ジャスミンの鉢植えでの育て方
苗を植える
水はけのよさが重要になるので、鉢底にはしっりと石を敷きつめましょう。土は鉢の8分目まで入れ、苗木を植えます。つるすタイプの鉢植えは見た目がかわいいですが、つる性の植物は地面に置くタイプの鉢の方が管理がしやすいです。春と秋は日当たりのいい場所に移し、夏場は半日陰に移動させましょう。冬季は室内に入れます。
室内栽培
寒さに弱く日の光を浴びるのが好きなジャスミンは、冬季は室内の日当たりのよい場所で栽培します。他にも梅雨時期は雨の当たりすぎで枯れてしまうので、軒下や室内に移動させるといいでしょう。夏場も屋外に半日陰の場所がなければ室内に移動させ、レースのカーテンなどから漏れる柔らかな光の中で栽培する方が、枯れずに元気に育ってくれます。
植え替え
しっかりと根を張り育つので植え替えをしてやる必要があります。根が鉢底から出てくるようになれば植え替え時期です。この時期になると鉢の中は根でいっぱいになるのでそのままにしておくと根腐れを起こし、枯れる原因になります。また、根が傷つきやすいので、土は落とさず軽くほぐすだけにして植え替えます。
剪定
鉢植えの場合は樹形をコンパクトに保つために、特にしっかりと剪定する必要があります。開花期が過ぎれば毎年、不必要なつるをばっさりと剪定してしまいましょう。切りすぎても枯れることはありませんので、主要なつる以外は大胆に剪定してください。
次のページから、ジャスミンの増やし方を見ていきましょう。
ジャスミンの増やし方
ジャスミンにはどんな増やし方があるのか知っていますか?実は、一般的な増やし方である挿し木での増やし方と、あまりメジャーではない採取した種をまく2種類の増やし方があります。両方の増やし方と方法を順にみていきましょう。
挿し木での増やし方
①枝を選ぶ
挿し木での増やし方をするなら、まず伸びてきたばかりの若い枝より、しっかりと育った太く丈夫な枝を選びましょう。ただし古い枝は根を張りにくいので、今年伸びた枝から挿し木用の枝を選びます。
②枝を切り取る
挿し木用の枝は、3節ていどの長さで切り取ります。ちなみに1節とは枝につけた葉から葉までのことを言います。挿し木用の枝を切り取るさいは、節の下約1cmほどをカッターで斜めに切り取りましょう。切り取った枝は60分ほど水に浸しておきます。
③赤土にさす
赤土を入れた鉢に水に浸した枝をさします。しっかりと根元の土を手で押して固めてたっぷりと水やりをしましょう。根が張るまでは半日陰に置き、土の表面が乾けば水やりをし挿し木をつくります。この作業は開花期が過ぎた時期に行います。
種からの増やし方
ジャスミンは花の後に剪定するからあまり実がなりません。なので、種はほとんど採取できず、基本的には挿し木での増やし方をします。もし運よくジャスミンに実がなったら種を採取してまいてみましょう。
①種の採取
種を採取した場合は、採取した種を土にまきます。種まきを行う時期は、冬が過ぎて温かくなった時期の4月ごろと寒くなる前の10月ごろが目安です。
②種まき
育苗ポットや小さめの鉢などに培養土を入れ、種をパラパラとまき、土を優しくかぶせます。日当たりと水枯れに気を付け、欠かさず水やりをしましょう。
③発芽後
発芽後も日当たりのいい場所に置き、水やりを欠かさず行います。苗が大きく育ってきても管理の方法は同じです。暑い夏や寒い冬には室内栽培に切り替えましょう。次の春が来れば、大きい鉢に植え替えるか植え付けを行いましょう。
ジャスミンの病害虫対策方法
ジャスミンは病気になりにくい植物なので、苗のころも挿し木をするときも、開花の時期さえも日当たりと水やりさえ気を付ければ枯れるようなことにはなりません。でも冬以外の時期には害虫がよってくるので、しっかりと対策しましょう。
害虫対策の方法
ハダニやアブラムシ、カイガラムシが好んで寄ってきます。大量に発生してしまうと駆除が困難になり葉全体が枯れてしまうこともあるので、こまめに点検し駆除しましょう。アブラムシとハダニは薬剤散布で対策できますが、カイガラムシは薬が効きにくい害虫ですので、見つけ次第ブラシで掃き落としましょう。
ジャスミンの利用の方法
ボタニ子
昔から見て楽しむだけじゃなく、ハーブとしても利用されてきました。どんな利用法があるのか見てみましょう。
香りを利用する
ジャスミンの香りは心身をリラックスさせる効果があります。開花期には花を摘んで玄関先や、寝室、トイレなどに置いて香りを存分に楽しみましょう。乾燥させてポプリにするのもおすすめです。
お茶にする
お茶にして飲むと月経痛の緩和や咳の緩和によいとされています。またホルモンバランスを整えるとも言われるので、香りを楽しみながら心と体を整えましょう。
毒性について
ボタニ子
ジャスミンに毒性があるといわれているのは、本当の話でしょうか?
毒性があると言われるのは、カロライナジャスミンです。一般的なジャスミンがモクセイ科なのに対し、こちらはマチン科の植物で、根、花、つる、葉の全草に毒性を持っています。花の蜜にも毒性があるので、お子様がいる家庭では特に注意が必要です。花が黄色いので見分けがつきます。
まとめ
難易度が高く思われがちなジャスミンですが、育てる方法は意外と簡単で、挿し木で簡単に増やしていけるのも魅力です。その香りは私たちに様々な良い効果をもたらしてくれますので、ぜひ地植えや鉢植えで栽培して、利用してみてください。
- 1
- 2
出典:写真AC