米とは
日本人にとってはあまりに身近な存在、コメは日本人の食卓と元気を密かにサポートしてくれる心強い穀物です。トウモロコシ、コムギとともに世界3大穀物として世界中で食べられています。そんなコメがもつ美容と健康に役立つ利用法をご紹介していきましょう。
稲の基本情報
植物名 | イネ(稲、稻、禾) |
科名 | イネ科 Poaceae |
属名 | イネ属 Oryza |
学名 | Oryza sativa |
英名 | Rice |
和名 | イネ(アジアイネ) |
稲の種類
日本で一般的に流通しているのはアジアイネの2系統の1つジャポニカ種、丸い粒で炊飯後の粘りが強いことが特徴です。タイ、インド料理などで使われる細長い種類はインディカ種で、加熱すると粘りが少なくパラパラになります。耐冷性ではジャポニカ種がインディカ種に勝ります。
生産地
世界的にみると生産量はインディカ種がジャポニカ種を上回り、最大の生産国は中国、インド、インドネシアと続きます。9割近くのコメがアジア圏の国々で生産、消費されています。日本ではコメの生産は重要度の高い作物ですが、1984年をピークに年々生産額は減少し続けています。
種類
日本人が日常的に食べるジャポニカ種のコメは性質によって2種に分類されます。加熱すると強い粘りが現れ、餅の原料になる糯米(もちごめ)と日常的に食用とする粳米(うるちまい、うるごめ)です。糯米(もちごめ)を粉に加工すると白玉粉、粳米(うるちまい)は上新粉となります。
その他の便利な米
白米についた糠(ぬか)の粉を取り去り、洗米する必要がない状態に精米したものを無洗米と呼びます。洗米による栄養の流出がなく、節水にもつながりますが、価格的には通常の白米より高くなります。早炊き米は、コメを加熱し細胞壁を破壊することでデンプンを糊化させ、表面にひび割れを作って乾燥させたものでより短時間で炊きあがります。
古代米
秋の実りの時期になると話題になる田んぼアートは、有色米と呼ばれる色のついたコメによってできています。黒米、赤米、緑米などをまとめて有色米と呼んでいます。有色米は野生種に近く、古代から栽培されて、古代の野生種の性質を引き継ぐため古代米とも呼ばれます。
古代米の栄養素
赤、黒、緑色などの古代米にはそれぞれ異なる栄養素が含まれます。米ぬかの部分が赤い赤米にはタンニン、黒い黒米には紫がかった色素アントシアニンが含まれるので、一般的に食べるコメにはない栄養素が摂取できます。
状態による名称
英語でコメはライス、植物も米粒も炊きあがったご飯もすべてライスと表します。しかし、日本では植物は稲、果実は米、炊飯後は飯と呼び方が変化します。日本人の生活に米が深く根付いていることがわかりますね。
精製による名称
厚い外皮である籾殻を脱穀して取り除き、糠層を残したコメは玄米、胚芽を残して糠層を取り除けば胚芽米、すべて削り取り胚乳のみの状態に精製すれば白米、削り取った表層を米ぬかと、精製状態や部位によってさまざまに名前がついています。
次のページでは、米の美容と健康成分、美容効果と利用法について解説します。