ボリジってどんな植物?
ボリジの基本情報
別名 | スターフラワー、ルリジサ、ルリジシャ |
分類 | 一年草:ムラサキ科ルリヂシャ属 |
原産地 | ヨーロッパ |
草丈 | 30~100cm |
開花期:花の色 | 4月~7月:青、白 |
耐寒暑性 | 耐暑性:やや弱い 耐寒性:強い |
スターフラワーと呼ばれるハーブ
ボリジは別名スターフラワーと呼ばれるハーブです。その名の通り、少しうつむき気味に咲いた特徴的な花は小さな星のようで、それとは対照的なごついイメージの葉と茎との取り合わせが印象的です。ボリジ全体は細かい毛に覆われていて、密生した花やつぼみの辺りは霞がかったような幻想的な雰囲気を醸し出しています。
強健な性質のボリジ
ボリジは耐寒性に優れ、日の当たる場所、肥料、お水が大好きな健康優良児のようなハーブです。真夏の暑さと蒸れは苦手ですが、こぼれ種からぐんぐん成長していきますので、むずかしい管理も必要としません。初心者向きのハーブといえるでしょう。こぼれ種から秋に発芽した場合は、ロゼットの状態で冬越しをします。
ボリジの花
うつむいた小さな花
ボリジの開花時期は春から夏にかけてと長く、長期間に渡って咲き続けてくれます。細かい毛に覆われたつぼみはピンク色です。花は一日で終わってしまいますが、たくさんのつぼみが順々に青い花へと開花して行くようすは、夏の暑い季節に清涼感を与えてくれることでしょう。
ボリジの葉と茎
トライコームと呼ばれる産毛
花弁以外にボリジを覆っている細かい毛はトライコームと呼ばれるもので、その役割は主に、植物を害虫による食害から守ること、乾燥や紫外線から植物を守ることといわれています。ちくちくとした感触は棘ほど鋭くはありませんが、直に触ってみると独特のざらついた感じがお分かりになるでしょう。
中は空洞の茎
がっしりと太く、一見頑丈そうに見えるボリジの茎ですが、実は茎の中は空洞なんです。ですから大きくなりすぎた場合や、風の強くあたる場所では支柱を立ててあげるとよいでしょう。花が咲き終わった主茎を切り取ると、脇の枝から花が咲いてきます。
ボリジの種類
定番の青い花
マドンナ・ブルーと呼ばれる青
ボリジの定番の青花が【マドンナ・ブルー】と呼ばれるのは、聖母マリアの纏っている衣がこの色で描かれたことに由来しています。こういった面からも、古くからボリジが大切にされ、人々との生活に密接に関わってきたことが分かりますね。
ボタニ子
なるほど~言われてみれば神秘的な青よね~
白花の【アルバ】
英国のホワイトガーデンにて
日本ではあまり見かけることのない白花のボリジですが、イギリスのシシングハースト・キャッスルガーデンでは欠かすことのできない存在です。白花と銀葉のみで構成されたホワイトガーデンの中で、霞のような産毛に包まれ、小さな白い花をつけたボリジは名脇役として庭園に咲き誇っていることでしょう。
ボタニ子
ガーデナー憧れのホワイトイングリッシュガーデンよね
ボリジの利用方法
ハーブとしての薬効
さまざまな効能
ボリジのハーブとしての主な効能には、抗うつ作用、鎮痛、抗炎症作用、発汗、解熱、利尿作用がうたわれています。風邪の時にはうってつけのハーブといえますね。ただ有効成分に優れたボリジにはピロリジンアルカロイドという肝毒性のある成分も含まれています。長期間の使用や大量摂取するのは控えたほうがよいでしょう。
若葉をサラダに
葉はきゅうりに似た風味
トライコームに覆われて大きく育った葉は、残念ながら食用には向いていません。サラダなどで食べるのならば小さな若葉を使用するとよいでしょう。軽く茹でるとさらに食べやすくなりますよ。風味はきゅうりに似た感じです。
花はエディブルフラワーとして
星形の花は料理のアクセントに
蜜源植物でもあるボリジの花は、中央に蜜があるため、そのまま食べると蜜の甘みと花弁の酸味が感じられます。また洒落た食べ方としては、砂糖漬けにして青い星形の花をスイーツの飾りにするのもよいでしょう。お茶に浮かべて楽しむのもおすすめです。
種はオイルとして
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ボリジオイルは美肌作りに効果あり!
