スカシユリの育て方!水やり・肥料などの管理方法から増やし方まで!

スカシユリの育て方!水やり・肥料などの管理方法から増やし方まで!

スカシユリは1600年代の日本で、エゾスカシユリとイワトユリの交配によって育成されました。「アジアティックハイブリッド系」園芸品種の原種です。育て方がやさしく、素朴な趣があるため人気の高い品種です。ここではスカシユリの育て方を見ていきます。

記事の目次

  1. 1.スカシユリとは?
  2. 2.スカシユリの育て方
  3. 3.スカシユリの植え替え
  4. 4.スカシユリの増やし方
  5. 5.まとめ

スカシユリとは?

出典:写真AC

スカシユリは本州の中部から北部で、海岸や砂浜、低い山の崖に生える多年草草木です。茎は直立し高さ30cmくらい、葉は少しかたまるように互生し質感は肉厚で光沢があります。6月~7月頃に茎の先に花を2~3上向きにつけます。園芸品種が多く花色も多彩です。花色は、白、ピンク、黄、バイカラーなどがあります。

スカシユリの名前の由来

耐寒性は強く、耐暑性にやや弱さがあるのが特徴です。花びらは、上が広く、下がやや細くすぼまっていて、各片の間にすき間ができます。それで「向こうが透けて見える」ため、スカシユリと名付けられたとされています。

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現在、世界中で流通しているユリには二つの大きな系統があります。日本のスカシユリを始まりとする「アジアティックハイブリッド系」と、日本から、あのシーボルトがヨーロッパに持ち帰った球根が原点となった「オリエンタルハイブリッド系」です。どちらも「日本のユリ」が深く大きく関わっています。

日本のユリの原種は海岸の野生種

海岸の野生種をハマユリまたはイワユリといい、園芸品種よりも茎葉ともに短く、茎の先に2~3の黄赤色の花をつけます。欧米の園芸家がこよなく愛し、世界中に流通した日本のユリの原種です。

スカシユリの育て方

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ユリの栽培や交配の歴史は古く、江戸時代初期から盛んに行われてきました。欧米では日本から輸入したユリを使い100年以上前から様々な交配種が生みだされています。そんなユリのなかでも丈夫で育てやすいのがスカシユリです。ここでは、スカシユリの育て方や植え方のポイントを見ていきます。

育て方のポイント

出典:写真AC

日当たりと風通し

スカシユリは日光が大好きです。日当たりのよい場所を選んで管理しますが、地面が高温になりすぎると傷んでしまうので、風通しも大切です。

水やりと肥料

スカシユリの水やりは、地植えの場合、球根を植えた直後にたっぷり与えれば、よほど日照りが続かない限り必要ありません。鉢植えは土が乾いたらこまめに与えてください。特に夏場は乾燥させないような管理が必要です。ただ、スカシユリは過失に弱いので、土の表面がまだ湿っているときは水やりを控えてください。スカシユリの肥料は、地植えの場合は植え付け時に、緩効性の化成肥料を1㎡当たり100gほど混ぜて植えつけます。鉢植えは、植え付け時に緩効性の化成肥料を施し、発芽後に追肥としてもう一度化成肥料を与えます。

発芽後・開花後の育て方

発芽後に注意してほしいのが「晩霜」です。晩霜しそうな夜は、芽の上に新聞紙や重くないビニールシートをかけて保護してください。開花後の管理で重要なのは、花が終わったら、なるべく早く摘み取ることです。そうしないと株が種を作ろうとして栄養をまわしてしまうので、来年の花が咲きにくくなります。

スカシユリの病気

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スカシユリは病気にかかりにくい植物ですが、注意したい病気が二つあります。まず、カビが引き起こす「葉枯れ病」です。この病気は梅雨時期に風通しの悪い場所で発生します。園芸用の殺菌剤で予防してください。もう一つがユリ科植物の大敵である「モザイク病」です。4月~10月に発生するウイルス性の病気です。花びらにまだら模様や濃淡があらわれてきます。

スカシユリにつきやすい害虫

スカシユリにつきやすい害虫はアブラムシとネダニです。アブラムシは食害だけでなくモザイク病も媒介する害虫です。オルトランなどの薬剤を株元に撒いて予防し、それでもアブラムシがついてしまったらモスビラン液剤などで駆除します。ネダニは球根や茎に群生して食害する害虫です。同時に腐敗病菌を伝播します。園芸用のマラソン乳剤などで駆除してください。

