エリカとは
エリカは細かい花が寄せ集まって咲くことが特徴の、可憐で気品のあると人気の花です。ヒースという別名で知っている方も多いのではないでしょうか。世界中には数百種というエリカの種類があり、花の形や色はバラエティに富んでいます。日本で見られるエリカの種類も多く、鉢植えで流通するコンパクトなものから、1mくらいになるものまで、広く楽しまれています。
エリカの基本情報
名称 | エリカ(学名:Erica) |
別名 | ヒース |
分類 | ツツジ科/ツツジ目 |
原産 | 南アフリカ・ヨーロッパ |
開花時期 | 11~6月頃(種類によって異なる) |
花色 | ピンク、白、紫、赤、オレンジ、黃など |
エリカの花言葉は?
エリカには日本はもとより、世界中に実に多くの花言葉があることが特徴です。しかも、それらの花言葉はポジティブなものからネガティブなものまで多様で、色別、種類別にも異なった花言葉が複雑に存在します。エリカの花言葉の全体像と、色別、種類別に特化した花言葉をご紹介します。
エリカのよく使われる花言葉
ポジティブな花言葉 | 幸福な愛 良い言葉 幸運 |
どちらともいえない花言葉 | 博愛 謙遜 無欲さ 休息 |
ネガティブな花言葉 | 孤独 裏切り 寂しさ |
まずは、よく使われているエリカ総体の花言葉をイメージ別に表にまとめてみました。この中で気になってしまうのは「孤独」「裏切り」「寂しさ」といったネガティブな花言葉ではないでしょうか。これらはできれば見たくない花言葉ですが、贈花の時に注意が必要で、気になるがゆえに逆にエリカを指す花言葉としてポピュラーになってしまった感もあります。
プラスの意味の花言葉
エリカのポジティプな意味の花言葉は「幸福な愛」「良い言葉」「幸運」などが一般的です。エリカの可憐で高貴で小さな宝石が輝くような見た目にぴったりです。これらの花言葉を聞くと心が温かくなりますし、明るい気持ちで鑑賞したり育てたりできますね。
マイナスの意味の花言葉
一方でエリカには「孤独」「裏切り」「寂しさ」といった花言葉があり、実はこちらのネガティブな花言葉が有名な花でもあります。これらの花言葉が生まれた背景には、ヨーロッパで、エリカの別名のヒースが厳しく寂しい環境の荒野に生える植物の代名詞となっていることに由来するようです。文学や映画の中に、寂しく荒涼とした土地にヒースが生える風景がよく登場しています。
エリカの色別の花言葉
花言葉が多いエリカですが、色別の花言葉として特別に定着しているものがあります。色別につけられている花言葉で特に有名なものは白と紫についてですが、白いエリカにも紫のエリカにもネガティブな意味は付与されていないので安心できます。
白のエリカの花言葉:幸福な愛
エリカの白い花に特化した花言葉は「幸福な愛」です。可憐でやさしい白色のイメージそのままですね。白い花をつけるエリカの種類は多く、ピンクの花がポピュラーなジャノメエリカにも白色の花がありますし、スズランエリカ、ホワイトデライトといった品種は、まさに白色がメジャーです。
紫のエリカの花言葉:閑静
エリカの紫の花に特化した花言葉は「閑静」になります。高貴な色とされる紫色には、色自体に物静かな気品がありますね。紫色もさまざまで、濃い紫色のエリカを見かけることは少ない気もしますが、ジャノメエリカには薄紫の花色がありますし、ピンクっぽい紫や赤紫の花色のエリカもよく流通しています。
エリカの種類別の花言葉
エリカはとても品種が多いことをご紹介しましたが、ポジティブな花言葉とネガティブな花言葉の両方をもっている品種もあり、種類に特化した固有の花言葉を持っているものもあります。庭や園芸店でよく目にするエリカの種類と花言葉をいくつかピックアップしてご紹介します。
ジャノメエリカ
ジャノメエリカの花言葉は総合的
- エリカの花言葉のポジティブなもの・ネガティブなものを網羅している
ジャノメエリカは日本で最も一般的に見られるエリカの品種です。ジャノメという名前の由来は、小花の中からのぞいている特徴的な黒い葯(やく:花粉が入った袋)が蛇の目に見えることに由来しています。古く大正時代には伝来していたので、栽培の歴史が長いことから、先にご紹介したエリカ総体の良いイメージ、悪いイメージの花言葉を、ともに併せもっているようです。
クリスマスパレード
クリスマスパレードに特化した花言葉
- 幸運
- 心地よい
クリスマスパレードは筒状に長いユニークな花が特徴の比較的新しい改良種で、ジャノメエリカ同様に人気があります。名前の由来は元気に並んで直立する楽しげな花の様子がクリスマスのパレードに似ていることで、クリスマスの時期に出荷されます。クリスマスパレードに特化した花言葉は「幸運」「心地よい」です。明るい気持ちになれる雰囲気の花ですね。
スズランエリカ
スズランエリカに特化した花言葉
- 幸福な愛
- 幸福
スズランエリカの名前はスズランのような丸みのある花の形に由来しています。樹高は低めで、可憐で清楚な花を密集させる姿がかわいらしく、寒さに強い冬向けの人気品種です。スズランエリカに特化した花言葉は「幸福な愛」「幸福」になります。輝くような純白の花がポジティブな花言葉を象徴していますね。「幸福な愛」は色別の白の花言葉と同じです。
エリカの開花時期
日本にあるエリカの品種はほとんどが南アフリカ原産の改良種で、開花時期は秋から春(11~6月頃)です。一般的に蒸し暑い日本の夏は苦手なのでこのような開花時期になっており、逆に冬に強い品種も多いのが特徴です。色鮮やかで輝くような花をつけたエリカを見られる時期は長いといえます。
開花時期は種類により異なる
エリカの開花時期は種類別や管理方法によって異なります。また、出荷に合わせ促成栽培されているものもあります。先にご紹介したジャノメエリカ、クリスマスパレード、スズランエリカなどは一般に冬から春に開花します。春から初夏に咲く種類もあるので、育てる際には開花時期の異なるいろいろな種類のエリカを集めれば、可憐で多様なエリカの花を次々に楽しめます。
まとめ
エリカの花言葉を中心に見てきましたが、ご紹介した花言葉の分類は複雑で、出典によって異なる場合もあります。白いスズランエリカならポジティブな意味ですが、全体のネガティブな花言葉も有名なので、プレゼントする際には少し注意が必要ですね。ともあれ、可憐で高貴で気品のあるエリカの花は、見ているだけで心を明るくさせてくれます。エリカのさまざまな品種を比べてみるのも楽しそうです。
出典:写真AC