パンノキとは?
「パンの木」とも呼ばれるパンノキは、日本ではあまり耳にすることのない植物かもしれません。知名度がそれほど高くないパンノキですが、実は沖縄では街路樹として一般的です。
パンノキの基本情報
分類 | 樹木(常緑高木) |
学名 | Artocarpus altilis |
科名 | クワ科 |
属名 | パンノキ属 |
樹高 | 約15m |
原産 | ポリオネシア |
パンノキは和名
パンノキは日本での名称で、英名ではブレッドフルーツといいます。原産が熱帯地域のポリネシアということもあり、あたたかい気候を好みます。そのため、一年中あたたかい地域での栽培が一般的な樹木です。葉の一枚一枚が大きく形も美しいことや、常緑植物で落ち葉も少ないため、街路樹に最適といえます。
沖縄の街路樹
名前や画像を見てみても、いまいちピンとこない方も多いかもしれません。しかし、亜熱帯の気候の沖縄では街路樹として植えられている樹木です。沖縄に住んでいる方はもちろんのこと、沖縄に旅行へ行ったことがある方も気付いていないだけで、実は見たことがある可能性も十分に考えられます。
ハワイにおけるパンノキ
ハワイでも街路樹として植えられていることが多く、ハワイでは「ウルの木」という名前が一般的です。日本でも、ハワイをモチーフにしたデザインが使用されている商品は数多く存在しますが、特徴的な葉っぱのイラストが使われているのを見たことがあるかもしれません。この葉っぱは、パンノキの葉をイメージされているものです。
ボタニ子
ハワイアンキルトのモチーフとしても知られているね!
パンノキがブレッドフルーツと呼ばれる理由
木になる果物がパンに似ているため
「ブレッド」は、英語でパンという意味です。パンの実とも呼ばれるパンノキの果実は果物に分類されていますが、同じく木になる果物のバナナのようにそのまま生で食べることはできません。パンノキの実は、火を通して食べます。火を通してから食べたときの歯ごたえがパンに似ていることから、ブレッドフルーツと呼ばれるようになったといわれています。
パンノキの実の特徴
パンノキの実の特徴①見た目
食感はパンに似ているとはいえ、見た目は食べ物のパンとはかけ離れています。パンノキの実は、丸みをおびてぶつぶつとした皮に覆われ、形状は楕円形です。大きさや形は、南国のフルーツとして印象が強い「ドリアン」や「ヤシの実」に似ています。
パンノキの実の特徴②味
パンノキの果実は、基本的に火をして食べます。ハワイなどでは昔から料理に使われており、ハワイのレストランに行くとメニューに含まれていることも多いです。パンのような香ばしい味を想像されがちですが、サツマイモの風味に似ているものの味は淡泊です。
パンノキの実の特徴③栄養
パンノキが身近である現地の人たちにとって、パンノキの実は昔から高栄養な食べ物として知られています。糖類や食物繊維を豊富に含み、高カロリーです。ビタミンやミネラルも含有されており、成人男性がエネルギー補給するのに十分だといわれています。
ボタニ子
原産地では主食のように扱われることもあるの。
パンノキの実の特徴④食べ方
熟す前のパンノキの実は黄緑色ですが、キウイの皮のように茶色に変わってきたころが食べごろです。ハワイや現地では、素材の味や食感を活かしたような調理の仕方で食べられています。蒸し焼きにしたり、カレーのような煮込み料理や、ケーキやチップスにしたりするなど幅広く利用されています。
パンノキはどこで買える?
パンノキは通販で買うのが一般的
観葉植物やギフトに用いられる
近年、パンノキは観葉植物として人気を集めています。しかし、生花店やホームセンターなどの実店舗に並ぶことは稀で、ごく一部でしか販売されていません。ネット通販では室内に飾る観葉植物やギフト用として売られていることがあります。
ボタニ子
育てる際には、温度管理が重要だよ!品薄の商品だから、フェイクグリーンの購入も一案。
パンノキの実もぜひ味わおう!
パンノキは、樹高が高く葉がきれいなことなどから、ハワイや沖縄のような熱帯・亜熱帯地域の街路樹として利用されています。また、果実は古くから栄養豊富な食材として親しまれてきました。日本ではパンノキの実は気軽に食べられるものではありませんが、ハワイなどの地域を訪れた際は、ぜひ珍しい果実を味わってみましょう。
出典:写真AC