雑草とは?
雑草とは、道端などで見かける草のことです。ときには、庭に這うように生えていることもあります。一括りに雑草と呼ばれていますが、雑草という名前の植物はありません。雑草も園芸種に負けないくらい美しい花を咲かせ、興味深い姿をしています。よく見かける雑草にも、きちんと名前があるのです。
雑草の種類<オオバコ科>
オオバコ科の雑草は、道端や草原などに生えます。オオバコ科を代表する雑草はオオバコですが、近年ではゴマノハグサ科の植物がオオバコ科に再分類され、分類が変わった科でもあります。
オオバコ
学名 | Plantago asiatica |
分類 | オオバコ科オオバコ属 |
種類 | 多年草 |
開花時期 | 4月~9月 |
オオバコはどこにでも生える雑草です。葉がすべて根出葉であり、地面に対して放射線状に広がるのが特徴です。オオバコは、葉の真ん中から茎を伸ばし花穂をつけ、春~秋に風媒花の花を咲かせます。それ以外の茎は、すべて地面に埋まっているのも特徴です。
オオバコの見分け方
ボタニ子
画像のオオバコは、花茎が長いですが最初の写真と同じオオバコです。同じ植物なのにここまで大きさが違うのは生えている環境が影響しているのです。
オオバコは踏みつけに強いため、人が立ち入るようなところでも普通に生えています。人が立ち入る場所では背丈が短くなり、人が立ち入らない場所では背丈が高くなるのです。
オオイヌノフグリ
学名 | Veronica persica |
分類 | オオバコ科クワガタソウ属 |
種類 | 越年草 |
開花時期 | 3月~5月 |
オオイヌノフグリは青色の花を持つ多年草です。分類はオオバコと同じオオバコ科ですか、クワガタソウ科として紹介されることもあります。オオイヌノフグリは秋に芽を出し、道端に横に這うように広がっていきます。花は春に咲きますが、花が終わると枯れてしまい、夏は種で過ごしているのです。
オオイヌノフグリの見分け方
上の画像は、タチイヌノフグリというオオイヌノフグリによく似た植物です。オオイヌノフグリは這うようにして横に広がるのが特徴で、タチイヌフグリは地面に対して垂直に伸びていきます。
雑草の種類<アブラナ科>
アブラナ科は、庭や道端などに生えている雑草です。アブラナ科といえば、菜の花や野菜のダイコンやキャベツなどがありますが、野菜だけではなく雑草も存在しています。種類も多く、川沿いに生えていることもある分類です。
ナズナ
学名 | Capsella bursa-pastoris |
分類 | アブラナ科ナズナ属 |
種類 | 越年草 |
開花時期 | 3月~7月 |
ナズナは、春の七草でも知られる雑草です。道端に生え、春に白い花をつけ、越冬するので背の低いうちから花をつけます。ナズナの特徴は、三角の果実であり、この果実の形がしゃみせんのバチに似ていることから「ぺんぺん草」「三味線草」という別名が生まれました。
ナズナの見分け方
上の画像はマメグンバイナズナというナズナによく似た植物です。マメグンバイナズナは、ナズナに似た植物ですが果実の部分が三角ではなく、丸くなるのが特徴です。
オオアラセイトウ
学名 | Orychophragmus violaceus |
分類 | アブラナ科オオアラセイトウ属 |
種類 | 越年草 |
開花時期 | 3月~5月 |
オオアラセイトウは、中国原産の外来種です。庭や庭の周りに野生化して生えていることが多いです。花は、総状花序で薄紫色の花弁を咲かせます。オオアラセイトウの花弁は、咲き始めこそは薄紫色ですが、日数がたつにつれて白色になるのが特徴がです。
オオアラセイトウの見分け方
オオアラセイトウは全体的に毛が生えていません。オオアラセイトウに似ている植物にアラセイトウがあります。アラセイトウは毛が多い植物で、毛の量で見分けられます。
雑草の種類<マメ科>
マメ科の植物は、つる性のものが多いです。マメ科の雑草はフェンスに巻き付いていたり、地面を這うように伸びていたりします。マメ科の特徴は花と果実にあり、果実はマメの形をしています。
ムラサキツメクサ
学名 | Trifolium pratense |
分類 | マメ科シャジクソウ属 |
種類 | 多年草 |
開花時期 | 5月~8月 |
ムラサキツメクサは、シロツメクサと同じ種類の雑草です。葉が3小葉からなり、V字型の斑紋が入ります。花は、マメ科特有の蝶形花で、小さい1つの花が多数集まって球体状の花序をつくるのが特徴です。ヨーロッパ原産の帰化植物であり、現在は日本全国で帰化しています。
ムラサキツメクサの見分け方
ムラサキツメクサは、葉が楕円形です。そのことから、丸い葉を持つシロツメクサとは見分けられます。またムラサキツメクサはまれに白い花を咲かせます。白い花を咲かせるものは、シロバナムラサキツメクサで知られていますが、葉は同じ形です。
シロツメクサ
学名 | Trifolium repens |
分類 | マメ科シャジクソウ属 |
種類 | 多年草 |
開花時期 | 4月~7月 |
シロツメクサはマメ科でムラサキツメクサと同じ種類です。葉は3小葉で、まれに四葉以上になります。シロツメクサの葉にはムラサキツメクサと同じような白い斑紋がはいります。シロツメクサの特徴は、茎が地を這うようにして伸びることです。
シロツメクサの見分け方
シロツメクサの葉は、ムラサキツメクサの葉とは違い丸い形をしています。この葉の形は、四葉になっても変わらないので、ムラサキツメクサとは花の色・葉の形などで見分けられます。
クズ
学名 | Pueraria lobata subsp. lobaata |
分類 | マメ科クズ属 |
種類 | 多年草 |
開花時期 | 8月~9月 |
クズは、どこにでも見られる雑草でくず粉の材料になります。つる性のため、地面を這うように伸びていたり、フェンスや電線にまで巻き付いたりしています。地面を這うように伸びているつるも、巻き付けるものがあれば巻き付き、10m以上伸びていくこともある強靭な雑草です。
クズの見分け方
クズは大型の草本であり、特徴的な3出複葉なのでほかの植物を見間違えることはほとんどありません。葉の形は変化がありますが、3出複葉なのは変わりません。
ボタニ子
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出典:筆者撮影