育て方のポイント②植え付け・植え替え
センテッドゼラニウムは、苗で植え付けるのが一般的です。適期は4月~5月、9月~10月と年に2回あります。鉢植えの場合は、5号鉢に1株を目安に植え付けましょう。水はけのよい環境を好むので、鉢の底に鉢底石を敷き、水はけのよい用土を使って植え付けます。地植えの場合は、植え付ける1週間前に腐葉土を混ぜて水はけをよくし、さらに元肥として緩効性肥料を混ぜ込んでおきましょう。
センテッドゼラニウムはややアルカリ性の土壌を好むので、酸性が強い場合は、苦土石灰で中和させておくと生育がよくなります。
土・用土
水はけのよい用土が最適
水はけがよくて適度に水もちし、ややアルカリ性の用土を好みます。鉢植えの場合は市販の草花用培養土に、牛糞堆肥を1割ほど混ぜればOKです。地植えの場合は、植え付ける2週間ほど前に、用土に苦土石灰を混ぜ込んで中和させます。その後腐葉土や堆肥を混ぜ込んで、水はけのよい用土を作りましょう。
植え替え
植え替えの周期は1年に1回
センテッドゼラニウムは生育旺盛なので、鉢植えの場合はすぐに根詰まりを起こします。1年に1回のペースで植え替えましょう。適期は植え付け時と同じ4月~5月、9月~10月の年2回です。根鉢を軽く解して傷んだ根は剪定鋏で切り落とし、新しい鉢と用土を使って植え替えます。地植えの場合は、植え替える必要はありません。
育て方のポイント③水やり
南アフリカを原産とするセンテッドゼラニウムは、乾燥に強い植物です。その一方で、多湿には弱く根腐れを起こしやすいので、水のやり過ぎに注意しましょう。地植えの場合は基本的に必要ありません。日照りが続いたときなど、用土がカラカラに乾いた場合にだけ水やりしましょう。鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたときに、たっぷりと水やりするのが基本です。
育て方のポイント④肥料
植え付ける前に用土に元肥として、緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。その後追肥として4月~11月上旬の間、液体肥料を1週間~2週間に1回のペースで水やりの代わりに与える、あるいは緩効性化成肥料を2カ月~3カ月に1回置き肥すればOKです。センテッドゼラニウムは、肥料が多過ぎると軟弱な株に育ってしまいます。肥料の与え過ぎには注意しましょう。
育て方のポイント⑤剪定
センテッドゼラニウムの主な剪定作業は、花がら摘みと切り戻しの2つです。花がら摘みは、花房の花が咲き終わったら、花茎を付け根の部分から折り取ります。切り戻しは風通しをよくして、株が蒸れてしまうのを防ぐために行う剪定作業です。7月~8月に行います。草丈の約半分くらいの高さにまで切り戻せばOKです。この時期に剪定をしなかった場合は、9月~10月に行いましょう。
枯れた花は放置していると養分の浪費や病気や害虫発生の原因になってしまうから、花がら摘みは迅速に行おうね。
切り戻し作業も株が蒸れるのを防ぐだけでなく、病気や害虫予防に有効です。丁寧に行ってくださいね。
育て方のポイント⑥病気・害虫対策
病気の心配はほとんどありません。害虫はアブラムシやオンシツコナジラミに注意が必要です。どちらも葉や茎につき、吸汁して株を弱らせてしまいます。しかもこれらの害虫の排泄物は、すす病などの病気の原因になる可能性が高いです。発見次第、薬剤を散布して駆除しましょう。剪定して通気性をよくすることも、病気や害虫の予防につながります。
育て方のポイント⑦夏越し・冬越しの管理方法
夏越しのための管理方法
センテッドゼラニウムは、多湿な環境が苦手です。梅雨の時期に入ったら、鉢植えの場合は雨に当たらないように、軒下などに移動させておきましょう。地植えの場合は、根腐れしないように高植えにするなど、水はけのよい環境を整えておきます。花が終わったら切り戻しておくと、株が蒸れて傷んだり、病気や害虫が発生したりするといった被害を抑えられますよ。
冬越しのための管理方法
センテッドゼラニウムは耐寒性が低いので、基本的には鉢植えにして室内で管理するか、防寒対策を取ることになります。ただし、センテッドゼラニウムの耐寒性は品種によって違います。ローズゼラニウムやアップルゼラニウムなどは、比較的耐寒性がある品種です。これらは関東以西の暖地なら、地植えでの冬越しすることもできます。しかし霜に当たると枯れてしまうので、霜除け対策をしておきましょう。
センテッドゼラニウムの増やし方
基本的な増やし方は挿し木
植物の増やし方には、挿し木や株分け、種まきなどいろんな方法があります。センテッドゼラニウムの増やし方は、挿し木を用いるのが一般的です。4月~6月、もしくは9月~11月に行います。剪定などで切り取った茎を利用するとよいでしょう。
- 充実している茎を切り落とし、10cm~15cmほどの長さに調整し、下葉を除去して挿し穂にする。その後、日陰で1日ほど乾燥させる。
- 清潔な川砂、もしくは赤玉土(小粒)などの挿し木用の土に挿す。その後は明るい日陰で乾燥しないように水やりして管理し、発根を待つ。順調なら2週間~4週間で発根する。
土に挿す前に挿し穂を乾燥させるのは、切り口から雑菌が入って挿し穂が枯れるのを防ぐためです。
まとめ
センテッドゼラニウムは、素朴で可憐な花姿と心地よい香りで、見る人を楽しませるだけではなく、料理やお菓子、アロマとさまざまな場面で活躍してくれる素晴らしい草花です。ぜひ好みの香りを持つ品種をお庭で育てて、ライフスタイルのランクアップにお役立てくださいね。
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地植えの場合、土壌が酸性だったら、植え付ける2週間前に苦土石灰を混ぜ込んでおいてね。