タイムの育て方
タイムは特に土質を選ばない育てやすい植物で、春に苗を買って植え付ける育て方が一般的です。収穫は真冬以外はいつでも可能ですが、開花前がもっとも新鮮で香りが高い状態です。
育て方①種まき
種まきの適期は9月~10月です。春蒔きもできますが、開花が一年後になります。種まき用土を湿らせておいたポリポットに数粒ずつ蒔きます。双葉が出てきたら、少しずつ間引きます。2か月ほどで定植できます。
育て方②庭への植え方
庭植えは、日当たりが良く、水はけのいい場所がいいですね。立性は花壇の縁取りに最適です。匍匐性はグランドカバーになり、敷石の間でもよく育ちます。植え方は、根鉢を少しほぐして植え付け、水やりします。緩効性肥料を混ぜておきましょう。
育て方③鉢植え
鉢への植え方も、特に難しくはありません。ハーブ類を寄せ植えしてもよく、育て方に合わせたプランターを選びます。ハンギングポットに植えると、垂れてきて素敵ですね。
- 用土はハーブ用土・野菜培養土、または赤玉土と腐葉土を7:3の割合でブレンドしたものに緩効性肥料を混ぜておく。
- 水はけをよくするために、鉢底ネットと鉢底石(軽石)を敷く。
- 用土を入れ、根鉢を少しほぐして植え付け、たっぷり水を与える。
- 日当たりのいい場所に置く。
鉢植えは、数年に1度植え替える
鉢植えは根詰まりを起こす前に、2~3年に1度植え替えてください。木質化した株もとの茎を整理して植え替えます。
タイムの育て方・管理
水やりは控えめに
鉢植えは、表面が乾いたことを確認してから水やりします。与えすぎると蒸れて枯れることがありますので、気を付けて下さいね。庭植えは、定着したら水やりは必要ありません。何週間も晴天が続いた時のみ、暑い時間を避けて水やりします。
肥料は少量でOK
肥料は植え付け時に元肥を施しておけば、庭植えの追肥は、1年に1度、春先に与える程度で十分です。鉢植えには、2~3か月に一度追肥します。夏と冬は追肥不要です。肥料を与えすぎると枯れることがありますので、注意しましょう。
夏前に刈り込む!
タイムは高温多湿を嫌います。蒸れると枯れることがありますので、夏が来る前に、草丈1/2ほどに刈り込みましょう。
タイムの増やし方
タイムは、株分け、茎伏せ、挿し木で簡単に増やすことができます。
匍匐性は自然に増える
クリーピングタイムなどの匍匐性の種類は、自然に先に伸びて根を出し、増えていきます。別のところにも植えたい場合は、一部を掘り上げてそのまま移植します。
増やし方①株分け
タイムの最も簡単な増やし方は株分けです。庭植えは株を掘り上げて、いくつかに分けます。鉢植えの場合は、植え替えの時に株分けするといいでしょう。株元に枯れた茎があれば取り除きます。長く伸びた太い根も端をカットして大丈夫です。株分けの適期は3月~5月、9月~11月です。
増やし方②茎伏せ(簡単な挿し木)
もう一つの簡単な増やし方は、茎伏せです。「茎伏せ」は挿し木の一種で、親株から切り離さずに茎の一部を地に付けて発根させる方法です。立性の種類もできます。
- 長めの茎(枝)を1本、横に倒して途中を土に埋める。
- 先の方は地上に出しておく。
- 埋めた茎が浮き上がらないようにU字の針金を差して止めるか、石などを置いておく。
- 発根して活着したら親株から切り離し、鉢上げするか、別の場所に植え替える。
水やりの必要はありません。刈り込み前の3月~5月頃が適期です。鉢植えの場合は、土を入れた別の鉢を準備し、そこに茎を伏せて発根させるといいでしょう。上の写真は根が十分に出てきた状態です。親株と切り離して植え替えできます。
挿し木に似てるけど、「取り木」の一種とも言えますね。茎に傷を付けずにできます!
増やし方③挿し木
タイムは、通常の挿し木で増やすこともできます。
挿し木の方法
- 木質化していない茎を10cmに切っておく。
- 下半分の葉を落として挿し穂にする。
- 湿らせた赤玉土に挿し穂を挿し、発根までは日陰に置いて管理する。
- 根が活着したら、鉢上げ(植え替え)する。
タイムを使ったレシピ
フレッシュタイムのお茶レシピ
フレッシュタイムのお茶、2杯分の作り方
- タイムの量は手のひらに軽く乗る程度(参照写真は直径15cmのカップソーサー)。
- よく洗っておく。
- ポットにタイムを入れ、お湯320ccを注いで3~5分ほど蒸らす。
- カップに注ぎ、甘みは蜂蜜などを加える。
タイムには抗菌作用があり、のどの痛みを和らげ咳を抑える効果や去痰作用もありますので、お茶にするのがいいですね。あくまで日々の予防的なものにとどめ、症状のひどい時は病院に行って下さいね。また、妊娠・授乳中の方や高血圧気味の人は、使用をお控え下さい。
タイム風味キュウリピクルスのレシピ
材料
- キュウリ:3本、塩:少々
- 酢:200cc、水:100cc、砂糖:50g
- タイム:4~5本、ローリエ:1枚、鷹の爪:1本
- キュウリを塩もみし、食べやすい大きさに切り、重しをして水分を抜く。
- 鍋に水、タイム、ローリエを入れて沸騰させる。
- 砂糖を加え、火を止める。
- 少し冷まして酢を加える。
- 保存容器にキュウリと鷹の爪、鍋のピクルス液を入れる。
1日漬ければ食べることができます。※上の写真はイメージとしてお借りしたもので、タイム風味とは限りません。
まとめ
タイムは育てやすいハーブですが、木質化した内部の枝が夏の蒸し暑さで弱って枯れることがあります。増やし方が簡単ですので、株分けや挿し木で増やしておくといいですね。庭植えの場合も、増やした苗を鉢植えで育てておけば、弱った株と植え替えることができます。
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出典:写真AC