ハクサンボク(白山木)とは?花言葉や育て方をご紹介!匂いが特徴的?

ハクサンボク(白山木)とは?花言葉や育て方をご紹介!匂いが特徴的?

ハクサンボク(白山木)は日本固有の常緑樹で、純白の小花と真っ赤な実が特徴です。丈夫で育てやすいので、シンボルツリーや生け垣にも人気があります。ハクサンボクの花言葉や育て方について見ていきましょう。独特の匂いがあることも、ほかの木と見分けるポイントのひとつです。

記事の目次

  1. 1.ハクサンボク(白山木)とは
  2. 2.ハクサンボクの特徴と花言葉
  3. 3.ハクサンボクの育て方
  4. 4.まとめ

ハクサンボク(白山木)とは

ハクサンボク(白山木)は山口県や愛知県、九州地方などの暖かい土地に分布する、日本固有の常緑樹です。石川県白山が原産地であると考えられたことからハクサンボクの名前がつきましたが、実際にはもっと温暖な地を好みます。伊勢神宮をはじめ、関西地方では庭木としても人気のある低木です。

名前 ハクサンボク(白山木)
別名 イヌデマリ(犬手鞠)、ヤマテラシ(山照らし)、イセビ
科属名 レンプクソウ科ガマズミ属
原産地 日本固有種 愛知県、山口県、九州地方など
開花の時期 4月~5月
花の色 白色
特徴 特有の匂いがある、常緑だが紅葉する

花と枝のようす

枝の先にたくさんの小さな花が集まって咲きます。花の色は白色で、花弁は5枚です。別名にあるとおり、鞠のように丸い形に咲くようすがかわいらしいです。枝は適度な弾力があり扱いやすいことから、木の釘や生け花の材料としても使われています。花・枝ともに、乾燥すると独特の匂いを放ちます。

葉のようす

葉はたまご型をしていて、幅が広いことが特徴です。アオキやヤツデに似てつやつやと光沢があり、遠目から見ても美しいため花期以外も人気があります。この「葉の光沢」という特徴から、まるで山を照らしているようだということで「ヤマテラシ(山照らし)」の別名を持ちます。常緑樹ですが秋口から紅葉が見られることもめずらしい点です。

実のようす

10月ごろ、丸い実が真っ赤に熟します。水分を多く含んでいて、中心に種がひとつ入っている「核果」です。鳥は好んで食べますが、人間には酸っぱいため生では食べられません。ホワイトリカーに漬けてリキュールにすると、苦味と酸味がアクセントになった大人の味を楽しめます。

ボタニ子

ボタニ子

白くて小さな花がたくさん枝先についていて、とってもかわいいね!

ボタ爺

ボタ爺

見た目の美しさのほかにも、いろいろとおもしろい特徴があるんじゃよ。

ハクサンボクの特徴と花言葉

キンモクセイやツバキのような庭木に比べればあまり馴染みのないハクサンボクですが、その性質はなかなか個性的です。もっとも特徴的な「独特の匂い」という点を中心に、ハクサンボクについて見ていきましょう。

独特の匂いがある

ハクサンボクの特徴のひとつに、独特の匂いを放つという点があります。花や葉、枝の断面などが乾燥すると、青臭いような、すりつぶした若草のような、表現しがたい匂いがします。「悪臭である」という意見がある一方、「懐かしい匂いで好き」という意見もあります。育てるときに不安であれば、園芸店で匂いを確かめてから購入すると安心ですね。

シンボルツリーに最適

独特の匂いはあるものの、ハクサンボクは庭や玄関の雰囲気を決める「シンボルツリー」に向いている木でもあります。可憐な小花は白くさわやかな雰囲気で、赤い実もとてもかわいらしく目を引きます。艶のある葉が同じころから紅葉をはじめ、少しずつ色が変わってゆくのも魅力的です。季節によって異なる色彩を見せてくれるので、1年を通して楽しめますよ。

生け垣としても活躍

ハクサンボクは防火や防風にも長けているので、シンボルツリーのほか生け垣としても活用されています。つやつやと光っているような緑色の葉や、景色をパッと明るくする真っ白な花を楽しみながら防火・防風ができるのは魅力的ですね。

ハクサンボクの花言葉

ハクサンボクは「忠実」という花言葉を持っています。由来についてはさだかではありませんが、純白の花がにじませる清楚な雰囲気や、たくさんの小花がまとまって咲くようすからイメージされるけなげさは、「まごころを持ってつとめる」という意味の「忠実」という花言葉にぴったりです。控えめな花を見るたびに、穏やかな気持ちになれそうですね。

ボタニ子

ボタニ子

次のページではハクサンボクの育て方について解説するよ!

