綿花の栽培方法【病害虫対策】
苗立枯病
苗立枯病の初期の症状は「生育不良」です。さらに進行すると葉が黄色く変色し、株全体が立枯れの状態になります。最終的には株の根元も褐色に変色し、茎が腐って枯死してしまいます。
原因
苗立枯病の原因は土中の糸状菌(しじょうきん)です。カビの一種で、多湿状態を好みます。日本の環境下ではほとんど一年中生育しますが、特に春になると繁殖が活発になるのが特徴です。雨が降ると花壇やプランター全体に広がるほか、種にも付くことがあります。カビの付着に気付かずに新しい株を育ててしまうと、苗立枯病が再発するケースも少なくありません。
対策
糸状菌は水はけの悪い、粘土質の土壌を好みます。酸性土壌も繁殖を助長するため、苦土石灰や消石灰で土壌を改良しましょう。また、連作も糸状菌の発生原因です。庭植えで育てる場合は、毎年場所を移しましょう。発病した株は症状を見つけ次第、根のまわりの土ごと取り除いて焼却します。
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ハマキムシ
ハマキムシは蛾の幼虫です。細い糸を吐き、くるくると葉を丸めた葉の中に隠れる習性がハマキ(葉巻き)ムシという名前の由来です。幼虫によって、葉につぼみ、芽、果実などにる食害が起こります。食害がひどくなると、植物が十分な光合成を行えなくなり、弱ったり枯れてしまったりします。
対策
ハマキムシの被害は、真冬を除いた4月~11月に発生します。綿花の栽培時期にちょうど重なっており、特に開花の始まる7月ごろから被害が多くなります。丸まった葉の中に幼虫を見つけたら、すぐに被害葉ごと摘み取ってください。薬剤はオルトラン水和剤や、スミチオン乳剤などが効果的です。スミチオン乳剤を使う場合は、葉の中にいる虫に向けてたっぷりと散布しましょう。
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ハダニ
ハダニはクモの仲間です。体長が非常に小さいため、初期段階では肉眼で見つけづらく、また群れを作るため被害が大きくなりがちです。コットンフラワーの葉から栄養を吸収して株を弱らせるため、被害にあうと葉緑素が抜けて白っぽくなります。
対策
ハダニは3月~10月の、気温が高く乾燥した時期に発生しやすい害虫です。クモのように糸を出して、別の植物へ移動します。ハダニがついた株を見つけたらすぐに、ほかのプランターや鉢から隔離しましょう。花壇の場合はまわりの土ごと掘り上げてください。葉の裏側や葉が重なっている部分など、見つけづらいところに卵や幼虫がいることもあります。根気強い駆除が、ハダニ対策では重要です。
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綿花の育て方のコツ
育て方のコツ①用土・肥料の調整
綿花は水はけのよい、砂質の土壌を好みます。風通し・日当たりのよさとあわせて、水はけもよくなるように調整しましょう。肥料が多すぎる用土は、枝ばかりが伸びてつぼみが落ちたり、病害虫が発生したりする原因になります。多肥には注意してくださいね。また、酸性土壌を嫌うため、種まきをする前に苦土石灰や消石灰を加えて土を中和しましょう。
育て方のコツ②水やりの調整
綿花は発芽してから1カ月~1カ月半の間、苗がほとんど成長しないのが特徴です。ただし地中では根がぐんぐん育っており、この時期に多湿状態が続くと根腐れや立枯病の原因になります。梅雨明けまでは水やりを控えめにしましょう。夏に入ると地上部も成長がさかんになるため、水分も多く必要です。開花中に水切れをさせないことが、秋に大きなコットンボールを収穫するコツですよ。
綿花(コットンフラワー)を自家栽培して楽しもう!
綿花は育て方のポイントを押さえれば、ガーデニング初心者でも比較的簡単に収穫が可能です。温度や水分量に注意して、きれいな花と実を育てましょう。自家栽培した株にふわふわの綿花がついたときには、達成感もひとしおですね。ドライフラワーにしてリースやスワッグの花材としたり、ほかの生花と一緒に飾ったりと、いろいろな鑑賞方法をしてみましょう。
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出典:写真AC