植え方のポイント

スカシユリの植え方で一番重要なポイントは、植える深さです。ユリの仲間は、球根の下と上部から伸びる茎の途中から根が生えます。この茎の途中から生える根が主力となる根なので、この根を充実させるため必ず深植えしてください。この植え方をすることで、翌年の生長に違いがあらわれてきます。

植え付け時期

スカシユリの植え付けの時期は、地温が発根に適した10~15℃になる10~11月です。地温が下がりすぎると、発根量が減り、翌年の株が小さくなってしまいます。植えつける時期のタイミングを逃さないことが肝心です。

土質・用土について

スカシユリの連作は避けましょう。3年に1回は掘り返して別の場所に植えてください。鉢植えは毎年か、2年に1回は植え替えします。スカシユリは土質を選びませんが、腐葉土を使うと根の張り方に勢いがでます。鉢植えに使う用土としては、赤玉6:腐葉土3:川砂1を混ぜた用土か、市販のユリ専用土で植え付けします。

地植えするとき

出典:写真AC

スカシユリは球根の上部からでる茎の途中からも根が発生しますので、地植えの場合、球根を植える深さは球根の2倍の深さで、間隔は球根の直径の約3倍で植えます。これくらいの間隔があると3年くらいは植えっぱなしでも大丈夫です。天候によっては、植え付けから1ヵ月くらいは乾燥しないように気をつけてください。

鉢植えするとき

鉢植えの場合は、18~21cm鉢で3球とします。球根1個分以上の深さで植え、上根の張るスペースをつくります。植えた後、表土に上根用元肥を施し、軽く土をかぶせます。球根を横にして植えてしまうと発芽や草丈の生長が遅れてしまうので注意してください。鉢植えの場合は特に乾燥に気をつけ、必要ならば冬でも水を与えてください。

スカシユリの植え替え

出典:写真AC

スカシユリの球根は、花や葉が枯れてしまう10月~11月頃に、茎を地際から切り落として掘り上げます。本来、球根植物などは掘りあげたあとに乾燥をさせますが、ユリの仲間は乾燥を防ぐための表皮がありませんので、掘りあげたら早めに新しい土へ植え替える必要があります。ただ、掘りあげた球根には球根腐敗病などの病気がついていることがあるので、必ず消毒します。

球根の消毒方法

まず、球根をよく水で洗い、茎ごと上根を切り取ります。下根は切らずにそのままにします。次に、ベンレートやオーソサイドなどの消毒液を規定の薄さに希釈して、そこに球根を30分間浸けます。とり出したら、風通しのよい日陰でしばらく乾かして、すぐに植えつけます。

スカシユリの増やし方

出典:写真AC

スカシユリをはじめ、ユリの仲間の増やし方で一般的なものは、球根の分球です。ユリの球根には皮がありません。そこだけ注意すれば比較的簡単な増やし方です。分球繁殖は、ユリの植え替え時期に行うと球根を乾燥させずにすみます。何かの理由で植え替えと同時にできない場合は以下の方法を参考にしてください。

球根の掘りあげ方の手順

  • 葉が黄色く枯れた状態のスカシユリの球根を、傷めないように掘り起こします。
  • 球根の上部で茎を切り取り、球根についた土を落とします。下根はそのままです。
  • 分けられるだけ肥えた球根を、手でとりわけ分球します。ハサミは使いません。

スカシユリには乾燥から身を守る皮がないので、乾燥させないように注意します。空気穴を開けたポリ袋に、軽く湿らせたバーミキュライトやピートモスなどを入れ、それに球根を埋めるような感じで保存します。同じような形で鉢に埋めておくのもよいでしょう。いずれにしろ、球根が乾ききらないよう適期内に植えることが必須です。

まとめ

出典:写真AC

生花店やガーデンショップで見るユリは輸入物が多いので、素朴で可憐なスカシユリに出会うことは案外少ないかもしれません。ただ、私たちの先人がその魅力を伝承し、世界中で愛されるユリの原型となったスカシユリの球根を、探してでも育てて楽しむことはとても素敵なことですね。

佐藤主計
ライター

佐藤主計

植物と暮らして、心にやさしさを育てましょう。

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