ハンゴンソウとは?山菜としての特徴・見分け方から食べ方まで解説!

ハンゴンソウとは?山菜としての特徴・見分け方から食べ方まで解説!

ハンゴンソウという植物をご存知ですか?山地の湿った林緑に自生する多年草で、7~9月にかけて黄色い花を咲かせ人々を魅了します。しかも花を愛でるだけではなく、山菜として食べられる優れものなのです!そんなハンゴンソウについて、特徴や見分け方、食べ方などを紹介します。

記事の目次

  1. 1.ハンゴンソウとは
  2. 2.ハンゴンソウの山菜としての特徴
  3. 3.ハンゴンソウの食べ方
  4. 4.まとめ

ハンゴンソウとは

ハンゴンソウは、山地の湿ったところに自生し、特に沢や湿原のほとりなどでは群生しています。茎はまっすぐ直立し、高さ2mくらいの大型になります。葉っぱをちぎってみると、春菊やヨモギの苦味臭のような独特の香りがあります。名前のよく似ているオオハンゴンソウという植物がありますが、こちらは北アメリカ原産のとても厄介な外来植物です。ハンゴンソウは在来種ですのでご注意ください。

和名 ハンゴンソウ(反魂草)
学名 Senecio cannabifolius
分類 キク科 キオン属
花期 7〜9月

ハンゴンソウの特徴

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出典:無料イラスト素材集「イラストイメージ」

葉っぱの形がとても特徴的でまるでハロウィンのゴーストのようです。ハンゴンソウの葉は互生しており、鳥の羽根のような形で、3〜7枚に深く裂けています。またハンゴンソウの茎は赤紫色をしていてとても鮮やかです。

ハンゴウソウの漢字「反魂草」の由来

ハンゴンソウは「反魂草」と漢字で書き、その由来は諸説あります。ここでは一般的な二つの説をご紹介しましょう。一つ目は葉っぱの深く切れ込むように裂けた形が「手招きしている手」を連想させ、「死者の魂を呼び戻す草」として名付けられたという説です。二つ目は下痢止めの薬効を持つことから「魂が呼び戻される草」として名付けられたという説です。

ハンゴンソウの花

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7〜9月に2cmほどの黄色い小さな花が多数、枝先に咲きます。例えば、霧で視界不良のなか登山道を進み、パッと視界が開けると辺り一面にハンゴンソウが群生しているのです。まばゆいばかりの黄色いお花が咲いている姿は、疲れた登山客の癒しとなることでしょう。花言葉は「正義」です。

ハンゴンソウの山菜としての特徴

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人の背丈ほど大きく成長するハンゴンソウを山菜としていただくには「葉っぱが完全に開かない春の若芽の時に採取する」ことが必要です。葉先だけではなく根本からすべて採取し、残すところなく美味しくいただけます。ハンゴンソウは一か所に群生するので、若芽の採取もとてもラクです。

ハンゴンソウの採れるところ

本州の中部より北の地域と北海道に分布しています。特に長野県や東北地方の山岳地帯に多く見られます。

ハンゴンソウの山菜としての見分け方

山菜として採取する場合は、非常に有毒な『ハシリドコロ』に似ているので、とても注意が必要です。見分け方のポイントとして「葉っぱの形」「匂い」があります。くれぐれもお間違いのないように、細心の注意をお払いください。

◆見分け方のポイント
 

  ハシリドコロ ハンゴンソウ
葉っぱの形 楕円状の卵のような形 鳥の羽根のような形で、3〜7枚に深く裂けている
香り 無臭 ウドのような苦味のある匂い

ハンゴンソウの食べ方

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ハンゴンソウの「茎の部分」は、見た目も色鮮やかでとても綺麗です!ウドに似た香りもあるので、煮びたしや酢味噌和えにして食べるととても美味しいです。少しかたい「葉先の部分」はサクッとした天ぷらにして食べると美味ですし、柔らかい「葉の部分」は佃煮にすれば、酒の肴として美味しく食べることができます。※下処理をせず天ぷらにした場合、使用した揚げ油は使い回しができませんのでご注意ください。

ハンゴンソウの下処理

ハンゴンソウはアクが強いので、アク抜きの下処理をしないと食中毒のような症状が出てしまいます。ご注意ください。ハンゴンソウを食べるときは、アクを抜くために一度塩を加えて茹で、皮むきをします。その後で水にさらし、さらに水をかえて一晩さらします。水出しすると下処理が完了し、食べることができます。

ハンゴンソウを使ったレシピ①お浸し

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~ハンゴンソウの「春の香り」を活かすため、素材も味付けもシンプルなレシピにしてみました!~

【材料】
 ・下処理をしたハンゴンソウ(茎の部分)
 ・白だし
 ・かつおぶし(お好みで)
【作り方】
 食べやすい長さに切ったハンゴンソウに適量の白だしをかけるだけです!
 お好みでかつおぶしをかけても美味しいですよ。

【食べた感想】
 フキのようなお味と山菜特有のあの爽やかな苦旨みが格別です。このレシピは箸が止まりません。

ハンゴンソウを使ったレシピ②ごま油炒め

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~山菜は油との相性が良いので「茎の部分」を使った炒め物のレシピはいかがでしょうか?~

【材料】 
 ・下処理をしたハンゴンソウ(茎の部分)
 ・油揚げ
 ・めんつゆ
 ・ごま油
【作り方】
 食べやすい長さに切ったハンゴンソウと短冊切りにした油揚げをごま油で炒め、適量のめんつゆで味付けするだけです。

【食べた感想】
 油で炒めることで独特の苦みがやわらぎ、ウドのようなシャキシャキとした食感がクセになります!

まとめ

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いかがでしたか?ハンゴンソウは山地に自生する高山植物です。普段の生活ではなかなかお目にかかれないですが、夏のスキー場や沢沿いのトレッキングなどで見つけることができるでしょう。山菜としては「知る人ぞ知る」植物なので、群生している若芽を競争相手なく採取できるのもうれしいところですね。興味のある方はぜひ「ハンゴンソウ採り」に出かけてみてはいかがでしょうか?

nagomi@0303
ライター

nagomi@0303

葉っぱ好きな「野菜のソムリエ」です

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