ベラドンナリリーとは
植物名 | ベラドンナ・リリー |
科名 | ヒガンバナ科 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
耐乾性 | 強い |
ベラドンナリリーとアマリリスの違い
一般呼称 | ベラドンナ・リリー | アマリリス |
---|---|---|
学名 | アマリリス・ベラドンナ | ヒッペアストラム |
科名 | ヒガンバナ科 | ヒガンバナ科 |
属名 | アマリリス属 | ヒッペアストラム属 |
開花時期 | 8月下旬~9月 | 4月下旬~6月(10月に咲くものも有) |
形態 | 多年草 | 常緑草 |
なぜ呼び名が違うの?
呼び名が変わった理由は、かつてアマリリスはアマリリス属に分類されていたからです。しかし、分類の細分化により違う属に分かれてしまいました。そのため、園芸で親しまれていた「アマリリス」だけが呼称として残り、一般的に園芸でよく使われる種類の多いヒッペアストラム属を「アマリリス」、アマリリス属を「ベラドンナリリー」と呼ぶようになったのです。
ベラドンナリリーの特徴
ベラドンナリリーは1つの球根から1本の茎だけを伸ばして10輪前後の花を咲かせる特徴があります。花はピンクや白のユリに似た形です。花が咲いた後に葉をつけ、秋冬春を過ごし、気温が25度以上になると葉が枯れ始め休眠します。葉が落ちても次の年にはまた新たな花をつける多年草です。
ベラドンナリリーの花言葉
ベラドンナリリーの花言葉は、
- 沈黙
- ありのままに
- ありのままの私を見て(私の裸を見て)
ベラドンナリリーの育て方
ベラドンナリリーの植え方
ベラドンナリリーは、庭植えにも鉢植えにも適しています。おすすめの植え付け時期は、休眠時の6~7月です。休眠時とはいえ傷つけると育ちにくくなるので気を付けて植えましょう。球根の上部から3cmほどは土がかぶるように植えると、球根がしっかり大きく育ちます。並べて植える場合は、株間を20~30cmほどとるとよいです。
球根を増やしたい場合
球根を増やしたい場合は、球根の上部が土にかからない程度に植えると分球しやすいです。親球に子球がくっついた形で育つので、ある程度大きくなったら親球から子球をはがします。子球がはがれにくいときは無理にはずさず自然と取れるのを待ちましょう。子球がはずれたらできるだけ早く植え付けを行います。
ボタニ子
ベラドンナリリーにおすすめの肥料
ベラドンナリリーは肥料を多く与えなくても丈夫に育つ植物です。植え付け時に肥料を与える場合は、緩効性化成肥料が向いています。植え付け後に肥料を与える場合は、花を咲かせることで体力を消耗する株が栄養補給できるように、開花後のタイミングで化成肥料を与えるのがおすすめです。リンが少ない肥料を与えると花が咲きにくくなるので気を付けましょう。
ベラドンナリリーの水やり頻度
ベラドンナリリーは水はけのよい状態を好みます。庭植えの場合は、根付いてしまえば自然の雨だけで十分です。あえて水やりをする必要はありません。鉢植えの場合は、土が乾いたら水を与えます。土がしっかり乾燥するまでは水やりをしなくても大丈夫です。湿気に弱いので、水を与えすぎると球根が腐ってしまいます。受け皿に溜まった水は毎回捨てましょう。
ボタニ子
冬でも活動をしているので、水やりの頻度に気を付けながら1年を通して水やりをしてあげましょう。
ベラドンナリリーを管理するポイント
発芽後の管理ポイント
ベラドンナリリーは水はけがよく日当たりのよい場所を好みます。特に発芽後は1日中日の当たる場所に置くことが大切です。鉢植えで室内管理している場合は、日のよくあたる場所におくか、定期的に日光浴をさせてあげましょう。秋~初夏にかけてしっかり日に当てて育てると花を咲かせやすいです。
花を長く楽しむ管理ポイント
ベラドンナリリーは花粉がついている葯を取ってあげると長持ちします。葯の取り方はティッシュなどでつまみ取るだけなので簡単です。葯が残ったままだと、受粉して種を作ろうとするため、エネルギーを消耗して早く枯れてしまいます。また、萎れた花は早めに切り取ると、残った花にエネルギーを分けられるため長持ちしやすいです。
花を咲かせた後の管理ポイント
ベラドンナリリーが花を咲かせた後は、花がら摘みをしてあげましょう。咲き終わってしまった花をそのままにしていると病気の原因になったり、花のつきが悪くなってしまいます。切り花としても長く楽しめる植物なので、花が咲き終わる前に剪定してもよいでしょう。花茎の根元ではなく花首から切ってあげると、翌年に花が咲つきやすくなります。
ボタニ子
花がら摘みをせずそのまま育てると種を作ります。種から育てることもできますが、球根になるまでに5年はかかるといわれます。
休眠時の管理ポイント
休眠時期は6~8月上旬です。休眠準備が始まると葉が黄色くなり落ちていきます。休眠のサインに気づいたら水やりの頻度を今までの半分ほどに減らしましょう。休眠時期に梅雨がやってきますが、庭植えの場合は梅雨でも心配いりません。鉢植えの場合は、長く雨が続くようだったら室内に入れてあげましょう。
ボタニ子
休眠時に葉がなくても根は生きていますので、間隔を空けながら水やりをしましょう。
越冬時の管理ポイント
ベラドンナリリーは霜があたると枯れてしまいます。庭植えの場合はビニールなどで防寒したり、霜よけの工夫をしたりしましょう。鉢植えの場合は冬は室内に入れるなど、霜があたらない環境づくりが必要です。温暖な地域の場合は屋外のままでも越冬できます。その年の冷え込み具合で管理してあげましょう。
植え替え時の管理ポイント
ベラドンナリリーは植え替えに弱い植物なので、庭植えの場合は5~6年に1回、鉢植えの場合は3~4年に1回ほどの植え替えで十分です。株が込み合ってきているように見えたら植え替える程度でよいでしょう。植え付けや植え替えをした年は花が咲きにくいですが、翌年からはしっかり花を咲かせてくれます。
ボタニ子
根詰まりしたり密生したりすると花が咲きにくくなるので、ある程度の年数がたったら植え替えをしましょう。
病気や害虫は?
ベラドンナリリーは病気になりにくい丈夫な植物です。害虫の心配もありません。しかし長期にわたって雨にあたったり、水を与えすぎるとフザリウム腐敗病になる場合があるので、土の湿りすぎには注意しましょう。水やりの頻度と越冬時の霜に気を付ければ、毎年元気に花を咲かせてくれます。それほど病気や害虫の心配をしなくてもよいので、初心者にも育てやすい植物です。
まとめ
美しく凛と立つベラドンナリリーは見る人を魅了する花です。植物を育てる楽しさは、植えてから発芽するまでの時間や、茎を伸ばして育つ姿にもあります。「花は花だけ、葉は葉だけ」を楽しませてくれるベラドンナリリーはまさに、いじらしくもかわいい植物です。秋にも花を楽しめるベラドンナリリーをぜひおうちに迎えてみてください。
植え方によって、球根を育てるか、球根を増やすかの選択ができます。