ヘレニウムの特徴
団子のような管状花
キク科の特徴である、中心部の管状花(筒状花)と、外側の花びらのような舌状花で成り立っています。小花が集まった管状花が団子のような球形に盛り上がっているのが特徴です。外側から咲き始めた管状花の縁取りが、冠のようで鮮やかです。
披針形の葉っぱ
葉は先が細くなる披針形で、縁はギザギザのある種類とない種類があります。
名前の意味・由来
学名はトロイのヘレンに由来
ヘレニウムという名前は、スパルタ王妃でトロイ戦争の引き金になったとされる美女ヘレン(ヘレネ)に由来します。ギリシャ神話・伝説では、ゼウスの娘ということになっていて、美しさゆえに、神々と地上の双方の争いに巻き込まれてしまいます。自分を奪い合う戦争の悲劇を嘆いて流した涙から、生まれた花だと伝えられています。
和名は団子菊
ダンゴギク(団子菊)は、花の中心の盛り上がりがお団子に似ていることからきています。種類によって、ホソバダンゴギク、ヤバネダンゴギクの呼び名が付けられています。
英語名はくしゃみ草
ネイティブアメリカンがこの花を嗅ぎタバコにして、くしゃみで悪霊を追い払う儀式に用いていたことから、「Sneeze weed」(くしゃみ草)と呼ばれています。
ヘレニウムの花言葉
ヘレニウムの花言葉は、「寛容な心」「恋の望み」「上機嫌」、そして「絶望の恋」「涙」です。明るい花色と陽気な花形からきたポジティブな花言葉と、名前の由来となったヘレンの伝説がらみの悲しい花言葉が混在していますね。
ヘレニウムの種類
ヘレニウムはアメリカ大陸に約40種類が分布しています。北アメリカ原産のオータムナーレ種とビゲロビー種を中心に、観賞用の多くの改良品種が作られています。
ヘレニウム・オータムナーレ種
オータムナーレ種(Helenium autumnale)は、アメリカ合衆国やカナダ原産の多年草で、草丈は約1mほどに伸びます。オータムの名前が示すように8月から10月頃に咲きます。やや球形の管状花が特徴で、団子菊とよばれているのは、主にオータムナーレ系の品種です。多くの品種があり、「シエスタ」や「ソンブレロ」などの矮性品種も人気です。
ヘレニウム・シエスタ
ヘレニウム・シエスタ(Helenium autumnale 'Mariachi Siesta')は、シックな赤が魅力的な多年草です。草丈は50cm前後の矮性種で、株が分岐してこんもり繁ります。
ヘレニウム・アマルム種
アマルム種(Helenium autumnale)は、葉が細く、「松葉団子菊」の名があります。ヘレニウムの多くは多年草ですが、アマルム種の原種に近い種類は基本的に一年草です。
ヘレニウム・ダコタゴールド
ダコタゴールド(Helenium amarum 'Dakota Gold')は、草丈約35cmのコンパクトな1年草です。夏の高温にも強く、6月頃から秋まで花を咲かせます。明るい黄の花色と細い葉が特徴です。
ヘレニウム・ビゲロビー種
ビゲロビー種(Helenium bigelovii)の多くは初夏に咲き始めます。「ヤバネ団子菊」「ヤハズ団子」と呼ばれることがあります。草丈60cmほどのコンパクトな「チップトップ」などの品種があります。
ハイブリッド種
他にも、異なった品種を交配させた華やかなハイブリッド種も増えています。早生種の「ヘレニウム・サヒンズアーリーフラワー」(写真)、ジニアに似た「ヘレニウム・ルビーチューズデー」など、多くの園芸品種があります。
ボタニ子
次のページで、ヘレニウムの育て方と増やし方のコツをご紹介します!