連作できる野菜
水田などの特殊な環境を除き、連作できる野菜とはどのようなものなのでしょうか。いくつかの野菜は先述した連作年限が非常に短期であるために、同じ場所で10年作り続けても連作障害を起こさないものもあります。そのような意味合いで「連作障害のない野菜・連作できる野菜」といえるものを、以下に一覧でご紹介します。
連作障害のない野菜・連作できる野菜一覧
- カボチャ(ウリ科)
- ズッキーニ(ウリ科)
- ユウガオ(ウリ科)
- タマネギ(ネギ科)
- ネギ(ネギ科)
- ニンジン(セリ科)
- パセリ(セリ科)
- アスパラガス(キジカクシ科)
- トウモロコシ(イネ科)
- ダイコン(アブラナ科)
- コマツナ(アブラナ科)
接ぎ木を使用した連作障害のない野菜苗も
病原菌や病害虫に強い耐性を持つ品種を根に持つように接ぎ木する方法は古くから用いられてきました。近年のめざましい育苗技術の発達によって、このような技術を用いた連作障害に強い品種が日々開発されています。輪作を行うほど広いスペースが確保できない家庭菜園や、プランター菜園などではこういった苗の利用は有効な連作障害防止手段と言えるでしょう。
連作に弱い野菜
連作障害のない野菜をチェックしたところで、連作に弱い野菜を確認しておきましょう。野菜の種類をうまく組み合わせて輪作して栽培すれば、連作障害は防止できます。そのためにも前の年、何をどこに植えたのかをメモしておくといいでしょう。
①ナス科
夏野菜の多くがナス科であると覚えておくとよいでしょう。代表格であるトマト、ナス、ピーマンはすべてナス科の植物です。また、収穫の時期は違いますがじゃがいもも、ナス科の仲間になります。いずれも家庭菜園で人気の野菜です。毎年植える方も多いでしょうが、輪作や土壌改良など対策をとるようにしましょう。
連作障害を起こすナス科の野菜(連作年限数)
- トマト(1~3年)
- ナス(1~5年)
- じゃがいも(1~3年)
- トウガラシ(1~3年)
- ピーマン(1~3年)
②ウリ科
家庭菜園で、人気の野菜が多いウリ科も連作に弱いものが多くなります。キュウリ、カボチャ、ゴーヤ、ズッキーニ、スイカもすべてウリ科の作物です。特にスイカの連作年限は長く、一度作った場所は5年は休ませるようにしましょう。ゴーヤは比較的短い連作年限で済みます。先述したように、カボチャとズッキーニは連作障害のない野菜となります。
連作障害を起こすウリ科の野菜(連作年限数)
- キュウリ(1~2年)
- ゴーヤ(1年)
- スイカ(1~5年)
③マメ科
ナス科、ウリ科に続き、マメ科の作物も連作障害を起こしやすい野菜を持ちます。中でもそら豆、いんげん豆、枝豆などは連作障害を起こしやすいですので適切な対策が必要となります。そら豆はこの中では連作年限が長く、3年は開けるようにする必要があります。
連作障害を起こすマメ科の野菜(連作年限数)
- そら豆(1~3年)
- いんげん豆(1~2年)
- 枝豆(1~2年)
④アブラナ科
キャベツやコマツナ、カブなど、こちらも家庭菜園ではよく作る野菜たちですが、これらはすべてアブラナ科の野菜です。アブラナ科で連作に弱いものはキャベツ、ハクサイ、カリフラワーなどがあげられます。この中ではカリフラワーが連作年限が長いものとなります。
連作障害を起こすアブラナ科の野菜(連作年限)
- キャベツ(1~2年)
- ハクサイ(1~3年)
- カリフラワー(1~4年)
まとめ
土壌中の微生物、微量元素のバランスが崩れることによって起こりやすくなる「連作障害」の意味についてご紹介しました。連作障害を防止するには土壌改良を行い、そのバランスを整えてやること、そして連作障害を起こしにくいもの、起こしやすいものを把握してうまく輪作することがポイントです。輪作を行いづらい家庭菜園など限られたスペースでは土壌改良とコンパニオンプランツの利用がおすすめです。自然の力をうまく生かして楽しい家庭菜園を楽しみましょう。
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