ハーブとしてのボリジを生活に取り入れるのならば、オイルの状態で使用するのが最も簡単でしょう。ガンマリノレン酸を多く含むボリジオイルは、美肌効果やしわの予防など、主にフェイシャルマッサージやボディトリートメントなどに使われています。
ボタニ子
ボリジの活用方法は下記でもご紹介しています。ぜひご一読ください。
コンパニオンプランツとしてのボリジ
虫除けの効果
ボリジにはコンパニオンプランツとしての側面もあります。花は蜜が豊富なことからミツバチが集まり、それによって受粉を助けてもらったり害虫駆除の恩恵を受けることができます。ボリジと相性の良い植物としてはイチゴ、トマトなどがあげられます。
ボリジの育て方と管理
育て方のポイント①種まきと植え付け
種まきの時期は年二回
ボリジの種まきに適した時期は春と秋の年二回。より大きく育てたいのならば秋まきにするとよいでしょう。種は大きく、発芽率もよいのでガーデニング初心者にもおすすめです。大株に育ちますから株間を30cmほど取り、肥沃な場所に直まきにしましょう。鉢植えの場合は直径24cm以上で、深さのあるものを用意しましょう。
ポット苗からの植え付けは要注意
ボリジの根は直根性のため移植を嫌います。ポット苗からの植え付けの際には土を崩さず、極力根に触らないように気をつけましょう。本葉が5~6枚ぐらいになったぐらいが植え付けに適しています。
育て方のポイント②水やりと肥料
最初の土作りはしっかりと、生育期の肥料は控え目に
日当たりの良い場所と、肥沃な土が大きく育つポイントになります。種まきや植え付けの前には必ず緩効性肥料を土に混ぜて下さい。大株に育ちますが、肥料のやりすぎは葉ばかりが茂る結果となりますので、液肥は様子を見ながら追加しましょう。
多湿に要注意!
基本的な水やりは土の表面が乾いてから。少しぐらいの乾燥には耐えられます。鉢植えであまり大きくしたくない場合には、肥料と水やりを控えてください。蒸れに弱いので、水やりは多湿になりすぎないよう気をつけましょう。
育て方のポイント③性質と増やし方
丈夫な性質と発芽率のよい種
ボリジはこぼれ種で増えるぐらいですから、増やし方は難しくありません。気温の条件さえ合えば、一年中発芽する機会に恵まれている植物です。病害虫の心配もほとんどありません。
ボタニ子
それでは成育歴と一緒にボリジの栽培のポイントをまとめてみましょう!
ボリジの成育歴
1~3月 | 休眠期 | 冬期はロゼットの状態で過ごす |
3~5月 | 種まき(春まき) | 植え付けは4~5月上旬ごろ |
4~7月 | 開花期 | 葉の収穫時期は3~5月 花の収穫時期は4~7月 |
9~10月上旬 | 種まき(秋まき) | 植え付けは9~11月ごろ |
11~12月 | 休眠期 | 肥料を与える |
ボリジの育て方のポイント
- 大株に育てたいときは秋まきがおすすめ(寒冷地では春まき)
- 日当たりの良い場所、水はけのよい肥沃な土を好む
- 1mほどの大株に育つので、植え付け、種まき共に株間を30cmほど開けておく
- 直根性なので移植を嫌う
- 高温多湿に弱いので、水やりの際には注意すること
- 肥料のやりすぎは葉ばかり茂って花つきが悪くなることがある
まとめ
生命力あふれるハーブの仲間たち。今回はボリジをご紹介しましたが、その効能やさまざまな使い道には感心させられますね。見て楽しい、使って嬉しいハーブの存在は生活の潤いに繋がります。どんどん活用していきたいものですね。
出典:写真AC