ボタ爺

ボタ爺

ハクサンボクは丈夫で育てやすいので、初心者にもおすすめの庭木じゃぞ。

ハクサンボクの育て方

初心者にも育てやすい庭木です。暖かな環境で、日光と水をたっぷり与えて育てましょう。すくすく成長しますが樹形は自然と整うので、剪定もあまり必要ありません。紅葉を楽しんだあと、冬のさみしい時期にも赤い実が残るので、庭の雰囲気を明るくしてくれますよ。

育て方①栽培環境

本来は寒さに弱い木ですが、温暖化の影響で栽培できる地域は増えてきています。日光が好きなので、日当たりのよい場所に植えましょう。半日陰程度であれば問題なく育ちますが、花付きや成長のよさに影響するので、なるべく日に当ててあげます。成長すると大きくなるので、広いスペースを確保しましょう。

育て方②植え付け

植え付けのタイミングは春が適期です。水はけのよい環境を好むので、有機物を含んだ腐葉土や堆肥などで整えた用土を使いましょう。市販されている樹木用の土でも問題ありません。小さく管理したい場合は鉢植えでも育てられますが、庭植えでのびのびと育てる方が適しています。

育て方③水やり

庭植えの場合、基本的には水やりは自然に降る雨に任せて大丈夫です。鉢植えも、土の表面が乾いてきたら水やりをするという一般的な方法で問題ありません。乾燥には比較的強いのであまり神経質になる必要はありませんが、乾燥すると花や葉から独特の匂いが出てきます。快適な観賞のためという意味では、乾燥にも気を配った方がよいでしょう。

育て方④肥料

ハクサンボクは肥料も好みます。花の時期がひと段落して、枝が伸びてくる5月ごろ、緩効性の肥料を与えると育ちがよくなるでしょう。冬にも同じように、寒肥として緩効性肥料を施します。粒状の肥料をやるときは、株のまわりにパラパラとまけばOKです。

育て方⑤剪定

実施するのであれば冬が適期です。頑丈なので、剪定した箇所からも元気に花芽を伸ばします。しかし剪定を行わなくても自然と樹形が整うので、伸びすぎたり傷んだりした枝を落とす程度で十分です。間引いて風通しをよくしておくことで、アブラムシやカイガラムシの発生を予防できます。

育て方⑥病気・害虫

病気や害虫にも強い性質ですが、カイガラムシやアブラムシがつくことがあります。放置していると枝や葉が傷み、枯れてしまう可能性もありますので、見つけ次第すぐに駆除しましょう。剪定によって風通しをよくしたり、殺虫剤をまいたりすることも効果的です。

育て方⑦増やし方

ハクサンボクは、種まきと挿し木の2種類の方法で増やすことが可能です。挿し木の方が早く育ちますので、まずは挿し木から挑戦してみるとよいでしょう。手順について、順番に紹介します。

種まき

11月ごろ、赤く熟した実を採取します。中から種を取り出して、形や大きさから苗木を育てるのに適した種を選びましょう。発芽させたあとは徐々に大きな器へと移しながら、丁寧に管理を続けます。

挿し木

種まきよりも簡単な方法として、挿し木による増やし方があります。挿し枝にするのはその年に伸びてきた枝です。枝先から15cmほどの長さで切り取って、30分程度水を吸わせます。そのあと挿し木用の用土に挿し、根付くのを待ちましょう。タイミングとしては、枝の成長が活発な6月ごろがおすすめです。

まとめ

常緑樹でありながら紅葉も楽しめる魅力的な庭木、ハクサンボクについてご紹介しました。独特の匂いを持っているものの樹形も花も清楚な雰囲気で、丈夫で育てやすいのでお庭や玄関のシンボルツリーとしても最適です。光沢のある葉と真っ赤な実とのコントラストは、愛好家も多い美しさですよ。

おもち
ライター

おもち

幼少期、母とふたりでつくった小さな花壇が宝物でした。季節の移り変わりを色とりどりの花で知るのがとても好きです。

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